もう一つ特筆すべきは'The Piano Tuner of Earthquakes'という少しマイナーな作品。幻想と現実が混ざり合う作風で、盲目の調律師が不思議な島で体験する超現実的な物語が展開します。音楽の持つ神秘的な力と、視覚以外の感覚の鋭敏さをテーマにした稀有な映画です。特にサウンドデザインが秀逸で、聴覚優位の世界観を体感できます。
シェイクスピアの『ベニスの商人』では、確かに「Love is blind」という台詞が出てきます。この言葉が広く知られるきっかけになったのは間違いないでしょう。
ただし、恋愛における盲目性を表現する概念自体はもっと古くから存在していました。中世の詩や民話でも、理性を失った恋の姿は頻繁に描かれています。シェイクスピアはそうした普遍的な人間心理を、キャッチーな形で定着させたと言えるかもしれません。
現代ではこの表現が一人歩きしていますが、原作では金銭問題に翻弄されるジェシカとロレンゾの関係を皮肉った文脈で使われています。シェイクスピアの深い人間観察が光る場面です。
『The Last of Us Part II』のレフというキャラクターは、盲目ながら驚異的な聴覚と戦闘スキルを持つ敵として登場します。このゲームの素晴らしい点は、障害を単なる設定として扱わず、ゲームプレイに直接反映させていることです。
プレイヤーはレフと対峙する際、音を立てずに移動する必要があり、まったく新しい緊張感を体験できます。Naughty Dogはこのキャラクターを通じて、障害を持つ人々の能力を尊重しつつ、ゲームデザインの可能性を広げました。単なる敵キャラクターを超えた深みのある描写が評価されています。