石蝋(せきろう)は、主に鉱物油から精製されるワックスで、キャンドルやポリッシュ、化粧品など幅広い用途に使われています。原料としてはパラフィンワックスが一般的で、これは原油を精製する過程で得られる重質油から抽出されます。製造工程はまず原油を蒸留して軽油やガソリンなどを分離した後、残った重油をさらに処理してパラフィンを抽出します。
このパラフィンを漂白・脱色し、不純物を取り除いたものが石蝋の原料になります。その後、必要に応じて硬度を調整するため、ミネラルオイルやステアリン酸などを添加します。最後に成形機で板状や粒状に加工され、製品として完成します。19世紀に石油精製技術が発達して以降、従来の獣脂ろうそくに代わる安価で扱いやすい材料として広まりました。
興味深いことに、同じ石油由来でもマイクロクリスタリンワックスという高級品もあり、こちらはより精製度が高く美術品の保存用などに使われます。近年では植物由来の代替ワックスも登場していますが、依然として石蝋はその安定性とコストパフォーマンスから需要が根強いです。