行政の人口センサスや住宅データ、都市計画書は基本だが、欠損や過小報告が多いことも頭に入れておく必要がある。だからこそNGOや国際機関の調査、保健局の疫学データを照合する作業が重要だ。学術的な文献としては『Planet of Slums』のようにマクロな視点でグローバルな傾向を整理した書物も参考になる。そこから各都市の固有性を読み替えるのに役立つ。
歴史的なスラムの変遷を追うときに威力を発揮するのは、現地レポートや写真報道だ。たとえば『How the Other Half Lives』のような写真記録は、当時の生活環境や社会的な反応を直感的に伝えてくれる。行政文書や土地台帳、裁判記録、建築許可の履歴に当たれば、法制度や都市政策がどのように場を形作ってきたかを読み解ける。
まずは丹念なフィールドワークに基づくルポや民族誌が参考になる。具体的には、スラムの日常や経済構造、人間関係を細かく描いた作品が現場感覚を補ってくれる。たとえば『Behind the Beautiful Forevers』のようなノンフィクションは、個々の生活の声と政策の齟齬をつないで見せてくれるから重宝している。