剣道を十年近く続けてきた経験から言えば、素振りの回数は目的によって大きく変わります。基礎固めならば一日三百回から五百回が目安ですが、フォームの改善が目的なら質を重視して百回程度でも十分です。
大切なのは回数よりも『一本一本に意識を込める』こと。漫画『バガボンド』で宮本武蔵が千回の素振りを描いたシーンがありますが、あれは単なる数字の追求ではなく、『体に剣の動きを刻み込む』ための修行でした。同じように、漫然と千回こなすより、二百回でも正しい姿勢と呼吸を意識した方が効果的です。
特に初心者は、肩や肘への負担を考慮して最初は五十回から始め、二週間ごとに五十回ずつ増やすと安全に上達できます。
竹刀の重さや振り幅も考慮に入れると、個人差があるので『筋肉痛が翌日まで残らない範囲』が最適な回数の指標になります。