ぼくは考察サイトを巡ると、
レティシア像が分岐しているのが面白くてたまらない。多くのサイトは外見や断片的な台詞から出自を組み立てる手法をとっていて、主に三つの方向に分かれる印象がある。
一つ目は“隠された血筋”論で、王家や古い宗教団体に繋がる存在として読むやり方だ。根拠は家紋めいたモチーフや他者との関係性の描写で、伝承や遺伝的な力が作用すると仮定すると辻褄が合う場面が多いとされている。
二つ目は“実験体・改造人間”視点で、背景の暗さや身体的描写、記憶の断片化を根拠に研究施設や軍の陰謀説を唱える。ここでは科学技術や倫理問題を交えた深読みが進み、物語全体に影を落とす伏線として扱われる。
最後に“象徴的存在”としての解釈があって、個人史より物語的機能を重視する。こちらはキャラクターが示すテーマ性――赦し、贖罪、希望といった概念を担う役割に注目し、細かな生い立ちよりも表現としての意味を探る傾向にある。僕はどの解釈も一理あると思うし、作品がそこまで余白を残していること自体が魅力だと感じる。