関係の温度差を感じ取るのは、単純なラベル以上に面白いと思う。僕はキャラ同士の会話の間(ま)や動作、そして沈黙をよく追う。
イバラでは友情と利用、信頼と疑念が複雑に絡み合っているから、表面的な親密さだけで判断すると堅苦しい誤読をしがちだ。
具体的には、ある場面で見られる身体の近さや視線の泳ぎ方、話題の選び方をメモする癖がある。それが繰り返されると、どの関係が実は演技でどれが真心なのかが見えてくる。過去の出来事がトリガーになっているケースが多いので、回想や逸話が出たときに注目するといい。
『鋼の錬金術師』のように、秘密や罪が関係性を形作る作品例を引くとわかりやすい。登場人物は互いの弱さを知ることで距離を縮めるが、その代償も必ずついて回る。だから僕は、言葉と行動の食い違いを探して、そこから本当のつながりを見抜こうとする。それが楽しいし、見る目が磨かれるからだ。