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あなたがくれた指輪は、もう約束じゃない

あなたがくれた指輪は、もう約束じゃない

二十七歳の誕生日、その日。 私はサイドテーブルで、陽翔がこっそり隠していたちょっと高めのレディースリングを見つけた。 ――もしかして、プロポーズのとき指輪をくれなかったこと、今さらだけど埋め合わせしようとしてるのかな。 そんな期待を胸に、一晩中そわそわして待った。 でも翌朝、彼は「急に出張が入ったんだ」とだけ言って、他県へ行ってしまった。 そのすぐあと。 橘が更新したSNSには、花火を背に手を繋いで並ぶふたりの姿が写っていて、彼女の指にはあの指輪が光っていた。 【十八のときの約束、やっと叶ったね。ぐるっと回っても、ずっとあなたはそばにいてくれた】 ――そんなキャプション付きで。 私は、そっと目尻の涙を拭った。 ……どれだけ真っすぐな愛も、時間には敵わないのかもしれない。
Short Story · 恋愛
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義姉との108回目の逃走

義姉との108回目の逃走

私の間抜けな兄は、若くて美しい奥さんをもらった。 彼女は大学生で気立てがよくて、結婚してから3年で3人の子供を産んだ。 父は毎日満面の笑みを浮かべて誰にでも自慢するんだ。「うちの嫁は最高だ」ってね。 でも私だけが知っている。 彼女は毎晩、こっそり私のベッドに忍び込んでくるんだ。
Short Story · ラノベ
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流産したら元夫がライブ配信で追ってきたけど、今さら遅い

流産したら元夫がライブ配信で追ってきたけど、今さら遅い

結婚して四年、一度もSNSを更新したことのない亮介が、珍しく投稿をした。 「本当に食いしん坊な子猫ちゃんだ」 添えられた写真には、ピンクの猫耳カチューシャをつけた女の子が、料理を食べている姿。辛さに顔を真っ赤にし、舌を出している。 ――彼の会社の新人配信者、美優だった。 投稿からものの数十秒後、共通の知人がコメントをつけた。 「亮介、アカウント切り替え忘れてるぞ!」 その直後、亮介の投稿は消えた。だが、すぐに美優のSNSに同じ内容がアップされた。 ......そして、スマホが鳴った。亮介からの電話だ。 以前の私なら、すぐにスクショを撮って証拠を押さえ、先手を打って問い詰めただろう。どうせ大喧嘩になるのは目に見えている。 でも今回は、スマホをじっと眺めるだけで、一度も取らずにいた。 呼び出し音が切れ、部屋には静寂だけが残る。
Short Story · 恋愛
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遅れてきた春の約束

遅れてきた春の約束

葛城詩織(かつらぎ しおり)は、恋人である榊玲司(さかき れいじ)に頼まれ、ベッドの上で「ご主人様と子犬ごっこ」に付き合ったこと以外、これまでの人生で、人目を引くようなことは無縁の、ごく平凡な女性だった。 カーペットの上で、玲司は詩織の耳たぶを軽く噛みながら、「いい子だ。なんて言うか、分かってるだろ?」と囁いた。 詩織は唇を噛みしめた。その言葉はあまりにも屈辱的で、どうしても口に出すことができなかった。 ......
Short Story · 恋愛
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ラブパッション

ラブパッション

慣れない都会で夜を越え 目覚めると見知らぬ人とベッドにいた―― 突然の本社転勤が心細く憂鬱なOL ・夏帆 初出社の朝 本社のオフィスで『再会』したのは 泥酔して記憶のないまま 一夜を共にしてしまった男 女性社員から理想の結婚相手と 絶賛されるイケメン上司―― 彼は既婚者だった
恋愛
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Komplize - 共犯者 -

Komplize - 共犯者 -

◯あらすじ ロックバンド〝フロントライン〟のヴォーカリスト久遠冬馬は、ギタリストの篠塚迅に、山あいのログハウスに呼び出される。 そこで待ち構えていた迅は冬馬を昏倒させ、監禁してしまった。 しかし、元々ヘタレの迅は、最初の勢いはどこへやら、徐々に主導権を冬馬に奪われてしまう。 ◯この物語は 監禁ホラー物を装った、ブラックコメディです。 表紙:Len
BL
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愛して十年

愛して十年

10周年記念日のその日、私は敬一がついに私にプロポーズするのかと思っていた。 彼の携帯電話のメッセージを偶然見るまで、自分のこの10年がどれほどばかげていたかを知らなかった。 「今日は1周年記念日、旦那さんと一緒に過ごしたいなあ」と向かいの人が甘えながら言った。私が敬一になかなか言えない親密な言葉だった。 「彼女に少し睡眠薬を与えてから来るよ」私は敬一が言った言葉を信じられなかった。指先が震えながら下の会話をめくっていた。 「彼女と結婚しないで、私と結婚してくれる?」そのメッセージの後、可愛くセクシーな写真が一枚現れ、写真の女の子はまだ学生のように見えた。 「今夜の君のパフォーマンスを見てからにするよ。買ってあげた新しい下着を着て、おとなしく隣の部屋で待っていて」 私は合わない下着を身に着けてベッドに座っていた。目がずっと痛かった。これは敬一が他の人のために用意したものだったのか。
Short Story · ラノベ
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恐怖な引き取り

恐怖な引き取り

あるプラットフォームに不要になったスーツケースを出品した。 爆裂クモ虫というIDの人が訪ねてきた。 「サイズはどれくらいですか?人が入りますか?」 私は退屈そうに返した。「大人は無理かもしれないです……」 爆裂クモ虫「細かく切れば入りますか?」 私はすぐに警戒した。「気をつけてください。ネットは無法地帯ではありません!」 しばらくして、その人がもう諦めて去ったと思った矢先、突然メッセージが届いた。 「試してみればわかります。 俺は美女を詰めるのが一番好きです」
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結婚七年、もう彼を捨てる

結婚七年、もう彼を捨てる

七度目の結婚記念日。私はたった一人で食卓に向かい合っていた。 スマホがふいに光を放った。ロック画面には、未読のメッセージが二件。 一件は夫、遠野圭(とおのけい)から。【今夜は会社で残業だ】と。 もう一件は匿名メッセージで、【圭さん、マジでエグいって。奥様、メンタル大丈夫そ?】と、添付されていたのは、男女が熱くキスを交わす写真だった。 記念日のために用意したケーキの蝋燭を吹き消し、私は気だるく目を閉じた。 【離婚しましょう】そう、彼に送った。
Short Story · 恋愛
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告白されました。 でも、ビッチのレッテルもいただきました!?

告白されました。 でも、ビッチのレッテルもいただきました!?

誰かが学校の掲示板に、私に告白する投稿をした。でもそのすぐ下に、ルームメイトの彼氏が「この子は学校中の男と寝ている」と書き込んでいた。 怒りで胸がいっぱいになり、警察に通報しようと思った。 でも、ルームメイトは泣きついてきて、「彼に掲示板で謝罪させるから許してほしい」と懇願した。 その謝罪を待つ間もなく、クラスのグループチャットで流れてきたのは、私が映っているとされる卑猥な動画だった。 瞬く間に学校中に広まり、全員が「これ、如月だ」と信じ込んだ。 学校側は私を呼び出し、事実確認をするどころか、休学を勧告してきた。 家に帰っても、両親は私を見捨て、「もうお前はうちの娘じゃない」と言い放った。 何もかもを失い、噂と誹謗中傷に埋もれて、私は絶望の中で自ら命を絶った。 だが目を開けると、私は掲示板に投稿された日の朝に戻っていた。
Short Story · ラノベ
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