婚約者に逃げられた私は、彼を捨てて国に身を捧げた
婚約の日、木村笙子(きむらしょうこ)が私の婚約者の作ったおにぎりを食べたいと言っただけで、彼は迷わず立ち去ろうとした。
私は思わず引き止めた。けれど、彼は私に平手打ちを食らわせた。
「婚約なんてまた今度でいいだろ。笙子がお腹空かせたらどうするんだ?」
お兄さんまでが、私をわがままだと叱った。
「お前は笙子より年上なんだから、譲ってやれないのか?」
私は何も言わず、ただその場を離れた。
彼らは、私がただの気まぐれで怒っただけだと思い、気にしなかった。
そして、笙子と一緒に遊びに行くために、すべての仕事をキャンセルした。
半月後になって、彼らはようやく私に連絡を取ろうとした時に、私はすでに国家の十年計画の極秘兵器研究プロジェクトに参加していた。
そして、もう二度と家に戻らないつもりだった。
彼らは完全に慌てふためいた。