婚約者さん、その幼なじみとどうぞお幸せに
結婚式を挙げる前日の夜、私の婚約者の幼なじみは傭兵をしていて、五年間連絡を断っていたのだが、任務中に負傷したうえ毒性のある媚薬まで盛られてしまった。
薬を盛られた彼女は部隊の仲間に私の婚約者の前へ連れて行かれた。彼女は全身血だらけで、まさに九死に一生といった様子だった。
一向に冷静沈着で理性をなくすことのなかった篠原迅(しのはら じん)は目を真っ赤にさせて、私の制止も振り切り幼なじみと一夜を共にした。
そして私のほうはというと、一晩部屋の外で一睡もできなかった。
その翌日、私のヒステリックな詰問に対して彼は幼なじみを庇い、腐った態度でこう吐き捨てた。
「俺は茉莉花(まりか)が死んでいくのを黙って見ているわけにいかなかったんだ。ただ俺の『初めて』を彼女にあげただけだろう?結婚する前にちょっと一晩羽目外したからって何だって言うんだ?」
その瞬間、私の彼に対する愛は完全に粉々になって消えていったのだった。