代わりに出たお見合いで、運命を間違えた
私は財閥の令嬢である親友の身代わりとして、お見合いの席に臨んだ。大森グループの跡取り息子である大森結城(おおもり ゆうき)は、私に一目惚れをした。
それ以来、私に視線を送る男がいれば、彼はその男の足を折り、江の川へと投げ捨てた。
私が正体を明かした時、彼は自らの手の甲を三度切り裂いた。骨が見えるほどの深い傷だった。
「お前が誰であれ、俺のそばを離れることは許さない。他の男と結婚して子供を産む姿を想像しただけで、そいつらを皆殺しにしたくなるんだ」
彼は三年間、私を溺愛した。私が妊娠を知らせようと胸を高鳴らせていた、あの夜までは。
寝室の扉を開けた私の目に飛び込んできたのは、一糸纏わぬ姿で絡み合う彼と親友の姿だった。
私は理性を失い、二人を家から追い出そうとした。
しかし、結城は血走った目で私を見つめ、私の頬を張り飛ばした。
「土屋綾奈(つちや あやな)、どうしてそんなに聞き分けが悪いんだ?
俺はお前のために永野家との婚約を破棄した。そのせいで美香子は家の中で肩身の狭い思いをしているんだ。彼女は地位を固めるために子供を欲しがっているだけだ。どうしてそれくらいのことが理解できないんだ?」
親友である永野美香子(ながの みかこ)は床に膝をつき、腹部を押さえながら懇願した。
「綾奈、もうお腹の中に赤ちゃんがいるの。この子に罪はないわ!」
私は冷めた目で二人を見つめた。
「別れましょう」
その瞬間、結城の表情が豹変した。
「誰が別れるなんて許した?」
台風が吹き荒れる夜、彼は私を暴風雨に曝されるベランダに閉じ込めた。そして、部屋の中で二人が睦み合う声を一晩中聞かせ続けた。
結城。もう、あなたを愛することはない。