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あなたの冷たさに、愛は霞んで

あなたの冷たさに、愛は霞んで

新婚間もない頃、夫の賀川雅文(かがわ まさふみ)に緊急派遣の命令が下り、国境なき医師として戦地へ向かった。 結婚したばかりで離れて暮らすことに耐えられず、私は仕事を捨て、彼に付き添って戦地へ赴いた。 けれど半年が過ぎても、夫は私を戦闘が続く危険な駐在地に住まわせたまま。 私は何度も命を落としかけたというのに、彼の教え子である女子学生は、いつの間にか安全なエリアにある家族向け宿舎へ移されていた。 怒りで頭に血がのぼり、その場で帰国すると言い出した私を、雅文は慌てて抱きとめ、必死になだめた。 「彼女は俺の教え子なんだ。もし何かあれば、周囲から責められる。だから、まずは君に我慢してもらうしかなかった。家族用宿舎はいま増設中なんだ。来月には、君の入居資格を申請するから」 私は結局、彼の立場を思ってその言葉を受け入れ、戦地に残った。 だが、思いがけずウイルスに感染し、家族枠で優先接種を申請しようとしたとき、告げられたのは残酷な事実だった。 「システム上、賀川様のご家族として登録されているのは谷口静香(たにぐち しずか)様という方です。あなたは本当に、賀川様の奥様ですか?」 その瞬間、全身の血の気が引いた。 谷口静香――それは、雅文のあの教え子の名前だった。 すべてに絶望した私は、兄に電話をかけた。 「兄さん、迎えに来て。それから――離婚協議書も一通、持ってきて」
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愛の終着駅と私の決断

愛の終着駅と私の決断

社長である彼氏、早川海翔(はやかわ かいと)は、私が自ら数億円の大型契約を帰国したばかりの彼の後輩、白石桜空(しらいし さくら)に譲ったと知った時、自分から私への99回にも及ぶ「別れる」という脅しがようやく効いたのだと勘違いした。 彼は有頂天になり、私、雪代汐音(ゆきしろ しおね)に婚約を申し込んできた。 ところが、それを知った桜空は激しく嫉妬し、契約の調印式を無断欠勤しただけでなく、会社を辞めるとまで騒ぎ立てた。 日頃から彼女を溺愛している海翔はすっかり慌てふためき、なんとその場で彼女を昇進させた。さらには出張を口実に私との約束をすっぽかし、あろうことか別の街で桜空と非常に豪華な婚約式を挙げた。 後になって、彼は悪びれる様子もなくこう言い放った。 「ただの形式的な婚約式だろう。本当に結婚するわけじゃないんだから、そんなにムキになるなよ。 桜空は海外帰りのエリートだぞ。俺がこうするのも会社の人材確保のためであり、ひいては俺たちの将来のためでもある。俺の未来の妻であるお前なら、理解してくれるよな?」 私はスマートフォンをきつく握りしめた。画面には、桜空がインスタにアップしたばかりの画像が開かれたままで、そこには二人が身につけたペアリングがはっきりと写し出されていた。 私は反論することなく、ただ黙って頷いた。 それを見た彼は喜色満面となり、私がようやく彼の苦心に気づいてくれたのだと思い込み、「出張から戻ったら、お前にはもっと盛大な婚約式を挙げてやるからな」と上機嫌で約束してきた。 しかし彼は知らない。私がすでに退職願を出していることを。 彼が桜空と婚約式を挙げることに同意したその瞬間から、私にもうこの男は必要なくなったのだ。
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真実の愛は、もう還らない

真実の愛は、もう還らない

会社が巨額契約を締結するその日、私、久世怜奈(くぜ れな)はひどい風邪で嘔吐と下痢に見舞われ、取引先の顔に汚物を浴びせてしまった。相手は激怒し、その場で契約を取りやめ、会社には20億を超える損失が出た。 社長である恋人の山本颯太(やまもと そうた)は激しく怒り、私を副社長の座から平の営業にまで降格させたうえ、毎日睡眠は三時間まで、それ以外の時間はすべて会社のために身を粉にして稼ぎ、会社の損失を完済するまで働けと命じた。 私は罪悪感を抱えながら、毎日必死に働き、案件を取って金を稼いだ。だが、もうすぐ借金を返し終えられるというところで、喜び勇んで進捗を報告しに社長室へ向かった私は、そこで彼と女性秘書の会話を耳にしてしまった。 「山本社長、あのとき久世さんは私の歩合からたった一円差し引いただけなのに、あなたはこっそり彼女の飲み物に下剤を混ぜて、取引先の前であんな大失態を演じさせたんですよね。そのあとも、巨額契約を失ったのは彼女のせいだって責任を押しつけて、死にものぐるいで損失を穴埋めさせて……さすがに少しやりすぎじゃありませんか? もう借金もほとんど返し終えていますし、そろそろ許してあげてください。だって、社長は本気で久世さんを愛しているんでしょう?もし久世さんを追い詰めすぎて、本当にあなたのもとを去ってしまったらどうするんですか。私のせいで、お二人が引き裂かれるようなことにだけは……」 井上桃花(いのうえ ももか)の言葉を、彼は遮った。 「だめだ。君は俺の命の恩人なんだ。あのとき交通事故で大出血した俺が、今こうして生きていられるのは、君が輸血してくれたからだろう? 怜奈は、俺がこの世でたった一人愛している女だ。だが、君の歩合を差し引いた以上、罰は受けてもらう。それが20億なら20億だ。一銭たりとも減らすつもりはない。それに、あいつは有能だ。あと一か月もあれば完済できる。そのときはきちんと埋め合わせをして、結婚するつもりだ」 けれど彼は知らない。私には、もう一か月も残されていない。 この数年、彼のいう損失を返すために身体を酷使しすぎたせいで、私は胃がんになっていた。余命は、あと一週間しかない。 それに、あの日交通事故に遭った彼に輸血したのは、桃花ではなく私だった。
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愛は春の雪のように溶けて

愛は春の雪のように溶けて

京平市市立病院。 「院長先生、私、自ら志願して海野市の分院へ赴任させていただきたいと思います」 院長は驚いたように顔を上げ、しばらく沈黙した後、慎重に口を開いた。 「晴子さん、本当に決心したのか?あの分院への異動は、少なくとも五年は戻って来られないが」 神原晴子(かんばら はるこ)は瞳の奥に浮かぶ苦みを押し殺し、静かに、しかし確固として頷いた。 「はい、覚悟の上です。今、海野市は開発の真っ最中と聞いています。ですから……そこに行きたいんです」 院長は小さく息をつき、沈んだ声で尋ねた。 「……福井先生やご家族とは、相談したか?」 その名を聞いた瞬間、晴子の胸がきゅっと締めつけられた。 ――姉の神原奈々(かんばら なな)が帰国し、両親と共に彼女と福井横生(ふくい よこお)の家に住み始めてから、横生の心は、少しずつ遠ざかっていった。 晴子は、子どもの頃に戻ったような気分だった。 家の中では、いつも奈々だけが中心で、皆が彼女を取り巻き、自分の存在はいつもかすんでいた。 横生はかつて、「君と一生も家族でいたい」と誓ってくれた。 だが、その約束は結局、守られることはなかった。 でも、もういい。一週間後には、彼のことで心を痛める必要もなくなる。 これからの未来は、もはや誰のものでもなく、晴子ただ一人のものだ。 横生なら、過去に置き去りにすればいい。
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情が深まるとき、愛は離れて

情が深まるとき、愛は離れて

あらゆる手を使ってまで私と結婚した夫、高梨辰哉(たかなし たつや)は、その2年後に、新しく囲った女を家に連れ込んだ。 玄関でその女の長い髪をそっと撫でながら、私の方を見て笑う。 「薫、お前も見学してみたらどうだ?ロボットみたいな表情じゃなくて、可愛い笑い方を覚えたほうがいいぞ」 昔は、私の髪を撫でるのが好きだと言ってくれた。触れていると、どんな悩みも忘れられる、と。 なるほど。別に誰でもよかったんだ。 それに気づいた瞬間、どうでもよくなった。 引き出しから用意しておいた離婚届を取り出し、淡々と差し出す。 「サインして。席を譲ってあげるわ」 残された時間は少ない。これ以上、この男に時間を費やしたくない。
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愛は恨みに、永遠の別れを

愛は恨みに、永遠の別れを

23歳の誕生日、その日──私の実の兄、桑名修治(くわな しゅうじ)は全国長者番付で1位を獲得した。 彼は家政婦の娘・三塩亜矢子(みしお あやこ)のために盛大な誕生日パーティーを開いた。さらに桑名家は彼女と養子縁組を結び、修治はこれから彼女が桑名家でただ一人の寵愛を受ける存在であると宣言した。 一方の私は、人工心臓に不具合が見つかり、適合するドナーも見つからず──医師からは、余命一か月と告げられていた。 病の痛みと心の絶望が重くのしかかる中、私は震える手で修治にビデオ通話をかけた。 通話中に咳き込んでしまうと、その音を聞いた修治は、冷ややかに吐き捨てた。 「昔は俺が足手まといになるのが嫌で逃げたくせに──今さら、俺が金持ちになったら後悔したのか?」 喉が焼けるように痛み、言葉が出ない。 それでも私はカメラ越しに彼の変わらぬ無表情を見つめ、乾いた笑みを浮かべた。 「お兄ちゃん……600万円でいいの。あなたにとっては大した額じゃないでしょう?少しだけ貸してくれない?」 向こうから、嘲るような息遣いが返ってきた。 そしてすぐに、彼が亜矢子を宥める優しい声が聞こえた。 「詐欺の電話だ。俺は大丈夫だ」 ──そう、もちろん彼は大丈夫だ。 だって、今彼の胸で規則正しく鼓動しているその心臓は、もともと私のものだったのだから。
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愛の残り火が消えるとき

愛の残り火が消えるとき

「離婚届の準備をお願いします」 柳沢悦子は淡々と弁護士とやり取りを終えると、静かに電話を切った。 結婚して五年。別室で寝るようになってから、もう三年が経つ。 彼女と深見凌の夫婦関係はとうに終焉を迎え、もはや続ける理由はなかった。 そのとき、不意に小さく柔らかな体が、彼女の膝に飛び込んできた。 「ママ、本当にお引っ越ししちゃうの?」 甘えるような声で娘が尋ねる。 悦子はすぐに答えず、そっと娘を抱き上げ、自分の膝に乗せた。 無垢な娘の顔を見つめると、胸の内に複雑な思いが込み上げる。 「でもパパ……今日、おじさんが抱っこしてくれたの。私のこと、ちょっとだけ好きになってくれたんじゃない?」 娘の切なる期待を込めた眼差しに、悦子は思わず鼻の奥がツンとした。 どう説明すればいいのだろう。 娘が「親しみ」と受け取ったその仕草は、彼の初恋――葉山若葉の突然の帰国によって、一瞬だけ向けられた幻だったのだと――
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愛も憎しみも、もう残っていない

愛も憎しみも、もう残っていない

三歳のとき、両親はちょっとしたすれ違いから、お互いに浮気をした。それをきっかけに、二人は業界でも知られるほど、憎しみ合う夫婦になった。 相手を傷つけるために、両親は私を犠牲にして、何度も痛めつけた。 五年間で、母に骨を折られたのは三回。父に、わざと置き去りにされたのは五回。喧嘩の最中に、海に投げ込まれたことも一度ある。 やがて両親は、そんな生活にも飽きた。そして、別のやり方で苦しめ合うことにした。 離婚し、それぞれ新しい子どもを養女に迎えた。 競い合うように愛情を注ぎ、機嫌を取るようになった。 その結果、私はいちばん余計な存在になった。両親がお互いのことを思い出したとき、殴られ、罵られる。八つ当たりの相手として。それが、私に残された唯一の存在価値だった。 私が生きる支えにしていたのは、生まれたとき、両親が一緒に贈ってくれた小さなお守りだけだった。 そこには、健やかに、穏やかに生きられますように、という願いが込められていた。それが、私に残された唯一の温もりだった。 十歳になったとき、誰かがその最後の心の支えを奪おうとした。 必死に抵抗し、その結果、脾臓を破裂させられた。 両親が駆けつけたとき、地面には血が広がっていた。 それを見て、二人とも、嫌そうな顔をした。 「枝野美咲(えだの みさき)……自分をこんな姿にして。本当に、父親と同じで気持ち悪い」 「誰が気持ち悪いって。もう一回言ってみろ。その乱れた格好を見ろ。お前と同じで、みっともないじゃないか」 私の助けを求める声は、激しい喧嘩の声にかき消された。身体は、だんだん重くなっていく。 気づいたときには、あたりは静かになっていた。 二人も、ようやく喧嘩をやめた。
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音もなく、愛は冷え切っていた

音もなく、愛は冷え切っていた

私は十年間パティシエとして働き、ずっと自分の店を持つことを夢見てきた。 夫である森田安弘(もりた やすひろ)は、「機会があれば、二人で店を開き、店名は『洋菓子専門店葉月』にしよう」と言っていた。 結婚五年目になって、ようやく「洋菓子専門店葉月」はオープンした。 その日、私は家で一晩中看板ケーキを作り、明け方四時に店へ向かった。 ショーウィンドウには、すでに完成品がずらりと並んでいた。 店員は私を見ると、少し驚いた顔で言った。「応募の方ですか?」 私は「オーナーの妻です」と答えた。 彼女はますますきょとんとして、「オーナーさんは今日、お忙しいはずですが」と言った。 私は奥へ進み、壁に掛けられた巨大なポスターを見た。安弘が一人の女性と肩を並べ、満面の笑みを浮かべている。 ポスターにはこう印刷されていた。【森田安弘と葉月晴奈共同創業者】 私はその名前を見つめたまま、手にしていたケーキの箱を取り落とした。クリームが床いっぱいに飛び散った。 葉月晴奈(はづき はるな)なんて。 でも、私の名前は葉月美咲(はづき みさき)なのに。
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私の葬式で愛してると言って

私の葬式で愛してると言って

「安里さん、お体はすでに多臓器不全の兆候を示しています。このまま治験を続ければ、3ヶ月ももたないでしょう」 医師が差し出した検査報告書を見つめながら、安里梨花(あんり りか)はかすかに苦笑した。 「構いません、3ヶ月あれば十分です」 これは江川晨也(えがわ ともや)のそばにいられる、唯一のチャンスだ。彼女は、それを手放すつもりはなかった。 病院を出た彼女はそのまま自宅へと戻った。玄関に足を踏み入れた瞬間、寝室から熱を帯びた情事の声が聞こえてきた。 足元でだらりと下がっていた手が、無意識にきゅっと握りしめられた。彼女は知っていた。 晨也の周囲には常に女性が絶えなかったことを。 だが、自宅に女性を連れ込んだのは、今回が初めてだった。 こんな場面は見たくない――そう思って目をそらしかけたとき、ふと視界の隙間からその女の顔が見え、彼女は足を止めた――
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