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王の名を持つ者②

Penulis: プリン伯爵
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-25 17:00:40

剣聖レオンハルトは強敵を前にして剣を握る手に力が入る。

四天王は高位魔族すらをも凌駕する力を持つ。

剣聖と謳われる彼も手を抜ける相手ではなかった。

「まさかここまで追い込まれるとは……吾輩が出なければならんとは思わなかったぞ」

「そうか」

「そちらは剣聖だな?吾輩はロック・ノック。卑しくも四天王の肩書きを持つ」

「……剣聖レオンハルト・レインだ。相手にとって不足はない」

レオンハルトが構えを取るとロックもまた両手を広げ足元に魔法陣を浮かべる。

ロック・ノックは完全に魔法使いタイプの魔族だ。

肉弾戦は得意としていない。

対するレオンハルトは近距離での戦闘を得意とする。

距離を詰められなければ勝ち目はない。

レオンハルトは一気に駆け出すと聖剣を横薙ぎに振るう。

「シャイニングセイバー!」

「光属性の対抗策は用意しておるぞ!デビルミラー!」

ロックが前方に悪魔を模した装飾が施された鏡を出現させるとレオンハルトの斬撃は反射する。

「厄介な!ハァッ!」

返ってきた自分の技を斬り捨てるように弾くと次の攻撃モーションに移る。

「クロスセイバー!」

十字に放たれる斬撃はロックの魔法を打ち砕き勢い衰えぬまま突き進む。

ロックがニィと口角を上げるとその斬撃を全身で受け止めた。

ローブが斬り刻まれ複数の裂傷から血が吹き出した。

「防ぐ事もせんとは……戦いを諦めたか?」

「カッカッカッ!ただ無防備に受けたわけではないぞ?我が身に受ける痛みは相手に返る。イビルリバース」

ロックが魔法名を口にした途端レオンハルトの身体から血が吹き出した。

同時に痛みも襲ってくる。

「ガハッ……何だ今のは!?」

「カッカッカッ!吾輩が受ける傷は全て己に返ってくるぞ?さて、どうする剣聖!」

レオンハルトは下手に攻撃できないと分かると剣を構えて睨みつける。

攻撃が全て跳ね返る魔法
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