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第1325話

ผู้เขียน: 夏目八月
翌日、さくらは参内し、清和天皇の御前に進み出た。「玄鉄衛の玄甲軍を、私の配下に戻していただきたく」

天皇は鋭い眼差しでさくらを見据えた。「都の全兵力を、お前に委ねよというのか」

「玄甲軍でございます」さくらは凛と顔を上げ、揺るぎない瞳で答えた。「陛下、京外衛所の兵、神火器部隊の一万五千はすでに燕良州へ向かっております。都の守りは玄甲軍のみ。これ以上、分散させてはなりませぬ」

「都の全兵力を、朕の親衛をも含めて、お前の指揮下に置けと?」天皇は言葉を繰り返した。

さくらは一瞬の躊躇も見せず、相手の疑念などまったく意に介さぬように、「はい!」と力強く頷いた。

天皇は微かな笑みを浮かべた。「邪馬台には汝の夫が、関ヶ原には外祖父と叔父上が、穂村規正は汝の父の旧臣、天方十一郎は汝らが救い出した身。そこへ都の兵まで委ねるとなれば——上原卿、その意味するところが分かっておろうな?」

「玄武様は邪馬台で外敵と戦い、外祖父と叔父は関ヶ原で平安京軍と対峙し、穂村将軍は賊を討ち、天方将軍は反逆者を包囲している」さくらは毅然と答えた。「私は都を守る。それぞれが己が持ち場を守り、大和国と民を護るのみにございます」

天皇は頷き、笑みを深めた。だがその笑みは瞳の冷ややかさを際立たせるばかり。「理のある言葉だ。だが、朕は国と朕の身命すべてを、お前らに託すのだぞ。この信頼の重みが分かるか」

「この命に代えてもお応えいたします」さくらは強く断言した。

清和天皇はしばらくさくらを見つめた後、手元の奏折を整えながら静かに告げた。「承知した。そうそう、太后様が大皇子の養育にご苦労なさっておられる。恵子皇太妃と潤くんを参内させようと思う。皇太妃には太后様のお相手を、潤には大皇子の学友をさせるつもりだ」

それは相談ではなく、通達だった。

さくらは胸の内で激しく渦巻く憤りを必死に抑え込んだ。——陛下なのだ。兵権を全て委ねれば不安になるのも当然。

我慢だ、我慢するのだ——

沈黙の後、さくらは勢いよく顔を上げた。「お尋ね申し上げても宜しいでしょうか。陛下は本当に母妃様と潤くんを伴侶として召し入れられるのですか。それとも、私たち夫婦の反逆を防ぐための人質としてでしょうか」

天皇の瞳に危うい光が宿ったが、声は相変わらず平坦だった。「上原さくら、無礼であろう」

「どうか、もう一度の無礼をお許しく
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