로그인「うわぁ !! お話中、すみません !! もしかしてモノクロのキリさんですか ? そうですよね ?
フォロワーのミミにゃんです ! 」名前の通り、猫耳姿がトレードマークのこの少女は霧香より更に年下の中学二年。なかなかの美少女である。
「あ……ミミにゃんさん !? 初めまして ! キリです ! 」
「ヤダー ! 現実世界でお会い出来るとは思ってませんでした ! 」
「わたしも、まさかここで会えるなんて ! 嬉しいです ! 」
彩と出会った日、霧香がインスタに上げた一番最初のロリータ写真を見て、最初にフォローしてきた有名モデルである。
読者モデルながら天性の明るさとウォーキングの実力は瞬く間に爆破的人気を集め、今やバラエティにも引っ張りダコ。 それがこの女子中学生にミミにゃんだ。「今日は商談ですか ? 清水さんと ? 」
「あ……うん。まあ、マネージャーがお話を聞いたみたいで」
何とも言えない。
まさか今の今、その商談を蹴ろうとしている瞬間とは。だが次の一言が決定打となる。
「そんな事より ! そのワンピース、新色ですか ? 超可愛いです !
モノクロさんのイメージにピッタリですね !! それ、わたしも欲しいなぁ〜。 清水さん、キリさんと写真撮ってもいいですか ? インスタに載せます ! 」「え……。
あ、ああ。もちろんいいよ〜 ! 歓迎だよ〜」「やった〜 !
キリさん、ここの観葉植物の所にしましょうよ ! 」この時の悪魔のような微笑みを、実の悪魔の霧香も見逃さない。ついでにデリカシー0な癖に、変に勘がいい恵也も見逃さない。
「うふふー。可愛い女の子が二人 ! いいわね〜。最高 ! お姉さんが撮ってあげる ! 」
咲が席を立つ。
清水が「男性バンドが多いですね。うちの主力はKIRIがヴォーカルですけど、大丈夫ですか ? 」 これは霧香がベースに回り、ボーカルがハランの和ロックヴァージョンのモノクロでは、許可しないという彩の意思でもあったが、南川は当然のように霧香を絶賛。「全く男性だけとなると、乙女ゲーみたいに偏っちゃうからね。ガールズバンドも今、探してはいるんだけど……ちょうどいい子がいなくて。 KIRIさんの、PVとインスタの二面性のある顔って、特に隠してる……とかじゃないですよね ? だったら和ロックとゴシックのモノクロさんの曲のうち、片方はシークレットバンドにしてしまうというのもあります。 蓮さんとハランさんはどちらのバンドにもいるので、Angel blessの派生バンドと言うよりは、内緒のバンド……という方が面白いかもしれません。 KIRIの楽曲をガチャで引いたら、ようやくモノクロームスカイのシナリオが始まる仕掛けなど……やり方は途方も無いほど存在します。 楽曲もSR、UR曲を増やしましょう…… ! ……と、言いたいところではありますが……。まず、モノクロームスカイさんは今の状態では曲がまだ少ないです。 あとはこちらの都合ですが。 売る自信はありますので、個性派路線で行って欲しいという希望があります。 流行より、バンドとしての色味の方が必要です。 そうじゃないと、似た男性バンドを集めただけのゲームで、曲も衣装もパフォーマンスも変わり映えしない……となると……その方が問題です」 これに関して彩はホッとするどころか、寧ろ身体が熱くなる感覚さえ感じる。「……ここだけの話……今の所、絵柄はアニメですが、声優の件で意見が割れてましてね。 今後、
ケイが抜け霧香が咲をエレベーターに引き摺りこむ。 彩は最奥で壁に話しかけている。 扉が閉まって二秒。 蓮がふと口にする。「誰かバニラが腐った感じの香水つけてない ? 」 霧香は蓮を睨みはしたが、足を小突く気力もなかった。「……思っても言わなくていいから……」 扉が開いたところで、恵也が「わっ !! 」 と大きな声をたて、咲がとんでもない悲鳴をあげた。「なんだなんだ !! 」 社員が数人消化器とサスマタを持って走ってきた。「子供じゃないんだから !! 静かにしなさい !! 」 会議室からも担当と思われる男性と京介が顔を出した。「ちゃんと謝りなさい ! 皆さんにも ! 」 恵也はともかく、咲も頭を下げる。「すみません ! なんでもないです ! 」「すんません ! ちょっとイタズラで……」「止めないお前らも悪い ! 」「今の止めようもないだろ……。恵也と同じレベルで生きてないし」「あ、ひでぇ ! 」「やめろ ! 」 会議室に入るまで千歳の説教は続いた。 □□□「いやぁ〜、タイミング良ったです。実は今 モノクロームスカイさんの話も出てて……」 会議室にいた男性、南川 勇樹はそう言いながら、どうしたものかと頭をポリポリと掻く。 ハランは先程までの、輝かしいオーラを脱ぎ捨てたのかと言うほど霧香にベッタリ。蓮は態度こそ変わらないものの、霧香のそばから離れず。 一方、ほぼセクハラ紛いの被害を受ける霧香は平然としている。 千歳は未だ恵也にあれこれ注意をし……咲は半泣きで立っている。後、最後に気付いたが、もう一人男がいた。The 無害マン、彩だ。「エレベーターくらい静か
四人を乗せたタクシーは、海沿いにあるオフィス街の大きなビルディング……に挟まれた細長い小さなビルの前で止まる。「着いたわ。アイテール株式会社さんよ」 この名前に反応したのは恵也だった。「アイテール !? ゲームの ?! 」「そう。大手ゲーム会社の子会社だけど、ソーシャルゲームの四割を担当してる会社なの」 ドンピシャ。 サブカル系ファンの多いモノクロにとってはゲーム関係は是非とも欲しい仕事である。「ここは……咲さんの知り合いとかがいるんですか ? 」「知り合いもいるし、何度か人を紹介もしてるわ……今回は営業も兼ねてまずはお話よ」「営業……呼ばれてはいないけど、売り込みをかける……って事ですか」「まぁ、全くの0からの売り込みじゃないから安心して」 三人は咲に言われるままフロントへ入る。 フロント嬢と咲は顔見知りのようだ。そしてフロントから誰かへ内線を繋げて話している最中、二人の男がエレベーターから姿を現した。 蓮とハランの二人だった。「お前ら何してんの ? 」「霧ちゃん、迎えに来てくれたの ? 」「え !? なんで二人がここにいるの !? 」 驚く霧香をハランは勝手にエレベーターに連れていく。「じゃあ、行こうか」「どこに ? ハラン何してるの ? 」 フロントで騒ぐモノクロの元へ今度は通常階段を猛ダッシュで降りてくる一人の男。「オメーら !! 会議するって言ってるだろ、脱走すんなよ !! 」 千歳である。「もしかしてAngel blessのお仕事中 ? 」「そう。でも、どうせモノクロームスカイにも声がかかるとこだったし、担当も一緒だし、一緒に行こ」 既にAngel blessが会議していた場にモノクロも行くことになる。Angel bless
彩と再び待ち合わせ。 先程と同じカフェである。 着替えを済ませて先に到着していた彩に恵也が話し込む。「そんでさ〜キリの服見た時、モリリン固まっててさぁ〜」「そうか……」 最初こそ汗だくだった彩だが、少し仕事モードに切り替わって来たようだ。更には道すがら、霧香とミミにゃんのツーショットがネットに上がると、すぐに咲の用意した差し金だと気付いた。 人脈があるのだろう。借りを作れるぐらいに。有名モデルがたまたま同日、会議だったとしてもスケジュールを前倒しで来いと指図出来るとは……藤白 咲と言う人間はかなりヤリ手なんだろうと把握する。 故に『これから会わせたい人』とはどんな人間なのか興味深くもあった。「既製品を着てくる人は多いだろうけど、完全に改造しまくった形だからね〜。 お姉さん、元のワンピースの写真見てビックリしちゃった ! 」「跡形も無いっすもんね」「それで兎子の清水って人は…… ? 機嫌を損ねましたか ? 」「諦めきれない感じかな ? 本当は「もういいか」って空気が出てたけど、ミミにゃんが来て仲良くしてたから気が変わった……みたいな。 焦りが出たんじゃない ? あの子人気だし、大事な広告塔だからね。私生活で仲のいい有名人同士は話題になるし、霧香さんの外見なら彼女が褒めても遜色が無いものね。 しかも……その彼女まで兎子との契約を悩んでるって、すぐそばで話されちゃって……」「あのブランド、評価低いんすね。趣味があれだから……客が少ないのかと思ってたわ俺」「ロリータ系ショップで本当に人気なブランドはもっと賑わってるわよ。 さぁ ! お姉さん、紹介したい人がいるの。行きましょ。 タクシー♪タクシー♪」「お姉さん ! 前見て ! 」 ベチョ !「はぅ !! 」
「うわぁ !! お話中、すみません !! もしかしてモノクロのキリさんですか ? そうですよね ? フォロワーのミミにゃんです ! 」 名前の通り、猫耳姿がトレードマークのこの少女は霧香より更に年下の中学二年。なかなかの美少女である。「あ……ミミにゃんさん !? 初めまして ! キリです ! 」「ヤダー ! 現実世界でお会い出来るとは思ってませんでした ! 」「わたしも、まさかここで会えるなんて ! 嬉しいです ! 」 彩と出会った日、霧香がインスタに上げた一番最初のロリータ写真を見て、最初にフォローしてきた有名モデルである。 読者モデルながら天性の明るさとウォーキングの実力は瞬く間に爆破的人気を集め、今やバラエティにも引っ張りダコ。 それがこの女子中学生にミミにゃんだ。「今日は商談ですか ? 清水さんと ? 」「あ……うん。まあ、マネージャーがお話を聞いたみたいで」 何とも言えない。 まさか今の今、その商談を蹴ろうとしている瞬間とは。 だが次の一言が決定打となる。「そんな事より ! そのワンピース、新色ですか ? 超可愛いです ! モノクロさんのイメージにピッタリですね !! それ、わたしも欲しいなぁ〜。 清水さん、キリさんと写真撮ってもいいですか ? インスタに載せます ! 」「え……。 あ、ああ。もちろんいいよ〜 ! 歓迎だよ〜」「やった〜 ! キリさん、ここの観葉植物の所にしましょうよ ! 」 この時の悪魔のような微笑みを、実の悪魔の霧香も見逃さない。ついでにデリカシー0な癖に、変に勘がいい恵也も見逃さない。「うふふー。可愛い女の子が二人 ! いいわね〜。最高 ! お姉さんが撮ってあげる ! 」 咲が席を立つ。 清水が
「なるほど……なるほどね」 先に彩の考えを咲に話しておくことにした。 咲は立ち止まると、霧香の全身を見る。「一応ね。お姉さんプロだから。みんなの曲は全部聴いてきたのよ。動画も。 リーダーの意向は霧香さんも恵也さんも同意って事なのね ? 」「はい。サイもこんな事になるなら、最初から清水さんって人と会う予定を受けない方が良かったかもって悩んでました」 不安そうにする霧香に、咲は力コブを作るポーズを決める。「よし ! お姉さんに任せて ! 霧香さん、今の服。写真に撮ってもいい ? 」「えと……大丈夫だと思いますけど……」 咲は持っていたタンブラーを霧香に持たせ、カフェの店先で写真を撮る。 大人雰囲気のテラス背景と、甘い服装の霧香はミスマッチな様で妙に引き立つ。 それを恵也のスマホに送り、恵也からの発信で「仕事中の一息」としてSNS にあげる。そしてその写真の違うポーズの物も霧香が自分のインスタにあげた。 その間、咲は誰かにメッセージを送っていた。「どうするんですか ? 」「ふふ。重い石があったら、お姉さんは迷わず重機を使うの ! 便利で強くて、手っ取り早いなら使うべきだと思うんだ ! さぁ行こう」 □□□ 兎子アパレル公司のフロントに行くと、すぐ側のラウンジから一人の男が近付いてきた。 背が高い狐顔の男で、なんとも掴み所の無さそうな印象だ。「清水 森人です。お待ちしておりましたぁ〜」「初めまして、モノクロームスカイの水野 霧香です。リーダーのサイは本日体調不良でして、わたしたちが代理となります。よろしくお願いいたします」「ドラム担当の稲野 恵也です。よろしくお願いいたします」 清水は目を細めると霧香と恵也を見下ろす。「よろしく〜。若いのにしっかりしてていいね」 そして、本来いないはず