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5.白縹 - 2

last update Last Updated: 2025-10-20 11:00:00

「うわぁ !! お話中、すみません !! もしかしてモノクロのキリさんですか ? そうですよね ? 

 フォロワーのミミにゃんです ! 」

 名前の通り、猫耳姿がトレードマークのこの少女は霧香より更に年下の中学二年。なかなかの美少女である。

「あ……ミミにゃんさん !? 初めまして ! キリです ! 」

「ヤダー ! 現実世界でお会い出来るとは思ってませんでした ! 」

「わたしも、まさかここで会えるなんて ! 嬉しいです ! 」

 彩と出会った日、霧香がインスタに上げた一番最初のロリータ写真を見て、最初にフォローしてきた有名モデルである。

 読者モデルながら天性の明るさとウォーキングの実力は瞬く間に爆破的人気を集め、今やバラエティにも引っ張りダコ。

     それがこの女子中学生にミミにゃんだ。

「今日は商談ですか ? 清水さんと ? 」

「あ……うん。まあ、マネージャーがお話を聞いたみたいで」

 何とも言えない。

 まさか今の今、その商談を蹴ろうとしている瞬間とは。

 だが次の一言が決定打となる。

「そんな事より ! そのワンピース、新色ですか ? 超可愛いです ! 

 モノクロさんのイメージにピッタリですね !! それ、わたしも欲しいなぁ〜。

 清水さん、キリさんと写真撮ってもいいですか ? インスタに載せます ! 」

「え……。

 あ、ああ。もちろんいいよ〜 ! 歓迎だよ〜」

「やった〜 ! 

 キリさん、ここの観葉植物の所にしましょうよ ! 」

     この時の悪魔のような微笑みを、実の悪魔の霧香も見逃さない。ついでにデリカシー0な癖に、変に勘がいい恵也も見逃さない。

「うふふー。可愛い女の子が二人 ! いいわね〜。最高 ! お姉さんが撮ってあげる ! 」

 咲が席を立つ。

 清水が
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  • 黒と白の重音   34.薄黄の百日草 - 1

    「寝た ? 」「うん」 恵也がルームミラー越しに後部座席を見る。安心したのか、霧香は彩にもたれて寝息をたてていた。 高速を降り、人気のない方角へと走らせ、田舎町の道の駅に駐車する。 もう日が昇る。「ケイ仕事は ? 」「明後日から。どうする ? 」「俺のアパートはあるけど……追っ手とかいないかな」「いるかもだぜ ? 地獄にキリを連れて行かれたら、俺たち助けに行きようがねぇよ」「そうだな。暫くはここにいようか」「道の駅かぁ。なんでもあるけど……車中泊か…… 」「ケイは出勤に車使うだろ ? 俺とキリは昼間、人の多い所にいた方がいいし」「俺はいいけどよ……。スマホの充電は車でするとして、トイレもあるし……。 風呂とかどうすんの ? 」 彩もこれには頭を抱える。「今日のCITRUSの会議は……何とかリモートで参加出来ればと……。家出したとか、印象の悪いことは言いたくない。 そう言えば、俺のアパート……水とガスは契約してない」「お前の生活どうなってたんだよ……」「……止めて貰ったんだよ。暫くキリの家に住むからさ」「じゃあ、スーパー銭湯でも行く ? 」「そうだな……週一……いや、三日に一回くらいはキリを行かせて……」「え ? お前は ? 」「俺は……そんな頻繁じゃなくても……」 恵也は何となく察する。「も、もしかして……財布忘れて来た ? 」「&hellip

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