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第3話

Author: ミントソーダ
12歳の時、母は私を連れて継父と再婚した。

その頃、俊行はすでに15歳だった。

私たちを見る彼の瞳には、冷たい光が浮かんでいた。

彼が私と母を歓迎していないことは、誰の目にも明らかだった。

私は服の裾をぎゅっと握りしめ、母に促されるまま勇気を振り絞って彼を「お兄ちゃん」と呼んだ。

けれど俊行は、ただ冷たく私を一瞥し、鼻で笑った。

「勝手に親しく呼ばな!

愛人の子どもの分際で……!」

侮辱そのものの言葉に、私はその場に縫い付けられたように動けなくなった。

私は屈辱をこらえながら説明した。

母が継父と付き合い始めたのは、俊行の実母が亡くなった後であり、母は決して愛人ではない。

けれど俊行は信じようとしなかった。

私と母への態度は相変わらず冷たく、継父が何度叱ってもまったく効果はなかった。

母を困らせたくなくて、私は普段からなるべく俊行を避け、彼を怒らせないようにしていた。

私は、自分と俊行の関係はこのままずっと悪いままなのだと思っていた。

けれど17歳の時、その関係は変わり始めた。

夜の自習を終え、一人で帰宅していた時だった。

曲がり角で、酔っ払った男がふらふらと近づいてきた。

その口からは卑猥な言葉が飛び出していた。

私は慌てて鞄を抱きしめ、通行人に助けを求めようとした。

しかし、誰もいなかった。

私は少しずつ絶望していった。

男の手が私に触れようとした瞬間、大きな手が勢いよく私をその背後へ庇った。

次の瞬間、鈍い音と共に男が地面へ叩きつけられた。

私は呆然と、目の前に立つ背中を見つめていた。

いつも私を嫌っていた俊行が、まさか助けてくれるなんて思いもしなかった。

俊行は手首を軽く振りながら、相変わらず不機嫌そうな目で私を見た。

それでも、その瞳の奥に宿るわずかな心配を、私は見逃さなかった。

「車があるのに乗らないとか、危ない目に遭いたいのか?まるで神原家がお前を虐待してるみたいじゃないか」

継父は、私と俊行の通学のために専属の運転手を手配していた。

でも私は、自分が彼の前に現れるだけで不快にさせてしまうと思い、一度も一緒に登下校したことがなかった。

彼と目が合った瞬間、私は慌てて俯いた。

何を言えばいいのかわからなかった。

俊行は苛立ったように舌打ちし、私の手首を掴むと、そのまま車へ押し込んだ。

その時の具体的な状況は、もう私の記憶の中で少し曖昧になっていた。

それでも、俊行が私の前に立って守ってくれた時、胸から伝わってきた激しい鼓動だけは、今でも忘れられない。

物心ついた頃から、私には母しかいなかった。

母は仕事で十分苦労していたから、これ以上心配をかけたくなかった。

だから、外で嫌なことがあっても、私は一度も母に話したことがない。

あの夜は、私が初めて「誰かに守られる」という気持ちを知った瞬間だった。

それ以来、私と俊行の関係は微妙に変わっていった。

私は無意識のうちに彼へ視線を向け、こっそり彼の日常を気にするようになった。

自分ではうまく隠しているつもりだった。

この密かな想いは、俊行に気づかれていないと思っていた。

しかし20歳の誕生日の夜、あの熱く濡れたキスが、私の秘めていた想いをすべて俊行の前へ晒してしまったのだった。

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