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Penulis: 琉斗六
last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-02 14:26:19

 そんなこんなで、俺はこのベッピンさんに対してもちょっと警戒していた。

 腰骨から太腿へ、軽くなぞるように手を動かしただけで、困惑したように身を強張らせている。

 その初々しい様子がまた、なんともそそってくれて、楽しい。

「もしかして、初めて?」

「べ……別に……そんなこと……」

 慌てて強がる様子が、ますますもって可愛らしい。

 相手の反応を観察しながら、身につけている品物もチェック。

 以前のパトロンは、目につかない部分の品物が実は偽ブランドだったりしたので、その辺も細かく見極める。

「隠さなくても、いいよ。恥ずかしいことじゃない」

「本当に、隠してなんか……っ」

 強がる真澄サンに微笑みかけて、俺は唇が耳朶に触れそうなほど近づくと、低く囁いた。

「そんなに、緊張してたらわかっちゃうよ?」

 ぎゅうっと全身に力が込められて、伏せた瞼が閉じられているのが見えた。

 そんなぎこちない様子がますます好ましい。

 気付けば俺は、すっかり警戒心を解いて目の前のベッピンさんにワクワクしていた。

「出ない? ここは人目が多すぎて、くつろげないからさ」

 腰に回していた腕を解いて、俺は彼の顎に手を掛けるとそっとこちらに向かせる。

 戸惑っている瞳がゆらゆらと揺れて、それからほとんど判らないほどちいさく首が上下に揺れた。

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  • DISTANCE   3.再会

     折角の上玉だと言うのに、やっぱりこっちから全く連絡を取る手段を講じなかったのは、本当に失敗だった……と痛感したのは、真澄サンと別れてから三日目の朝だった。  一夜の情事の記憶なんて、すぐに薄れて消えちまう。  そうなる前に連絡を取って、ダメ押しで甘く口説くのが、俺の常套手段なのに。 三日経っても、真澄サンからは何の連絡は無かった。 今更留守電を残したところで、一夜の遊びを楽しんだジゴロのことなど、覚えていないに決まってる。  逃した魚の大きさを思うと悔やんでも悔やみきれず──。  俺としたことが大ドジこいたと、歯噛みしながらDISTANCEでクダを巻いていた。  その時、目の前にいきなり冷水の入ったグラスが登場した。「なにコレ?」 俺の前にグラスを置いたのは、いつのまにか隣に座っていたカガミンだった。  カガミンはこの店の常連の一人である。  だが、彼は異性愛者で、職業も真っ当(?)なホストだ。  なんでそんな経歴の男がこの店にいるのか? と言うと、理由は単純、カガミンはマスターの〝元・同僚〟なのだ。 マスターも元はホスト出身。  カガミンにとってDISTANCEは、友人のやってる気の置けない店ってわけだ。「イオリさぁ、こんな所で油売ってていいの?」 「なんでよ?」 「グッチーのトコの返済期日、迫ってるんじゃないの?」 「え? なんで俺がグチ金から借りてるの、知ってるの?」 グチ金というのは貸金業者の名前で、正式名称は確か、トライアルローンとか、そんな名前だった。  経営者が江口というので、エグチ金融、通称・グチ金と呼んでいた。「昨日、このぐらいの時間にグッチーが顔出してさ。イオリに会ったら、返済期日忘れないように伝えてくれってさ」 「カガミン、あんなヤクザと付き合ってると、評判落ちるよ? なぁ、マスターもなんか言ってやってよ」 「別に、グッチーはヤクザなんかじゃないよ」 加勢を頼んだのに、マスターはきっぱりグチ金の肩を持った。  もっともそれは当たり前で、江

  • DISTANCE   §

     シャワーを浴びて戻ってくると、先にシャワーを済ませていた真澄サンは黙々と服を着ている途中だった。「すごく楽しかった」 俺は真澄サンの傍に寄ると、瞳を覗き込んでキスをする。「なら、良かった」「……真澄サンは、楽しめなかった?」「……別に」 返事と態度からは、とてもじゃないが楽しんだようには見受けられない。「ねぇ、また逢えるかな? ケータイの番号とか、聞いても平気?」 俺の問いに、真澄サンは結びかけのネクタイから手を離して、上着のポケットを探る。「これを……」 差し出されたのは、〝雪村真澄〟と書かれた、いかにもビジネス然とした名刺だ。「へぇ〜、真澄サンってこう書くの? 名前の字面もオシャレだけど、苗字もずいぶんロマンチックだねぇ? ホントに、本名?」「ああ」 なんというか、態度はとりつく島もないほどそっけないが、しかし連絡先を教えるって事は先程までのアレを楽しんだ……と判断しても良いのだろう。「この番号、会社のケータイ?」「そうだが……」「会社のケータイ、私用に使って怒られないの?」「あまり頻繁に使ったら、いい顔はされないだろうな」「頻繁って、どれくらい?」「週に一度ぐらいが限界じゃないのか?」「あのさぁ、もーちょっと融通の利く個人ケータイの番号を教えて貰えると、スッゲー嬉しいんですけど?」 俺は、さほど不満そうな声を出したつもりもなかったが、こちらに振り返った真澄サンの顔はずいぶんビックリしたような顔だった。「個人の携帯?」「そう。だって俺、真澄サンとプライベートなお付き合いがしたいんだモン。こ〜んな、ビジネスチックな会社のケータイ番号教わっても、ちょっと不満。つーか、週に一度だけの電話なんて、サビシーじゃん」「……しかし、俺は携帯なんてそれしか持ってない」「ええ〜? 個人ケータイ持ってないの?」「そんな物を二つも三つも持っていたら邪魔なだけじゃないか」「あのさぁ、……仕事以外の相手と、どーやって連絡取ってるの?」「仕事以外に、連絡を取る相手なんて居ない」「はあ……?」 そりゃあ確かに、俺も「知人」は多いが「友人」のいない生活をしているが、これはもうそんなレベルの話じゃなさそうだ。「じゃあもしかして、俺から連絡するのって不可能なワケ?」「別に、電話を掛けてくるのは構わないが、さっきも言った通りあまり頻

  • DISTANCE   §

    「い……っ! そ……な……無理……」「大丈夫。傷つけてないし、もう半分以上飲み込んでる。……ホントに初めて? スッゴイ柔らかくて、俺のを頬張ってるよ? 中も熱くてやーらしい」「ちが……」 わざと下品な言葉を選んで揶揄すると、羞恥のあまりに泣きそうな顔をする。 それがたまらなく可愛らしくて、俺はさらに言葉を続けた。「ココも、俺のコト誘ってる。スゲーやらしい体してるね」「や……動く……な……あぁ!」 ローションで滑らせたソレは、ひどく淫猥な音を立てて直ぐにも奥まで入り込んだ。 とはいえ、指からいきなり倍以上の質量が穿たれた衝撃は、かなり大きい。 俺は一息付いて、真澄サンが落ち着くのを待った。「動くよ?」「い……あっ!」 腰をしっかり抱いて、俺は緩やかにピストン運動を始める。 先程しっかりと確かめたポイントを突き上げると、真澄サンは悲鳴も上げずに体を仰け反らせた。 あまりに大きすぎる快感に、声も出ないらしい。 見開いた目からは、とうとう綺麗な涙がポロポロと落ちた。 俺は腰を抱いていた腕をずらして、背骨を辿って支える。 それからもう片方の手で真澄サンのソレを掴み、腰を動かしながら同時に煽り立てた。 零れる吐息が、甘く溶けていく。 背中を支えてやると、助けを求めるように真澄サンの腕が空を掻いた。「俺に掴まって……」 腕を引き寄せると、両腕が素直に俺の背中に回される。「動きを合わせて、腰振って……。ほら、楽になるでしょ?」 促してやると、真澄サンは泣きながら俺に縋り付き、酷く淫らな行為を言われるまま素直に受け入れた。 やがて熱は頂点に達し、きっと今まで誰にも見せたこともないであろう乱れた姿を俺に晒して、熱い飛沫で終幕を迎える。 ガクガクと震えた体は、まるで塞き止められていたみたいに白濁とした液を何度も弾けさせて。 最後にビクンッと仰け反った後は、ガックリと脱力して俺の腕の中に倒れ込んだ。

  • DISTANCE   §

     真澄サンの様子から察するに、つい最近までは自分が〝異性より同性に欲望を感じる〟なんて、全く自覚してなかった手合いに違いない。 そんな人間が、例えばマスターベーションする時に自分の乳首やアナルを刺激していた……なんて、有り得ないだろう。 つまり、この体は今日初めて、乳首を愛撫され体内に指を穿たれたのだ。 オマケに、この体は平均のそれに比べて遥かに感度が良い。 普通、そういう〝初めて〟の人間ってのは、むしろ酷く鈍感で。 乳首に触れられて愛撫されたら、笑いが止まらなくなるなんてのはありがちな話だ。 だけど、ごくたまに。 言葉を飾るなら〝愛される為〟に──。 ハッキリ言うなら〝弄ぶ〟のに面白い体をしている人間がいる。 まさしく、真澄サンの体はそれだ。 全くの未経験で未開発だというのに、まるで長年仕込まれたような感度の体のように敏感で。 それでいて精神はウブなシロウトそのまんまの、真っ新なのだ。 こんな上玉、そう滅多にお目に掛かれるモンじゃない。 きっちりしつけてオトコを覚えさせたら、こんなに楽しめるオモチャは無いだろう。 先日までのパトロンなんかとは大違いで、このベッピンさんはまさしくダイヤモンドの原石だ。 身につけていた服や、備品の数々から察するに、金もたっぷり持っているに違いない。 珠玉のベッピンを、この手に入れられる絶好のチャンスだ。 考えただけで、俺はゾクゾクし──。 体内のポイントを、もう一度ゆっくりと丁寧になぞり直した。「あ……あぁ……っ!」 しなやかな肢体が仰け反って、彼は悲鳴に近い嬌声をあげる。 そのままイッてしまうかと思ったが、そそり立ったソレはフルフルと震えただけで絶頂には届かない。 俺は手練手管で一番感じている部分を刺激してやったが、真澄サンは悶え狂うだけでイケなかった。 いくら感じやすいと言っても、さすがに初めてのバックだけでイクのは無理なようだ。 しかし、そうして何度も刺激されてるウチに、真澄サンの声は確実に鼻に掛かった甘い吐息に変わっている。 その声がまた、俺の下半身を直撃してくるような、切ない喘ぎなのだ。 最初は、体内を掻き回される快感でイク事を覚えさせたかったが、しどけなく乱れる姿と同時に耳に流れ込んでくる甘やかな声に、俺の方が我慢できないほど煽られてしまった。 指だけで彼

  • DISTANCE   §

    「な……っ!」「まだ指先だけだから、痛くないでしょう?」 俺の問いに、真澄サンは首を横に振った。「い……たい……っ」「んん〜? ホントかなぁ? だって全然萎えてないよ? 痛かったら、こんなにビンビンに堅いまんまのワケないでしょ?」 屹立しているソレを撫でながら、俺は挿入した中指を中で動かした。「う……ごかすな……ぁ!」「ちょっと苦しいだけだよ。大丈夫」 逃れようと、真澄サンは必死にシーツを掴んで腰を引き上げようとするが、力が入らない手ではただシーツのシワを伸ばすだけだ。 もっとも、最初は違和感が大きいのはわかっているから、そういう行動に出るだろうことも予想の範疇だけど。 俺は撫でていた手を止めて、指先をソレに絡みつけた。 ローションで滑っている幹を、上下に緩く動かすだけで、真澄サンの反応はあからさまに変わる。「や……んん……っ!」 よく知っている快感を与えられる事で、体内の異物感を軽減してやると、同時に緊張がほぐれてくる。 必死の抵抗がなくなれば、ローションがたっぷり塗り込められた指先を動かすのは、さほどの苦労もない。 抵抗が和らいだのを見計らって、俺は注意深く体内を探った。 しばらくすると、真澄サンは甘やかな吐息を吐きながら、ゆるゆると瞼を開く。 半ばうっとりするみたいな表情で、頬を薔薇色に上気させ、自分のソレとそこで柔らかな刺激を与えている俺の手元を見つめている。「もう、痛くないでしょ?」 問い掛けに、真澄サンは素直に頷いて見せた。 その、妙に子供っぽい仕草が、ますます俺のツボを刺激してくれる。 他人に触れられる羞恥に消え入りそうだった様子も、与えられる快感に素直に身を委ねているところも、全てがなんとも可愛らしい。 思わずクスクス笑いそうになって、俺はなおも彼の体内を探る。「ココの快感、教えてあげるよ。だからもっと乱れて、見せて……」 ワザといやらしい音を立てて指先を抜き差しすると、ギュッと目を閉じて唇を噛み首を横に振る。「恥ずかしがらずに、声出しなよ。気持ちイイんでしょ?」 少しオーバーに指を中で回し、俺は中指の他に人差し指も追加してワザとそこを広げてやった。「や……ぁっ!」「恥ずかしくされた方が、感じるンだよね。……って、もうそんなコト説明されなくても、体でわかってると思うケド」 指を二本にしたこと

  • DISTANCE   §

     吐精の余韻に包まれている真澄サンは、促されるままバスルームをあとにした。「怖い?」 ベッドに横たわったところで問いかけると、戸惑いを浮かべていた表情が曇る。「そんなことは……ない」「そうなの? じゃあ、寒い?」「いや、別に」「じゃあどうして、震えてるの?」 俺は格別優しい笑みを浮かべて、少し意地の悪い問いを投げかけた。 案の定、真澄サンは答えるのを拒絶するみたいに、赤らめた顔を背けてみせる。 笑いを堪えた口もとを、晒された首筋に押し当てて。 それから俺は、真澄サンの滑らかな肌の感触を楽しみながら、指先を胸元へと滑らせる。「ココ、感じる?」「く……すぐったい……」 人差し指で乳首をなぞると、ピクンと全身が反応する。「ホントに、それだけ?」 問い掛けながら、クルクルと何度も形をなぞると、そこは堅く充血してきた。「ほら、勃ってきた」 人差し指と親指でつまんで、コリコリした感触を味わう。「痛い……っ」「それだけじゃないでしょ?」 俺は、もう片方の乳首に唇を近づけて、まずはベロリと大きく舐める。 指先では押しつぶしたり摘んだりと繊細に、口に含んだ方は大胆に舐め回して軽く歯を立て、両方を同時に違う刺激で責め立ててやった。「あ……! い……っ……」 馴れない感覚に戸惑うように、真澄サンは身を竦ませたが。 しかし、体は未知の恐怖よりも強い刺激に反応し始めている。 俺の下で悶えている体の一部が、俺の体にコツンと当たった。「ふふ、ウソつきだなぁ。こんなにしてるのに、イヤなんて言って……」 緩やかに勃ち上がっているソレを指摘してやると、真澄サンは慌てて顔を背けたが。 よほど恥ずかしいのか、胸まで赤く染まっている。「さっき出したばっかりなのに、もうこんなにしちゃって。溜まってンじゃない?」 ワザと揶揄すると、真澄サンは恨めしそうにキッと睨みつけてきた。 その上目遣いのちょっと反抗的な顔が、今までの戸惑った表情とはまた違って、実に扇情的だ。 しかし同時に、そういう子供じみた仕種が可愛らしかった。「ココ、舐めて貰ったコト、あるの?」 唐突な問いに、真澄サンは怪訝な顔をする。 相手がその意味を理解できないのを良いことに、俺は返事を待たずにさっさと体勢を変えて、真澄サンのソレを口に含んだ。「そん……な……っ!」 くわえら

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