【R18・NTR】夏の終わりに、嘘が咲く

【R18・NTR】夏の終わりに、嘘が咲く

last updateDernière mise à jour : 2025-10-26
Par:  みみっくComplété
Langue: Japanese
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R18のNTR作品です。 幼馴染への叶わぬ恋に破れ、深い絶望に沈んだ悠真。 そんな彼の心の傷を癒したのは、もう一人の幼馴染、まどかの献身的な愛だった。彼女との温かく穏やかな日々に安らぎを見出した悠真は、過去の恋に区切りをつけ、新たな未来を歩み始める。 しかし、その愛は、あまりにも脆く、そして残酷な嘘だった。

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Chapitre 1

1話 彼の秘めたる想いと、春の始まり

 春の風が教室にすっと入り込んできた。カーテンが揺れ、埃と光がふわりと舞う。どこか甘いような、それでいて新しい始まりを告げるような匂いが、彼の鼻腔をくすぐった。

 風間悠真は席に着いたまま、窓の方へ目を向けた。校舎の中庭には、見慣れた背中が揺れている。ロングヘアが春の風に踊っていた。まるで一枚の絵画のように、澄川ひよりが教室へ向かって歩いてくる。彼女の足取りは軽やかで、一歩ごとにスカートの裾が優雅に揺れる。

 何度も見たはずの風景なのに、心が少しだけ高鳴る。胸の奥で、微かな鼓動が刻まれていた。中学2年になっても変わらない7人のグループ。小学校からずっと一緒だった彼女も、今もその一部だ。その事実に、安堵のような、しかしそれだけではない複雑な感情が入り混じる。

 だけど――その「好き」は、友達としてじゃない。たぶん、ずっと前から。自分でも気づかないくらい前から、彼女への特別な想いは彼の心に根を張っていた。それは、春の陽光のように温かく、しかし誰にも触れさせられない秘められた感情だった。

 悠真は小さく息をついた。その息は、誰にも言えない熱を帯びていた。誰にも言えないその気持ちは、今日も彼の胸の奥で静かに息をしている。

♢放課後、教室にて

「あれー悠真くん、また窓際で風と会話してるの〜?」

 花城まどかが元気よく笑いながら駆け寄ってきた。明るいオレンジのパーカーが、放課後の光によく映える。長いポニーテールが彼女の動きに合わせて跳ね、教室の空気を一瞬で明るく染めた。まどかの活気に満ちた声が、静かな教室に響き渡る。

「……そう見えたなら、それでいいけど」

 悠真は少し照れたように目線を逸らした。柔らかな黒髪がふわりと揺れ、やや垂れた優しい瞳は、何か言いたげに窓の外へと向けられたままだった。頬に微かな朱が差している。

「彼は喋るより『考える』派だからね」

 結城凛音が隣の席でジャージの袖をまくりながら、ふと口を開いた。バスケの練習帰りだろうか、彼女の額には微かな汗が滲んでいる。ダークネイビーのショートボブの端正さが、クールな雰囲気を際立たせた。その声には、悠真への理解と、どこか親愛の情が込められている。

「風は感情を運ぶから……悠真くんは、風に言わせるんだよね」

 白鷺千代がそっと文庫本を閉じた。彼女の指先が、読みかけのページを優しくなぞる。淡いミントグリーンのカーディガンに、小さな押し花の髪飾り。彼女の声はいつも詩の朗読のように穏やかで、聞く者の心をふわりと包み込む。

「……あ、ひよりだっ!」

 まどかが弾んだ声で指を差した。その声に、悠真の視線が自然と教室の扉へと向かう。扉が静かに開かれ、澄川ひよりがふわりとスカートを揺らして入ってきた。パステルピンクのリボンがついたブラウスが、彼女の可憐さを際立たせる。少し緊張したような微笑みが、彼女の唇に浮かんでいた。

「やっと来たー!遅いよひより、まどか退屈してた〜!」

 まどかの声に、ひよりは申し訳なさそうに眉を下げた。

「ご、ごめん……。歩いてたら、空が綺麗で……」

 ひよりの淡いピンク色の瞳が、夕焼けに染まり始めた空を映すようにぼんやりしていた。その視線の先には、広がる茜色のグラデーション。彼女の心象風景がそのまま空に映し出されているかのようだった。

「俺も空は好きだけど、キミの顔の方が飽きないけどね」

 芹沢煌が教室の隅から軽やかに歩み寄ってきた。軽くウェーブがかかった漆黒のミディアムヘアが、彼の動きに合わせて揺れる。ラフに着崩した制服が、彼のスマートな体型によく似合っていた。いたずらっぽい茶色の瞳が、ひよりを見つめながら悪戯っぽく笑う。その視線には、どこか挑戦的な色が宿っている。

「芹沢……またそういうこと言う」

 ひよりが小さな声で抗議した。その声には、照れと困惑が入り混じっている。抗議しながらも、彼女の頬は微かに赤く染まっていた。そんなひよりの様子を見て、まどかが楽しそうに笑う。

「ね〜ひよりちゃん、顔赤いよ?ひよりもまんざらじゃないのでは〜?」

 まどかの言葉が、悠真の心にチクリと刺さった。悠真は、そっと視線を足元の床に落とした。自分の指先を見つめながら、誰にも聞こえないくらい小さく息をついた。まどかの言葉は、悠真が抱える誤解をさらに深くする。自分だけが知っている、彼女の本当の笑顔を思いながら、胸の奥で複雑な感情が渦巻く。言いたいことは山ほどある。この誤解を解き、彼女への想いを伝えたい。だけど口に出すには、まだ少し早い気がした。

 まどかが煌に向かって、さらにからかうように言う。

「ひよりちゃんってさ〜、煌くんといるとき、めっちゃ笑うよね!もうデキてる説あるんじゃないの~?」

「ちょ、まどか! 変なこと言わないで……!」

 ひよりが慌てて両手を振った。長い栗色の髪がふわりと揺れ、淡い瞳が動揺に潤んだように見えた。その仕草は、まるで自分の秘密を暴かれそうになった子供のようだった。

「俺は真実しか言ってない。笑わせたいから笑わせてるだけだし?」

 煌は肩をすくめて笑った。彼の言葉は、ひよりへの好意とも取れるが、どこか茶化しているようにも聞こえる。いたずらっぽいその表情に、場がふわっと和む。

「くだらない。からかうだけなら他でやって」

 凛音が窓際の机に腰かけながら、軽く煌を睨んだ。その視線は鋭くても、仲間への愛が滲んでいる。彼女のクールな言葉の裏には、仲間を守ろうとする芯の強さがあった。

「……でも、みんなが揃ってるって、やっぱり好き」

 千代がぽつりと呟いた。その声は小さいけれど、教室の空気をやさしく包み込むような響きがあった。彼女の言葉は、まるで一枚の詩のように、彼らの関係性の尊さを表している。

「この教室、いつもよりちょっとだけうるさくて、ちょっとだけ幸せだね」

 ひよりが微笑んでそう言った瞬間――悠真はその笑顔を見て、言葉にならない感情が胸の奥でほどけていくのを感じた。彼女の瞳は、純粋な喜びで輝いている。その輝きは、彼の心に温かい光を灯した。

 それは、彼だけが知っている「好き」のかたちだった。彼の心の中で、その感情は今日も静かに、しかし確かに脈打っていた。

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1話 彼の秘めたる想いと、春の始まり
 春の風が教室にすっと入り込んできた。カーテンが揺れ、埃と光がふわりと舞う。どこか甘いような、それでいて新しい始まりを告げるような匂いが、彼の鼻腔をくすぐった。 風間悠真は席に着いたまま、窓の方へ目を向けた。校舎の中庭には、見慣れた背中が揺れている。ロングヘアが春の風に踊っていた。まるで一枚の絵画のように、澄川ひよりが教室へ向かって歩いてくる。彼女の足取りは軽やかで、一歩ごとにスカートの裾が優雅に揺れる。 何度も見たはずの風景なのに、心が少しだけ高鳴る。胸の奥で、微かな鼓動が刻まれていた。中学2年になっても変わらない7人のグループ。小学校からずっと一緒だった彼女も、今もその一部だ。その事実に、安堵のような、しかしそれだけではない複雑な感情が入り混じる。 だけど――その「好き」は、友達としてじゃない。たぶん、ずっと前から。自分でも気づかないくらい前から、彼女への特別な想いは彼の心に根を張っていた。それは、春の陽光のように温かく、しかし誰にも触れさせられない秘められた感情だった。 悠真は小さく息をついた。その息は、誰にも言えない熱を帯びていた。誰にも言えないその気持ちは、今日も彼の胸の奥で静かに息をしている。♢放課後、教室にて「あれー悠真くん、また窓際で風と会話してるの〜?」 花城まどかが元気よく笑いながら駆け寄ってきた。明るいオレンジのパーカーが、放課後の光によく映える。長いポニーテールが彼女の動きに合わせて跳ね、教室の空気を一瞬で明るく染めた。まどかの活気に満ちた声が、静かな教室に響き渡る。「……そう見えたなら、それでいいけど」 悠真は少し照れたように目線を逸らした。柔らかな黒髪がふわりと揺れ、やや垂れた優しい瞳は、何か言いたげに窓の外へと向けられたままだった。頬に微かな朱が差している。「彼は喋るより『考える』派だからね」 結城凛音が隣の席でジャージの袖をまくりながら、ふと口を開いた。バスケの練習帰りだろうか、彼女の額には微かな汗が滲んでいる。ダークネイビーのショートボブの端正さが、クールな雰囲気を際立たせた。その声には、悠真への理解と、どこか親愛の情が込められている。「風は感情を運ぶから……悠真くんは、風に言わせるんだよね」 白鷺千代がそっと文庫本を閉じた。彼女の指先が、読みかけのページを優しくなぞる。淡いミントグリーンのカーディガンに
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2話 秘めたる恋心と、揺れる体操服
♢恋の蕾、無垢な衝動 梅雨明け間近の湿った空気が、中学二年生の教室に満ちていた。じめりとした熱が肌にまとわりつく中、窓から差し込む夏の気配は、風間悠真の心を密かにざわつかせる。彼は、クラスメイトの澄川ひよりの姿を目で追うたび、胸の奥でひっそりと咲き始めた蕾のような感情に戸惑っていた。淡いピンク色の花びらが、ゆっくりと綻び始めるような、甘くも切ない想い。ひよりが友人たちと笑い合う、鈴を転がすような声が耳に届くたび、心臓がトクンと跳ねる。彼女の屈託のない笑顔を見るだけで、世界の輪郭がやわらかく色づくような、満ち足りた幸福感に包まれるのだ。 悠真が席に座り、教科書を開こうとしたその時、廊下から駆け寄ってくるひよりの姿が視界の端をよぎった。彼女の栗色のロングヘアが、軽やかな足取りに合わせて揺れる。彼女が近くに来るたびに、かすかに香る甘い石鹸のような匂いが悠真の鼻腔をくすぐり、不意に身体が硬くなる。まるで心臓が喉までせり上がってくるような、抑えきれない高揚感が全身を駆け巡った。「悠真くん、おはよう!」 ひよりの声が、鼓膜を優しく震わせた。その笑顔は、朝日に照らされた花のようにまぶしく、悠真は思わず目を細めた。彼女の淡いピンク色の瞳が、彼をまっすぐに見つめている。その純粋な眼差しに、悠真の胸は締め付けられるような切なさを覚えた。「……おはよう、ひより」 かろうじて声に出せたのは、たったそれだけの言葉だった。彼の頬は、じんわりと熱が集まるのが分かった。言葉にできない想いが、喉の奥でせめぎ合っている。彼女の透き通るような肌が、朝の光を浴びてより一層白く輝いて見えた。♢ある日の放課後、校庭にて 風が吹き抜ける校庭で、ひよりのスカートがふわりと舞い上がった。夏の終わりの、少し湿った風が彼女の周囲を包み込み、そして優しくスカートを煽る。その一瞬、白く透き通るような太ももが悠真の視界に飛び込む。ひらり、と風になびく淡いパステルピンクの生地の隙間から見えた、わずかな肌の色に、悠真の呼吸はぴたりと止まった。喉の奥が乾き、全身に熱が上り、顔がカッと熱くなるのを感じた。心臓がドクドクと不規則に脈打ち、耳の奥でその音が響く。彼は慌てて視線を逸らしたが、まぶたの裏には、その白い残像が焼き付いていた。「あ、風間くん!どうかしたの?」 ひよりの、心配そうな声が飛んできた。彼女の瞳が、
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3話 水着越しに伝わる熱と、抑えきれない衝動
♢水辺のハプニングと募る想い 夏の強い日差しが照りつけるプールサイド。容赦なく降り注ぐ陽光が水面に反射し、目を細めるほどのまぶしさが広がっていた。コンクリートの照り返しが、足の裏から全身にじりじりと熱を伝える。塩素のツンとした匂いが、熱気とともに鼻腔を刺激した。水泳の授業中、悠真は青い水面を泳ぐクラスメイトたちの中で、ひときわ目を引く水着姿のひよりに無意識に視線を奪われていた。身体に吸い付く紺色の水着が、彼女の華奢な輪郭を際立たせる。青い水面に反射する光が、彼女の白い肌を眩しく照らし、その白さは、まるで真珠のように輝いて見えた。栗色の髪から滴り落ちる水滴が、首筋を滑り落ちていく様子が、彼の視線に焼き付いた。透き通るような白さと、水滴が弾けるたびにきらめく微細な輝きに、悠真の喉がごくりと鳴った。額には、早くも汗がにじみ始めていた。 次の瞬間、濡れたタイルで足を滑らせたひよりが、「きゃっ」と短く悲鳴を漏らし、バランスを崩してよろめいた。その悲鳴は、周囲の生徒たちのざわめきにかき消されそうになる。「ひより!」 咄嗟に悠真の声が飛び出し、彼自身も驚くほどだった。伸ばされた彼の腕が、ひよりの細い身体をしっかりと受け止める。ひよりの体が彼にぶつかる衝撃は、予想よりも柔らかく、そして温かいものだった。胸がぶつかり合ったその刹那、悠真の腕の中に、ひよりのやわらかな胸の感触がダイレクトに伝わった。濡れた水着の薄い生地越しに、弾力のある温かさが手のひらに吸い付くような、抗いようのない感触。まるで、吸い寄せられるかのように、彼の掌がひよりの胸の膨らみを包み込む。指先から伝わる、熱を帯びた肌の柔らかな質感が、彼の理性を揺さぶった。思わず全身にゾクゾクと電流が走り、奥底から熱いものがこみ上げる。彼の喉が、ゴクリと音を立てた。耳の奥で、自分の心臓が早鐘のように鳴り響き、全身の血が下腹部に集中するような、強い衝動に駆られた。その場所が、わずかに硬質化していくのがわかる。「あーらら、ひよりちゃんったら、ドジっ子なんだから〜」 間延びした声が、近くから聞こえた。花城まどかが、笑いを堪えきれないといった様子で、腕を組みながら悠真とひよりを交互に見ている。明るいオレンジの瞳は、まるで獲物を見つけたかのように輝いている。「ねえ、凛音ちゃん、千代ちゃん!なんかいいもの見ちゃったかも〜?」 
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4話 募る想いと、夏の日のゲーム大会
♢悠真の部屋と賑やかなゲーム大会 うだるような夏の暑さが続く、夏期講習が始まる前のとある午後。悠真の部屋には、クーラーの涼しい風が心地よく吹き抜け、キンキンに冷えた麦茶の入ったグラスが汗をかいていた。部屋の中央には、ゲーム機が接続された大きなモニターが鎮座し、その周りには、花城まどかと、結城凛音、そして煌が、思い思いの格好でくつろいでいた。ひよりは、まだ来ていない。「おっしゃー!俺のターン!」 煌が、コントローラーを握りしめ、画面に向かって叫んだ。その隣で、まどかがニヤニヤと意地悪そうな笑みを浮かべている。「はいはい、コウちゃんはいつもそればっかりだよねぇ。でも、私には勝てないんだな、これが!」 まどかの挑発的な言葉に、煌がカチンとくる。「んだと!今日こそはぜってぇ勝ってやるからな!」 二人の小気味良いやり取りに、悠真は思わず笑みがこぼれた。彼は自分のベッドに座り、皆の様子を眺めている。凛音は、端の方で静かに自分の携帯ゲーム機を操作していたが、時折、チラリと悠真たちの方に視線を向け、わずかに口元を緩めているのが見えた。彼女も、この賑やかな雰囲気を楽しんでいるようだった。 ゲームが始まると、部屋の中は一気に熱を帯びた。煌とまどかの間で、激しい攻防が繰り広げられる。まどかの指が、コントローラーの上を蝶のように舞い、煌は唸り声を上げながら必死で食らいついていた。二人の声が、悠真の部屋に響き渡る。「くっそー!まどか、お前、いつの間にこんなにうまくなったんだよ!」「ふっふっふーん、努力の賜物ってやつ?コウちゃんこそ、もっと練習しなきゃダメじゃん?」 煽り合う二人の姿は、見ていて飽きない。悠真は、そんな彼らを見ているだけで、心が温かくなるのを感じた。普段はクールな凛音も、まどかと煌のやり取りには、わずかながら興味を示しているようだった。 しばらくして、玄関のチャイムが軽やかに鳴った。「あ、ひよりだ!」 まどかが、弾んだ声で立ち上がった。悠真の心臓が、ドクンと大きく跳ねる。ひよりが来る。その事実だけで、彼の全身に、熱い電流が走るような感覚に陥った。部屋の中の空気が、一瞬にして、甘く、そして緊張を帯びたものへと変わる。 まどかが玄関へ向かい、すぐにひよりを連れて部屋に戻ってきた。ひよりは、白いワンピースに身を包み、夏の陽光を浴びて、まるで天使のように
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5話 募る嫉妬と、チーム戦の行方
 それ以来、まどかは悠真の言動に、以前よりも敏感になっていた。彼が他の女子と話していると、なぜか胸の奥がざわつく。特にひよりと悠真が親しげに話しているのを見ると、心臓が締め付けられるような、妙な感覚に襲われた。もちろん、ひよりのことは大好きだ。大切な友達だし、優しくて、ちょっぴりドジなひよりを、まどかは心から守ってやりたいと思っている。でも、悠真がひよりを見るあの眼差しは……。(もしかして、私……悠真のこと……?) その疑念が、まどかの心の中で、日に日に膨らんでいった。そして、ひよりに向けられる悠真の熱い視線を見るたび、まどかの心には、親友への罪悪感と、得体の知れない焦燥感が募っていったのだ。♢ひよりの参加と高まる鼓動 ひよりが部屋に入ると、まどかがすぐに彼女をゲームに誘った。「ひよりちゃんもやるでしょ? 今、私とコウちゃんで負けたら罰ゲーム対決なの!」 まどかの言葉に、ひよりは困ったように微笑んだ。「えー、私、ゲームあんまり得意じゃないから……」「大丈夫大丈夫! 教えるからさ!」 煌も、ひよりの腕を引いてゲーム機の前へと促す。ひよりは、少し躊躇しながらも、結局コントローラーを手に取った。悠真は、ひよりが自分の部屋でゲームをしているという事実に、言いようのない高揚感を覚えていた。彼女の華奢な指が、コントローラーの上でぎこちなく動くのを見つめる。 煌が、ひよりの隣に座り、身を乗り出して操作方法を教えている。その距離が近いことに、悠真は胸の奥でチクリと嫉妬を感じた。煌の声が、ひよりの耳元で響くたび、悠真の心はざわつく。「わ、難しいね!」 ひよりが、少し苦戦しながらも楽しそうに笑う。その笑顔は、悠真の心をさらにかき乱した。彼の中に渦巻く感情は、もう友情だけでは済まされないものになっていた。 まどかは、そんな悠真の様子をちらりと見て、ニヤリと意味ありげな笑みを浮かべた。凛音は、相変わらず冷静な表情で、時折、悠真とひよりに視線を送っている。 やがて、ゲームはさらにヒートアップし、部屋の中は賑やかな声で満たされた。悠真は、皆の楽しそうな声を聞きながらも、ひよりの一挙手一投足から目が離せない。彼女が笑うたび、困った顔をするたび、彼の心は大きく揺さぶられる。この部屋に、ひよりがいるというだけで、全ての景色が輝いて見えた。♢チーム戦 ゲームが一段落し
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6話 彼の想いと、夏祭りの夜の葛藤
♢真夏の夜のゲームと密やかな視線 時間はあっという間に過ぎ、外はすっかり暗くなっていた。悠真の部屋のカーテンは閉められ、ゲーム画面の光が、彼らの顔をぼんやりと照らす。夕食は、まどかが買ってきたピザとチキンで済ませた。部屋には、ジャンクフードの香ばしい匂いが漂っている。 ひよりは、すっかりゲームに慣れてきたのか、コントローラーを握る手つきも軽やかになっていた。彼女が、敵を倒すたびに「やったー!」と嬉しそうな声を上げる。その声を聞くたびに、悠真の胸は温かくなる。 煌とまどかのバトルは相変わらず白熱し、二人の叫び声が部屋中に響き渡る。凛音は、時折ゲームに参加し、冷静な判断で的確な指示を出す。そんな中、悠真は、皆の輪から少し離れた場所で、ひっそりとひよりを見つめていた。 ひよりの白いTシャツの袖口から覗く、細くしなやかな腕。ゲームに夢中になっている彼女の表情は、無邪気で、まるで子供のようだった。しかし、そのTシャツの薄い生地の下に隠された、柔らかな胸の膨らみが、悠真の視線を釘付けにした。部屋の照明が薄暗いこともあり、彼の視線は、誰にも気づかれることはないだろう。彼の股間は、静かに熱を帯び始めていた。 煌が、ひよりに何か話しかけようとして、彼女の腕に触れた。その瞬間、悠真の胸の奥に、チクリと鋭い痛みが走る。嫉妬だ。自分でも驚くほどの感情の揺れに、悠真は目を閉じた。煌とひよりが楽しそうに笑い合う声が、彼の耳に届く。その声が、悠真の心を締め付けた。 ゲームの休憩中、ひよりが喉の渇きを訴えた。悠真は、すぐに立ち上がり、冷蔵庫から冷えた麦茶のピッチャーを取り出した。グラスに氷を入れ、麦茶を注ぐ。カラン、と涼やかな音が響いた。「はい、ひより」 悠真がグラスを差し出すと、ひよりは驚いたように顔を上げた。「あ、ありがとう、風間くん!助かるよ!」 ひよりが、グラスを受け取ろうと手を伸ばす。その指先が、悠真の指に、かすかに触れた。ひんやりとしたグラスの感触と、ひよりの柔らかな指先の感触が、悠真の全身に電流を走らせる。彼の視線が、ひよりの少し開いた唇に吸い寄せられた。その唇は、麦茶の雫で艶めき、彼を誘惑しているかのようだった。 悠真は、自分の股間が、もう限界まで硬く膨らんでいるのを感じた。この部屋に皆がいるという状況が、彼の理性をかろうじて繋ぎ止めている。しかし、もし二人
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7話 彼の葛藤と、期待の行方
 射的の屋台に着いても、悠真の心は金魚すくいの屋台に残っていた。まどかが隣で楽しそうに銃を構えているが、悠真の視線は、何度も金魚すくいの方へと向かう。煌とひよりが、顔を寄せ合って笑っているのが見えた。煌が、ひよりの取った金魚を自分の袋に入れるのを手伝っている。その光景は、悠真の心を激しく揺さぶった。(なんだか、コウとひより、楽しそうだな……) 悠真は、無意識のうちに射的の銃を強く握りしめた。彼の股間は、既に熱を帯び始めていた。それは、ひよりへの募る想いと、煌への嫉妬が入り混じった、抑えきれない衝動の熱だった。まどかは、そんな悠真の様子をちらりと見て、微かに口元を緩めた。彼女の企みは、悠真の心を確実に揺さぶっていた。 しばらくして、煌とひよりが金魚の入った袋を持って戻ってきた。ひよりの顔は、楽しかったのか、少し上気している。「見て見て、悠真くん! コウくんが、私に金魚取ってくれたの!」 ひよりが、嬉しそうに金魚の袋を悠真に見せた。その無邪気な笑顔が、悠真の心をさらに締め付ける。煌は、得意げに悠真に目配せをした。悠真は、ひよりの笑顔の裏に、煌への特別な感情がないことを知っている。しかし、煌がひよりに近づいているという事実は、悠真にとって耐え難いものだった。 祭りの賑わいの中、悠真の心は、ひよりへの募る想いと、煌への嫉妬、そしてまどかの企みによって、複雑に絡み合っていた。この夏祭りの夜は、彼らの関係に、新たな波紋を投げかけることになるだろう。♢プールへの誘いと予感 夏休みに入り、うだるような暑さが連日続いていた。アスファルトの道からは陽炎が立ち上り、肌にまとわりつく湿気で全身がじっとりと汗ばむ。そんなある日、悠真のスマホが震えた。画面に表示されたのは、まどかからのグループメッセージだった。「ねーねー、みんな!このクソ暑いのどうにかしよーぜ!プール行かない?!」 絵文字いっぱいのメッセージに、すぐにひよりと千代から「行きたい!」という返信が続く。凛音からは「……別に。どうでもいいわ」と素っ気ない返信があったものの、結局は参加するだろうと悠真には分かっていた。煌からも「いいね。俺も行く」と軽いノリの返事が来た。悠真はメッセージを読みながら、指がわずかに震えるのを感じた。プールの授業での出来事が、鮮やかに脳裏をよぎる。あの時のひよりの柔らかい感触が、掌にま
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8話 波に流される恋心と、触れた体温
 数分後、悠真がプールサイドに出ると、すでにまどかが波打ち際で大きく手を振っていた。その隣には、眩しい水着姿のひよりが立っている。紺色のワンピースタイプの水着は、彼女の華奢な体つきによく似合い、白い肌とのコントラストが目に焼き付く。特に、その胸の膨らみが、水着の生地のわずかなシワで強調され、悠真の視線を吸い寄せた。「悠真くん、遅いよー!早くこっち来て一緒に遊ぼう!」 ひよりが手を振る姿に、悠真の心臓が大きく跳ねた。彼女の笑顔は、プールサイドの太陽よりも眩しく、彼の目を眩ませる。その純粋な笑顔の裏に、あの日のハプニングに対する意識がどれほど隠されているのか、悠真には知る由もなかった。しかし、その無邪気さこそが、彼の心を強く惹きつけるのだった。 悠真はゆっくりとひよりの方へと足を進めた。足裏に感じるプールのタイルのひんやりとした感触が、彼の高鳴る鼓動とは対照的だった。水の飛沫がキラキラと光る中、悠真の脳裏には、これから起こるかもしれない、甘いハプニングの予感が漠然と広がっていた。♢波のプールと接近する距離 波のプールは、想像以上の賑わいを見せていた。押し寄せる波に合わせて、人々が歓声を上げる。悠真たちは、まどかの提案で、一番奥の深い場所に陣取った。水深が徐々に深くなるにつれ、ひよりの足が浮き始め、彼女は時折、小さな悲鳴を上げてバランスを崩す。「きゃっ!」 波に揺られ、ひよりの体が悠真の方へとふわりと流れてくる。彼の腕が、再び彼女の腰を支えようと自然に伸びた。水着越しの肌の感触が、直接伝わる。ひよりの柔らかい身体が、波の揺れに合わせて悠真の体に押し付けられるたび、彼の心臓は激しいリズムを刻んだ。塩素の匂いに混じって、ひよりの甘い石鹸の香りが、より強く彼の鼻腔をくすぐる。「大丈夫、ひより?」 悠真は、努めて冷静な声を出しながらも、内心では激しく動揺していた。ひよりの濡れた髪が、彼の腕に触れるたび、ゾクリとした感覚が走る。彼女の体温が、水を通して伝わってくるようだった。「う、うん……ありがとう、風間くん。波が、ちょっと大きいね……」 ひよりは顔を赤らめながら、上目遣いに悠真を見上げた。その瞳には、不安と、そして彼への信頼が入り混じっている。その視線に、悠真の胸は締め付けられるような切なさを覚えた。水着の胸元が、波に揺られてわずかに開き、白い肌がさらに露
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9話 秘めたる恋心と、交錯する視線
♢まどかの視線と胸の痛み まどかの声は、幻ではなかった。やがて、彼女のオレンジ色の水着と、弾けるような笑顔が、波の向こうから近づいてくるのが見えた。凛音と千代も、その少し後ろからゆっくりと泳ぎ寄ってくる。「あー!やっと見つけた〜! もう、どこまで流されてんのよ、二人とも!」 まどかが呆れたように笑いながら、二人の間近まで来た。彼女の視線が、悠真の腕の中にあるひよりの姿と、悠真の少し赤い頬を交互に捉える。その瞳の奥には、好奇心と、何かを見抜いたような光が宿っていた。悠真は、その視線にぞくりとした。まるで、彼の秘めたる衝動が、まどかには丸見えであるかのように感じられた。「ご、ごめんね、まどかちゃん! 波に流されちゃって……」 ひよりが、まどかから視線を逸らし、ばつが悪そうに俯いた。その声には、まだ微かな震えが残っている。彼女の頬の赤みは、波に揺られたせいだけではないだろうと、悠真は内心で思った。「ふーん……。ま、いっか! せっかく見つけたんだし、一緒に遊ぼうよ!」 まどかはそれ以上追求せず、満面の笑みでひよりの腕を掴んだ。その拍子に、ひよりの身体が悠真の腕から離れていく。失われた温もりと柔らかさに、悠真の心臓がずきりと痛んだ。まるで、彼の一部がひよりの体と一緒に引き離されたかのような喪失感に襲われる。「……そう、焦る必要はないわ」 凛音が、悠真のすぐそばまで来て、静かに呟いた。その声は、水音にかき消されそうなほど小さかったが、悠真の耳にははっきりと届いた。凛音の視線が、一瞬だけ悠真の顔に向けられる。その涼やかな瞳の奥に、何か深い意味が込められているように感じられた。彼女は悠真の複雑な心情を、どこまで理解しているのだろうか。悠真は、何も言えずにただ、凛音の言葉の真意を探ろうとした。「みんなでいると、やっぱり楽しいね」 千代が、微笑みながらひよりの隣に並んだ。彼女の言葉は、喧騒の中に穏やかな波紋を広げる。その優しい声が、悠真の胸のざわめきを少しだけ和らげた。 悠真は、再びひよりから離れてしまった自分の掌を見つめた。あの柔らかく、熱を帯びた感触は、もうそこにはない。しかし、その記憶は鮮明に脳裏に焼き付いており、彼の股間に残る熱とともに、彼の理性を蝕み続けていた。夏のプールサイドの熱気は、彼の心の奥底で燃え盛る情欲を、さらに煽っているようだった。♢流
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10話 秘めたる衝動と、夏の日の夏期講習
♢密室でのハプニングと更なる接近 夏休みに入り、うだるような暑さが連日続いていた。アスファルトの道からは陽炎が立ち上り、肌にまとわりつく湿気で全身がじっとりと汗ばむ。そんな中、学校から夏期講習の案内が届いた。悠真は迷わず申し込んだ。ひよりが参加すると知っていたからだ。少しでも彼女と一緒にいられる時間が欲しかった。 夏期講習初日、悠真は指定された教室に入り、ひよりの姿を探した。彼女は窓際の席に座り、既に教科書を開いていた。朝日に照らされた彼女の横顔は、まるで絵画のように美しく、悠真の視線を釘付けにした。その白い首筋に、微かに汗が光っているのが見えた。悠真は、ひよりの隣の席に座った。「おはよう、風間くん」 ひよりが気づいて、ふわりと微笑んだ。その声は、朝の光のように穏やかで、悠真の心にじんわりと温かさを広げた。「……おはよう、ひより」 悠真は、精一杯平静を装って答える。しかし、心臓の鼓動は、既に激しいリズムを刻み始めていた。教室には、エアコンの音が微かに響くだけで、二人の間に流れる空気は、妙に濃密に感じられた。 授業が始まり、悠真は集中しようと努めたが、隣にひよりがいるだけで、意識が散漫になった。彼女がペンを走らせるたびに、ブラウスの胸元がわずかに揺れる。その度に、悠真の視線は吸い寄せられ、彼の喉がごくりと鳴る。薄い生地越しに見える胸の膨らみが、彼の奥底に眠る衝動を刺激した。 ふとした瞬間、ひよりが消しゴムを落とした。彼女が机の下に手を伸ばした時、悠真も思わず手を伸ばす。彼の指先が、ひよりの柔らかな指と触れ合った。ひんやりとした彼女の指先が、彼の肌に触れた瞬間、全身にゾクゾクと電流が走る。「あ……ご、ごめんね、風間くん」 ひよりは、顔を真っ赤にして、慌てて手を引っ込めた。その瞳は、羞恥と困惑で揺れている。悠真もまた、顔が熱くなるのを感じながら、何も言えずにただ、消しゴムを拾い上げた。彼の指先には、まだひよりの肌の温もりが残っているかのような錯覚に陥った。 午後の授業が始まる頃には、教室の窓から差し込む日差しは、さらに強まっていた。エアコンの音が、唸るように響く。悠真は、隣に座るひよりの規則正しい息遣いを耳にした。甘い石鹸のような香りが、ふわりと彼の鼻腔をくすぐる。その香りが、まるで誘惑するように、彼の理性を揺さぶった。悠真は、この密室で彼女と二人
last updateDernière mise à jour : 2025-09-01
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