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Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜
Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜
Penulis: 美桜

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Penulis: 美桜
last update Tanggal publikasi: 2025-12-30 17:10:34

「おめでとう!」

周りから拍手とおめでとうの声に迎えられて、真田准は驚いて玄関先で目をパチパチとさせていた。

目の前には父親である真田怜士と、自分にピアノを教え続けてくれているピアニストの浅野美月、それから叔父の真田聖人と、その妻で美月の親友でもある如月尚。彼女は人気作家でもあった。それから一番下の叔父の英明。

そして真田家に仕える執事や使用人たち。皆が自分の大学合格を祝ってくれていた。

残念ながら、進学先に不満を持っていた祖父母はここにはいないようだが、構わない。

自分は今、目の前にいる人たちの祝福だけで十分だった。

「准、よく頑張ったな」

「はい。ありがとうございます」

父親からの褒め言葉に照れながら、チラリと美月を見ると、彼女も嬉しそうに微笑っていた。

「先生」

「准くん、合格おめでとう。これからも頑張ってね」

「はい。これからもよろしくお願いします」

ペコリと頭を下げた。

するとその時、トテトテと歩いてきた従妹、聖人と尚の娘の真田芽衣(さなだめい)が、准の足にギュッと抱きついてきた。

「じゅんちゃ、おめえとー」

その舌足らずな言葉に、一気に場の雰囲気が柔らかく慈愛に満ちたものになった。

准は彼女の頭を優しく撫でて「ありがとう」と言うと、ひょいとその身体を抱き上げた。

「きゃ〜」

楽しそうに笑い声を上げる芽衣は5歳の女の子で、誰もが目に入れても痛くないほど可愛がっていた。

*

彼女が生まれた時、医師は言いにくそうに疲労困憊の尚に伝えた。

「大きな病院での検査をお勧めします」

と。

どういうことか尋ねると、医師は「赤ちゃんには障害があるかもしれない」と言った。

そこで尚は産後の療養もそこそこに聖人と大学病院に行き、〝芽衣〟と名付けた娘の検査をお願いしたところ、難しい顔をされたのだった。

「正直に言いますと、まだよくわかりません。脳波の検査はもう少し大きくなってからでないと、診断が難しいんです。ただ言えるのは、お子さんの反応から見て、発達に何らかの障害がある可能性があります。定期的に診察しますので、予約を入れておきます」

そう言われて、尚は重く頷いた。この時点で、彼女は聖人との話し合いが必要だと思った。真田家のような家に障害のある子どもがいることを、彼らが受け入れることは難しいだろうと思ったのだ。

大丈夫。一人でも子供は育てられる。

尚はそう覚悟して、夫である聖人に問うた。

「どう?受け入れられる?」

その言葉に、聖人は優しく微笑んだ。

「尚、受け入れるかどうかの話じゃない。この子は俺たち2人の子供だ。絶対に手放さないよ。君も、この子も」

「……」

嬉しかった。でも同時に、不安でもあった。

彼はよくても、聖一や英恵はやっぱり無理だろうと思うのだ。

「尚…」

彼は尚の顔を見て、その不安を察したようにまた言った。

「言ったろ?この子は俺たちの子だ。父さんたちに口を出す権利なんかない」

「でも…」

聖人は尚の頭を撫でた。

「いざとなったら、家を出てもいいんだ。君たちに苦労はさせない」

「聖人……」

「考えすぎないで。まだどうなるか、分からないんだから」

「うん…」

聖人の言葉に頷いたが、尚には分かっていた。

医者があんな風に言った時は、だいたいその通りなのだ。彼らはただ誤診だったと言われない為に、ああやって曖昧な、確信ではない言い方をするのだ。

〝可能性がある〟この言葉は良いようにも悪いようにも捉えられる。

だから尚は、最悪な状況を想定して心の準備をしておいた。

そしてこのことを皆に告げた時、やっぱり聖一と英恵は眉を顰めた。

「どういうこと?要するに、その子に障害があるってこと?」

英恵は嫌そうにそう言った。

「母さん、だったらどうだっていうんだ?」

聖人が険しい顔で問うと、彼女は一瞬視線を逸らしたが、すぐに聖一の方を見て勇気を得たかのように言い放った。

「もしそれが本当なら、施設に預けてしまいなさい」

「母さん!」

聖人が大きな声を出したからか、芽衣がふぇ…と泣き出した。

尚はあやす為にすぐに立ち上がり、部屋を出ようとした。

その背中に向かって、英恵はまた言った。

「尚さん、辛いだろうけど手放しなさい。子供なら、またできるわ」

「あり得ない!!」

ピタリと立ち止まった彼女だったが何も言わなかった。代わりに聖人が怒りも顕にそう喚き、話にならないとばかりに尚の後を追った。だがー

「聖人」

父親である聖一の、静かな声に立ち止まった。

「手放せないなら、離婚しなさい。尚さんには十分な慰謝料をやろう。外で会えばいい」

そう言われ、彼の額には太い青筋が瞬時に浮かび上がった。

「ふざけるな!!」

彼は一言そう怒鳴りつけ、前を歩く妻を追いかけた。

それを見送って聖一はため息をつき、英恵は眉根を寄せた。

その時ー

「父さん」

最初から最後まで静かに事の成り行きを見守っていた怜士が、口を開いた。

「あなたの考えはもう時代にそぐわない。例え障害があったとしても、私はあの子を受け入れます」

「怜士っ」

聖一の叱責にも、彼はしれっとまた言った。

「それくらいのことも受け入れられないなんて、あなたの力も大したことありませんね」

「なんだと…?」

「あなた…」

剣呑な雰囲気に、英恵が夫の腕をそっと撫でた。

だが、怜士は例え父親だろうと容赦がなかった。

「なんです?事実でしょう?言っておきますけど、全ての決定権は当主である私にあります」

「お前…っ」

ぶるぶると拳を震わせる父親を、怜士はじっと見つめた。

「あの子がうちの弱みにならないと言えるか?」

悔しげにそう吐き出した聖一に、

「弱み?」

彼はバカバカしいというようにフッと嗤い、口を開いた。

「私と准がいる限り、そんなことにはなりませんよ」

「准?あれは優しすぎる。役には立たんだろう」

訝しげにそう言った聖一に、今度こそ怜士はバカにしたように嗤った。

「今更ですけど、衰えましたね。あの子は、その時がきたら私よりも容赦ありませんよ?理解できたら、大人しくしていてください。でないと、あなた達のほうが手放されることになりますよ?」

「な…!」

「怜士!なんてこと言うの!?」

両親揃っての怒りにも頓着せず、彼はくるりと背を向けて立ち去って行った。

残された2人は呆然としながら、やがて自分たちの住まう別邸へと戻って行ったのだった。

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