「先生さ、マジで俺の事好きなんだ」
「······好き··だよ」
「俺に抱かれたいの?」
僕の膝を割って、腰掛けている椅子に膝を着く。股間を刺激しながら、僕の首に手を回す積極的な芯。慣れている感じが許せないが、それよりも、意味不明な発言で呆気にとられてしまった。
「へ? いや、君が抱かれる側だよ?」
芯は、目をパチクリさせて驚く。予想はしていたけれど、これは思っていた以上に愛らしい。
「····はぁ? やだよ。なんでケツに突っ込まれなきゃなんねぇの? ハハッ、つぅかセンセェさ、ンな弱そうなのに抱けんのかよ」
芯は、僕を馬鹿にしたような笑みを浮かべ、膝をグリグリと押しつけてくる。まだまだ子供な芯は、優位に立っていると思い込んで油断していた。
この頃の芯は、よくモテて女の扱いにも慣れていた。そんな芯の、ハジメテを奪うのは気分がいい。あまりに愛らしいので、素直に抱かれれば僕を煽った事も許してあげようとさえ思えた。
それではつまらないのだけれど、むしろ反抗的なほうが、こちらとしては奪い甲斐があって良い。強気な芯の、泣いて歪む顔が楽しみで疼く。 こんな衝動は初めてで、僕自身も戸惑っているのが正直なところだ。僕は、迫ってきた芯のお尻を両手で鷲掴む。驚いた芯は、可愛らしい声を上げる。
ズボン越しにアナルを刺激してやると、甘い声を漏らした。これはいけると確信した僕は、部屋の奥にある仮眠室へと芯を連れ込む。若干だが防音効果のある部屋だ。多少手荒になっても、外まで声が漏れることはないだろう。 弱いと思っていた僕の力強さに、芯は心底驚いた様子だった。僕だって、成人男性程度の腕力はあるのだ。見くびられていたおかげで、隙だらけの芯は扱いやすくて助かったけれど。 ベッドへ押さえ込み、後ろ手にネクタイで手首を縛った。あんなに喧嘩の強かった芯が、非力な僕にされるがまま下半身を剥かれる。人を組み敷くとは、これほどゾクゾクするものなのか。涙目で『やめろ』と言う芯が可愛くて、僕は夢中で肛門に指を捩じ込んだ。苦しそうに声を漏らす芯。
「大丈夫だよ。まだ気持ち悪いかもしれないけど、すぐにヨくなってくるからね」
「ケツでなんかヨくなんねぇよ····つぅか汚ぇだろ····」
芯に汚い所なんて無いのに。恥ずかしがり屋さんなのだと思い笑ってしまった。
僕が笑った事が気に障ったのか、芯は一切声を出さなくなった。それでは苦しいだろうと思い、少し早いが芯のナカに|挿入《はい》った。
「んぃ゙っ、ふぅ··んぐぅぅ····あ゙ぁ゙ぁっ!? 動くな! それ以上挿れんな!!」
「なんで? 徳重君も····芯も気持ち良いでしょ? ほら、おちんちんからお汁出てる。声、出してごらん。楽になるから」
自分の身体の異常に気づき、芯は再び大人しくなってしまった。僕は、その隙に奥を慣らしておく。
下腹部を揉みながら、芯の奥にある扉をノックする。胎内《はら》の違和感に、芯は慌てて振り返り僕を見る。潤んだ瞳で見つめるなんて、自殺行為だとは思わなかったのだろうか。
僕は、膨らみを増したぺニスで、芯の結腸を貫いた。流石に大声を出されると困るので、口は手で塞いだ。初めて結腸をほじられる芯の絶叫を聴けないのは残念だが、こればかりは致し方あるまい。
気を失った芯のナカを、気の済むまで僕で染めた。これでもう、芯は僕のモノだ。
目を覚ました芯を、もう一度犯す。どちらが抱かれる側なのか、今度は執拗に言葉で教えてあげた。どれだけ僕が芯を想っているのか、僕が芯に与えられる快感がどれほどのものなのか····。 抱き終わる頃、芯は瞳にハートを宿していた。僕からの愛情が、身体を通して伝わったのだろう。 帰り際『明日も来るよね?』と聞くと、赤面した芯は強がってこう答えた。「明日は俺がめちゃくちゃに抱いてやる。絶対泣かしてやっからな····」
自分がどれだけ雌としての才能を開花させたのか、芯はまだ分かっていないようだ。
明日はもっと深く、身体の奥底まで快感を叩き込んであげよう。僕は胸を躍らせた。 翌日も、翌々日も、芯が僕を抱く事は叶わなかった。毎日僕に組み敷かれ、僕のモノを腹いっぱいに飲んだ。 日に日に甘くなってゆく声に、ゾクゾクと込み上げるものが止まらない。今日も今日とて、芯のナカを掻き乱す。僕の背中に立てられる爪が、無数の傷を遺してこの愛を知ら占める。
芯はもう、女を抱けないらしい。
先日、女の子とデートをしていた芯を問い詰めた。女の子のナカでイケなかったと、結腸でイキながら教えてくれた。自分が既に、雌であると自覚させるのは簡単だった。それを境に、身体だけは僕に従うようになった。
早くお口も素直になって、その瞳の様に愛を囁いてくれればいいのに。芯は、自ら腰を押しつけ奥を抉らせる。奏斗さんは大きく抽挿し、時々、芯まで響くように強く突き上げる。 死を直感した僕は脱力し、芯の背中へフラッと倒れ込む。それを良しとしない奏斗さん。僕の両手首を掴んで起こすと、容赦なく下へ引き、深く深く奥を抉り抜いた。「──先生、しっかりして。なぁ、ちゃんと聞いてる?」「し··ん····んぅ、聞いて··ぅぇ゙····」 僕は、芯に抱き締められていた。聞いていると言ったものの、何の話か分からない。意識が飛んでいたようで、全く聞こえていなかった。 それよりも、吐きすぎてみぞおちが痛い。それなのに、嘔吐くのが止まらない。それでも2人は、僕を犯し続ける。 いつ体位を変えたのか記憶にない。僕は芯へ正常位で挿入していて、奏斗さんが後ろから僕に腰を打ち付けている。突かれる度に込み上げて、本当にもう、頼むから勘弁してほしい。 芯は、小さく息を吸い込むと、僕の肩を押して距離をとった。僕は、重い身体をなんとか持ち上げる。 僕をジーッと見つめ、芯はもう一息吸い込む。そして、静かに、愛おしさを溢れさせながら、不安そうに言葉を放つ。「ホントにいい? 俺もう我慢できねぇよ」 一体、何の事だろう。よく分からないが、芯なら何だって許せるはずだ。そのくらいの覚悟はできている。「ん、いい··よ。お願い」 僕が何を頼んだのか、直後の言葉で全てを理解する。 芯は、一度浅い呼吸を置いて、少し躊躇いながら、優しく丁寧に言葉を紡いだ。「····零、愛してる」 朦朧とする中で、芯の心地よい声が溶け込んでくる。(名前····そうか、平気なんだ····。ありがと
セックスを我慢した甲斐あって、翌朝には随分と熱が引いていた。 芯の額に触れると、芯は『ん··』と小さく愛らしい声を漏らして目を覚ます。 寝惚けた芯に唇を奪われ、そのまま犯してやろうかと思ったが、昨夜の苦悶を無駄にしてなるものかと必死に堪えた。 その夜、週末でもないのに夜も更けてから訪ねてきた奏斗さん。どうやら、芯の見舞いに来てくれたらしい。 看病などした事がないと言って、奏斗さんは芯と一緒に粥を食べているだけ。何をしに来たのかと思えば、本当に顔を見に来ただけなようだ。 けれど、臥せっている時の心細さを知っている芯は、珍しく穏やかに食卓を囲んでいる。生意気な口は減らないが、ギャーギャーと騒ぐことはない。「今日は大人しいのな。つかどういう風の吹き回しだよ」 静かながらも、悪態をつくように言葉を投げつける芯。それに対し、奏斗さんは冷静に大人らしい態度を返す。「俺さぁ、芯のことも大切にするって言わなかったっけ? 今日はホントにただのお見舞いだよ。あ、ハニー、その花は芯だけじゃなく君にもね」 ソファにふんぞり返って僕を見上げる奏斗さん。そのしたり顔がカッコイイだなんて、口が裂けても言えない。「あ、ありがとう····」 花とは、奏斗さんが持ってきた、僕が腕いっぱいに抱えるほど大きな花束の事だ。白薔薇を基調に、絢爛さが喧しいほど訴えられている。見舞いとは思えず、ましてや僕には不相応な花束。 花瓶もないのに、どうすればいいのだろう。纏わりつくような香りに包まれ、僕は立ち尽くす。 花束をこそっとキッチンに置き、僕は粥の器を片す。芯は、疑り深く奏斗さんをまじまじと見る。僕だって、信じられないのは同じだ。 けれど、奏斗さんのいじらしいまでの改心を、僕も芯も認めていないわけではない。あまり、意地悪な事は言わないつもりだ。「芯、来てくれて嬉しいなら素直に言えばいいでしょ」「べ、別に··&midd
奏斗さんが言葉を放つのを、僕は固唾を呑んで待つ。薄い唇がそっと開き、無意識にピクッと身体を強ばらせた。「一緒に住もうか」 静かに、まるで言い聞かせるように、ぽそっと置かれた突拍子もない提案。言葉の意味を理解するまで、数秒のラグが生じる。 身構えていただけに、理解した瞬間全身の力が抜け落ちた。額面通りに受け取れば、提案と言うよりも同居の誘いだ。いや、この流れだと同棲になるのだろうか。 怠そうな態度を隠そうともせず、テーブルに肘をつきカフェオレを飲む芯。僕よりも先にこの話を知っていたようだが、納得はしていないと言うところだろうか。 奏斗さんが言葉を続ける前に、カチャンと荒くカップを置く。それを見て、ふっと笑みを零してから続ける奏斗さん。飄々とした口振りで、身勝手な理由を語る 。「この家狭すぎ。風呂があんな狭いとか有り得ないでしょ。あと絶対声ダダ漏れてる。通報されると困るからさ、ここじゃ思う存分可愛がってあげられないんだよね。何より、毎回道具持ってくるのが面倒。俺ん家なら、望むままにしてあげられるよ」 自らの唇に指を這わせ、魅惑的な妖艶さを醸し出す奏斗さん。想像して身体を熱くしてしまう。 この人の一挙手一投足には、芯でさえ翻弄される。芯が少しもじもじしたのを、僕と奏斗さんは見逃さなかった。 それはそうと、僕と芯だけなら事足りている2LDKの部屋。 奏斗さんが押し掛けて来なければ、これと言って問題はない。風呂だって、広くはないが芯と2人なら難なく入れている。「奏斗が居なきゃ問題ねぇんだけどさ、ちょいちょい同感なわけよ。声漏れんのが俺的には1番キツい。奏斗ん家は完全防音なんだって。だから、そこに住んで声気にしないでヤろうってさ。んっとクズだよな、ありがたいけど」 それに乗ろうとしている芯も大概だと思う。なんて、よく回る舌でふてぶてしくも愛らしく悠々と話す芯に、ましてや同じ考えが巡っている僕に、到底言えた言葉ではないけれど。「あとこれマジで納得いかないんだけど、先生が寂しがるから俺も一緒にって言うんだよね。ついで感ムカつかねぇ? 俺のコトも気に入ってるとか言ったくせにさ
お尻から僕の体液を噴出したままの芯。そして、僕のナカに収まったままの奏斗さん。 僕は、芯のお尻の具合を確認し、奏斗さんのをそぅっと抜いて薬を塗る。「芯のケツ、大丈夫?」 バッと振り向くと、奏斗さんが寝転んだまま煙草に火をつけていた。伏せた目がいやに色っぽく、不覚にもときめいてしまう。「はい、もう血はでてません。お、おはようございます」「それさ、いつまでそんな畏まってんの? 芯ですらタメ口なのに。お前もいい加減タメ口でいいから。····なんか遠いんだよ」「え、でも····」 “遠い”事を気にするような人だったのか。けれど、僕はその距離を縮めるつもりはない。そもそも、奏斗さんへタメ口だなんて不可能だ。 けれど、奏斗さんがそれで良しとするはずはなかった。「じゃ、命令。敬語やめろ」「は····うん」 便利なものだ。命令だと言われれば、不可能だと思っていた事もできてしまう。 そう、命じればいいのだ。僕が奏斗さんを愛するように。名前を呼ぶのだってそうだ。きっと僕は、息絶えながらでも平気なフリをするだろう。 けれど、決してそれだけはしない。彼なりのプライドなのだろうか。「芯が起きたら話そうか。俺たちの結論、お前が決めるんだよ。覚悟しておきなね」 奏斗さんは答えを急ぐ。芯も、早くハッキリさせたいようだった。当然だろう。 しかし、僕にその決断ができるのだろうか。いや、心は決まっている。 夕べ、乱れ狂った思考に過ぎった、狡く浅ましい願望。それこそが僕の本心なのだろう。 それを伝えられるだろうか。伝えてしまって良いのだろうか。果たして、それが正解なのだろうか。 2人に、僕を委ねてしまっても良いのだろうか。 芯が目を覚まし、狭い風呂へギュウギュウ詰めで3人同時に入る。バカじ
「っはぁぁぁ~····あったま固ぇのな、めんどくせぇ。俺がいいつってんじゃん」 芯はよっこいせと起き上がり、僕の隣に座る。僕より低い位置から、僕に顎クイをして格好つける。「奏斗に突っ込まれて可愛くヨガってる先生に犯されんの、正直マジでゾクゾクすんの。奏斗の命令聞いてアヘってんのに、俺には酷くすんのもすげぇクるんだよ。俺、奏斗はただのディルドだと思ってるからなーんも問題ねぇし。俺がそうシてほしいつってんの。ダメ? なぁ、セーンセ♡」 格好をつけた割に、言っている事はただの淫乱だ。そんな可愛い芯に、脳髄を沸き立たせられたかのような欲情をする。 僕は、無意識のうちに芯を押し倒していた。「芯··、僕は芯を愛してる。どれだけ身体が奏斗さんを求めても、僕のコッチは芯だけのモノだよ」 クズなセリフを吐きながら、僕は芯のアナルにペニスを捩じ込ませる。「俺は完全にディルド扱いなのね。ま、今だけ大目に見てあげるよ。で、俺への気持ちは? 怒んないから、正直に言ってみな」 僕のお尻を鷲掴み、大きな亀頭をにちにちと押し当てながら言う奏斗さん。期待なのか恐怖なのか、アナルがきゅぅっと締まる。 けれど、奏斗さんはその締まったアナルを押し拡げ、くるくる撫で回すように亀頭を押し込んでくる。「僕は··奏斗さんの、お、おちんちんが好きです。ん、ふぅ··昔みたいに、酷く犯されたい。けど、僕の心は芯のも──ん゙ん゙っ」 奏斗さんは一息に奥まで突き挿れ、勇気を振り絞った僕の言葉を断ち切る。「やーっぱ聞きたくないなぁ~。俺のおちんちんが好き··ってのは可愛かったよ。昔みたいに、上手に愛情表現できたね」 そう言って、後ろから頭を撫でる。擽ったいようなこの感情は何だろう。心がザワついて落ち着かない。 僕の不細工な顔を見て、芯はムッとした表情を見せる。 奏斗さんのピストンに合わせ、僕も芯のナカを抉る。可愛い声を
僕が気持ちを受け入れられていない、と言う芯。その言葉の意味が分からない。僕は、芯の全てを受け入れているつもりなのに。「··っ、ねぇ芯、どういう意味? 僕は芯のこと──」 ガバッと起き上がり、問い詰めるように芯へ言葉をぶつける。が、それを奏斗さん遮った。「ハニー、そうじゃないよ。あのねぇ··ハニーは自分の事がそっちのけなんだよ。自分の気持ちに疎すぎる。芯はそう言いたいんじゃない? それは俺も同意見」「なんでアンタが言うんだよ。先生に自分で気づかせたかったのに」「自分で··ねぇ。コイツには難しいよ、そういうの。俺が全部ぶっ壊してきたんだから。····ごめんな」 奏斗さんの口から飛び出したその一言に、心臓が強く脈打った。名前を呼ばれた時のような、息苦しさと目眩が身体をフラつかせる。 奏斗さんが、力無く倒れかけた僕を支えてくれた。力強い腕に、鼓動がほんの少しだけ跳ねる。「大丈夫? ····なぁ、俺が名前呼んでみていい?」 どうして呼べると思ったのだろう。奏斗さんの思考が分からない。苦しむ僕を見たいのか、それとも、いっそ殺してしまいたいのか。「いいわけねぇだろ。それは俺がやるつってんじゃん。奏斗は危ない事すんなっつぅの」「なんで? 俺、優しくしてるしそろそろいけるかもじゃない?」 僕と芯は、心底ゲンナリした表情を見せてしまった。まさか、本気で言っているのだろうか。「アンタ、マジで頭悪いんじゃねぇ? 優しくって、どこがだよ」「えー? 気遣ったり、芯に構うのも邪魔しなかったり、最近意地悪してないでしょ?」 あぁ、この人は根本的に何かを知らないのだ。僕はそう確信した。きっと、芯も。そして、僕も。「もうアホは置いとこ。なんつぅんだろうな····。先生はさ、自分の気持ち&