「転生JDと新たな秦王朝」私は歴史を変えてやる!

「転生JDと新たな秦王朝」私は歴史を変えてやる!

last updateLast Updated : 2025-11-21
Language: Japanese
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女子大生の私がイミフに転生してしまって、キングダム世界の後の紀元前206年からの項羽と劉邦の闘いの歴史に巻き込まれた!それも、なんと、蜀の村々を徴兵のために廻っていた漢の将軍、韓信の夜伽の相手にさせられたのよ!処女なのに!でも、気に入られてお后になった!めでたしめでたし!……じゃない!私と同じ21世紀の大学院生二人が、将来韓信を謀殺する劉邦の皇后、呂雉と宦官の体に転生したのよ!私、彼女たちに殺されちゃうの?

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Chapter 1

第1話 将軍韓信とアンヌの転生

画面の中、女の甘い声が聞こえる。「智也さん、すごい……」

スピーカーから聞こえる長谷川智也(はせがわ ともや)の押し殺した喘ぎ声は、ひどく生々しかった。

私はとっさに画面を消した。真っ暗になった画面には、涙に濡れた自分の顔が映っていた。

私と智也は、学生時代に出会って結婚した。もう15年になるけど、周りからはずっと「誰もが羨む理想の夫婦」だと言われてきた。

でも、智也の心が、もうとっくに自分から離れていたことに、私は分かっていた。彼は私が自分の手で選んだ秘書・小林楓(こばやし かえで)に恋をした。

智也が昔、私にささやいてくれた甘い言葉を、今は楓に言っていることも、私は知らないふりをしていた。

彼はすべてを完璧に隠せているつもりだったけど、まさか私がとっくに別れの準備をしていたなんて、夢にも思わなかったはず。

この時、私が智也に贈る誕生日プレゼントは、もう決まっていた。二度と会わないこと、それだけだった。

……

スマホの動画は再生され続けている。男の荒い息づかいと女の甘い声が絡み合い、部屋中に熱っぽい空気が満ちていくようだ。

画面の中で汗だくになっている智也の横顔をじっと見つめていると、私はふと笑いがこみあげてきた。

これが、私が15年間も愛した夫の姿。

私の誕生日に、ほかの女と体を重ねている。

スマホがまた通知音を鳴らす。開いてみると、メッセージはすべて楓からだった。

楓からのメッセージは、文字を読むだけで、彼女の挑発的な表情が目に浮かぶようだった。

【由理恵さん、驚いたでしょう?あなたをどんなに愛してる男でも、浮気くらいはしてしまうものですよ】

【見た目も学歴も、あなたにはかなわないかもしれません。でもね、ベッドでは私のほうがずっと上手ですよ】

楓からのメッセージはまだ立て続けに送られてきたけど、もう読む気はなかった。スクリーンショットだけ撮って、スマホの電源を落とした。

楓は、私が智也のために選んだ秘書だった。

1年前、智也を長年支えてきた秘書が辞めたので、新しい人を探すことになった。

書類選考を通った履歴書の束を、智也が私のところに持ってきた。そのときの彼は、幸せそうに目を細めて私を見つめていた。

「由理恵、これは人事部が選んでくれた候補者たちだよ。いいなって思う人がいたら、その人を採用しよう」

私は諦め顔で笑った。

「あなたの秘書でしょ?どうして私が決めるの?」

すると智也は、きっぱりとした口調で言った。

「秘書は俺と一番接する時間が長いんだ。君が気に入らない人なんて雇いたくないよ」

そう言って、彼は私を宝物みたいに大事に抱きしめた。

智也に押し切られて、私は楓の履歴書を手に取った。

「この人がいいかな。仕事がてきぱきできそうに見えるし」

まさか、それからたった1年で、私が自ら選んだ秘書が恋敵になるなんて思ってもみなかった。

テーブルの上のケーキは、暖房の熱で少し溶けてしまっている。「29」の数字のろうそくも、斜めに傾いていた。

智也にすっぽかされた、初めての誕生日。そして、これが二人にとって最後の誕生日。

時計の針がぐるぐると回っていくのを見ながら、私はまだ、ほんの少しだけ期待していた。

もしかしたら、彼が帰ってくるかもしれない、と。

あんなに私を愛してくれていた智也が、私の誕生日を忘れるわけがない。

でも、深夜3時になっても彼は現れなかった。メッセージも電話もなく、家にも帰ってこない。まるでこの世から消えてしまったみたいに。

少し迷ったあと、私は楓とのトーク画面を開いた。

一番新しいメッセージは写真だった。そこには、キスマークだらけの男の胸を枕にしている女が写っていた。

【あなたの旦那さん、すごいですね】

なるほど、そんなに激しかったんだ。

どうりで、連絡ひとつないわけだ。

私は深く息を吸い込んで、こみあげる悲しさを飲みこんだ。そして、心を込めて作った料理を、一口もつけていないケーキとともに、ゴミ箱へ捨てた。

すべてを片付け終わってから、私はある人に電話をかけた。

「菊地社長、前、SYグループのデザイナーにならないかと声をかけてくれたよね。考えがまとまった。F国行きの航空券を手配して」

電話の向こうの菊地悠斗(きくち ゆうと)の声は、驚きと喜びに満ちていた。

「やっと承諾してくれたんだね!君が引退すると言ったとき、俺は誰より反対した。君の才能が埋もれてしまうのはもったいないって!今考え直してくれてよかった。すぐチケット取るよ。出発は7日後で、いいな?」

7日後。

私はその言葉を心の中で繰り返して、ふっと笑った。
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第1話 将軍韓信とアンヌの転生
漢の将軍、韓信  項羽との抗争に敗れた劉邦は、辺境の蜀漢の地を与えられた。漢軍は蜀の桟道を通って蜀漢の地へと進んでいった。項羽を見限り漢に寝返った韓信は、かつての将官の地位を失い、蕭何の下で兵站作業の指揮を任されていたが、心は腐り果てていた。  竹や木材でできた蜀の桟道は脆弱で、兵士たちは荷駄と共に悲鳴を上げながら谷底へと転落していった。耐えきれなくなった韓信は兵站指揮を放り出し、軍を脱走しようとした。だが、将兵に捕まり、斬首されそうになった瞬間、蕭何が現れて彼を救った。「お前は大将軍になりたいと言ったな。だが、大将軍たるもの兵站にも精通せねばならぬ」と、蕭何は静かに諭した。韓信は渋々ながらその言葉を胸に刻んだ。  やがて、漢軍は蜀漢の地に近づいた。蕭何は劉邦に進言した。「韓信は将器の器です。地位を上げなされ」と。渋る劉邦は「二階級特進で十分だ」とケチな返答を返した。「大尽(だいじん)たるもの、そんな出し惜しみはいかん」と蕭何がたしなめると、劉邦は笑いものにされるのを嫌い、「よし、韓信を大将軍にせよ」と一気に昇進を命じた。史実によれば、韓信はこの時(紀元前206年頃)、劉邦に抜擢され大将軍となり、その才能を開花させるきっかけを得た。発奮した韓信は、蜀漢攻略に全力を注ぐ決意を固めた。  蜀漢の地に到着した漢軍は、あまりの辺境ぶりに驚愕した。成都を中心とするこの地域は、上下水道はおろか、まともな道路すらなく、田畑は原始的な焼畑農業に頼っていた。蕭何と韓信は、まずインフラ整備に着手した。蜀の桟道は急峻な山岳地帯を縫う細い通路で、木材と竹を組み合わせただけの不安定な構造だったため、韓信は中原から持ち込んだ技術を活用し、石材と土を組み合わせた舗装路を建設した。  兵士たちに命じて山を切り開き、運河用の水路と並行する形で幅広い街道を整備し、荷駄の運搬効率が飛躍的に向上して軍の補給線が安定した。蜀漢の焼畑農業は生産性が低く、食糧不足が常態化していたため、蕭何は秦の時代に李冰が岷江で築いた都江堰の技術を参考に、小規模な灌漑用水路を各地に設置し、川から水を引き、田畑を潤すことで水田農業を導入して稲作を奨励した。  これにより、蜀漢の食糧生産は倍増し、軍の長期駐留が可能となった。中原では既に都市に簡易的な下水溝が存在したが、蜀漢には皆無だったため、韓信は成都近郊に溝渠を
last updateLast Updated : 2025-10-29
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第2話 キングダムじゃないんだからね!
なんで転生して漢の将軍に抱かれるんだっちゃ! 蜀漢の地方を視察していた韓信は、蓉の住む村の長の離れに一晩泊まることとなった。そこには、18歳の可憐な美少女がいた。彼女の名は張蓉。蜀漢では「張」は一般的な姓であり、「蓉」は芙蓉(ハス)の花を意味し、当時の女性に好まれた名であった。張蓉は韓信の着替えや食事の世話を甲斐甲斐しく務め、その白い肌と長い黒髪、澄んだ瞳に韓信は目を奪われた。 蓉の住む地方には、高位の客人には村の娘を夜伽として差し出す風習があった。夜更け、張蓉は韓信の褥に体を投げ出し、彼を受け入れようとした。 村の夜伽の風習など知りもしない韓信は狼狽して、「何!?何だ、この状況は!」と声を上げたが、張蓉は涙ぐみながら言った。「韓信様に抱いていただき、お種を頂戴しませんと、私ぁ村から叩き出されるとよ。この地じゃ、そうせん娘は穢れた女とされて、生きていけんと」蓉(アンヌ)は、母親に言われた言葉を繰り返した。 韓信は一瞬躊躇したが、彼女の切実な瞳と震える声に心を動かされ、彼女を抱く決意を固めた。 蓉(アンヌ)の華奢な体が韓信の腕に収まり、彼女の柔らかな乳房が彼の厚い胸板に押し付けられた。韓信の手が彼女の細い腰を掴み、彼のアレを秘めた場所に寄せようとしたが、その瞬間、蓉(アンヌ)が「んぁっ…韓信様、待ってくれんね!」と声を上げた。 韓信は驚き、「どうしたんだ?」と尋ねると、蓉(アンヌ)は顔を赤らめて言った。「私ぁ、男を知らんとよ。初めてなんじゃ…」と。韓信もまた狼狽し、「何!?おぼこなのか!?俺だっておぼこの女を抱いたことなんかないぞ。いつも商売女ばかりだ」と慌てふためいた。二人は褥の上で顔を見合わせ、気まずい沈黙が流れた。 韓信は頭をかきながら、「ええと、どうするんだこれ…。蓉、お前、どうしたい?」と尋ねると、蓉は目を伏せて、「どうしたいって言われても……わからんとよ……韓信様に抱かれんと村にいられんけど、どうしていいかも分からんっちゃ。おっ母は『お前は寝床に入って横になるだけで良い。何もするな。将軍様がなされるがまま体を委ねろ。ちょっと痛いかもしれんが、体の力を抜いてゆったりと構えるん
last updateLast Updated : 2025-11-12
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第3話 読み書き算盤で韓信を驚かすアンヌ 1
朝餉の支度 翌朝、アンヌはまだ日が昇る前に韓信よりも先に起きて、村の長の台所を借りて朝餉の支度をした。素材は村の長の奥様が準備していた。アンヌは「粥膳」はどうだろう?と思った。 村の長の奥様に「粥膳」は韓信様の朝餉にいかがでしょうか?と聞くと、消化にもいいし良いんじゃないか、と彼女は答えた。韓信には長崎弁みたいな中国語が自然にでてしまったが、家族以外の人間には普通語のイントネーションで喋れるほどになっていた。 蒸し豚、岷江の小魚、桃があるから、小米粥、蒸豬肉配蔬(蒸し豚と野菜)、岷江魚煮(川魚の煮込み)、桃漬(桃の漬物)をお作り、と奥様が言った。 火をおこしてテキパキと作っていく。粥を煮ながら最後に散らす葱をトントンと切る。竹の蒸籠に豚肉と野菜を重ねて、ニンニクと醤で下味をつける。骨抜きをした川魚を酒と塩で下処理して、梅を加えて土鍋で弱火で煮る。若い桃を薄切りにして、塩で軽く漬けてしばらく置く。奥様は蓉の手際のよさに感心した。21世紀のお料理教室で学んだ技が役に立った。「それにしても蓉、昨晩は激しかったようだね。離れのお前さんの嬌声が母屋にまで聞こえたよ」と奥様が蓉の顔を見、野卑な表情を浮かべてズケズケと聞いた。こんな露骨な下卑た質問でも、古代中国に生まれたなら気にしないのだろう。だが、蓉の中のアンヌは真っ赤になった。「お、奥様、あ、あの、六回ほど愛でていただきました……」(これを読んでいる未来の人たち、ここは紀元前206年の古代中国なんですよぉ~。忘れちゃダメですよぉ~。漫画のキングダムの時代は紀元前245年から221年頃のお話で、今はそれから二、三十年しか経ってません!羌瘣も河了貂もこんな時代に住んでたんです。女は輪っかみたいに縫った麻の胸当て≒ブラはしてますが、下帯≒パンツははいてません!スッポンポンなんですよぉ~!トイレは豚小屋の上にあるし! 古代の中国では夜はやることもないから、夫婦はアレをするばっかりだし、話題も少ないから女同士の会話はアレの話ばかりなのだ……あれ?21世紀の女子高生と変わらないか……で、村の長の家は、秦朝の頃に劉邦が一時任じられていた亭長(江戸時代の日本の宿場にあった陣屋のような宿泊設備)の役をこの村では受け持っていた。それで、母屋の他に来客用の
last updateLast Updated : 2025-11-13
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第4話 読み書き算盤で韓信を驚かすアンヌ 2
読み書き算盤 アンヌは朝餉の料理を膳(ぜん)に乗せて離れに戻った。襖を開けると韓信はもう起きていて、竹製の算盤で計算をしていて、木簡に何やら書き物をしている。「韓信様、朝のご飯の支度ができたっちゃ」と膳を差し出して韓信様の前に置いた。あれ? 韓信様の前やと、つい長崎の訛りが出てしまうと。なんでやろ?作者も長崎弁の翻訳が面倒と言っているので、頑張って標準語で話そう!……つい、長崎弁が出るかもしれないけど……「ほほぉ、うまそうだな」「はい、米粥(巴蜀の主食)に蒸し豚と野菜の『蒸豬肉配蔬』、川魚の煮込みの『岷江魚煮』、デザートに桃の漬物の『桃漬』でございます」「蓉が作ったのか?」「はい、私の手作りです」「ありがたくいただく」 韓信はムシャムシャと食べだした。アンヌは、算盤や書き物って何をしているのか気になって韓信に聞いた。「韓信様、算盤で何をなさっとったとですか?」「ああ、今回の視察で、この近辺四十ヶ村の人口動態を調査したので、それの統計をとっていたんだ。人口数と男女の性別比人口とか、年齢層とか……ってお前にはわからないか」「拝見してもよかですか?」「ああ、いいぞ。蓉は算盤や木簡が珍しいのか?」とアンヌの方に算盤、木簡、筆、硯を押しやった。 木簡には几帳面な小篆の字で、村の名前と十代毎の男女の人口が書かれていた。へぇ~、この時代の辺境の蜀の村の人口って何人なんだろう?とアンヌは興味を持った。算盤で四十ヶ村の総人口を計算して木簡の隅に書き込んだ。「韓信様、四十ヶ村の総人口は8,654名で、男女比は男4,223名、女4,431名って普通じゃろか?男女比がほぼ同じというのは、この近辺で戦乱が起こっとらんけん、男が徴兵されとらんということじゃろかね?このデータで、年齢ごとの死亡者数とかも調査して、十年くらいのデータがあれば、平均余命表とかできちゃいますけどねえ」と食事中の韓信に尋ねた。 韓信はむせて胸をどんどん叩いて茶を飲んだ。「蓉は文字が読めるのか?書けるのか?算盤を使って計算ができるのか?」「ええ、村の長に習いましたばい」と、まさか高校の授業で数学の時間に統計を習ったとはいえないでしょ?と思ってこう答えた。「総人口は8,654名……合ってる……男4,223名、女4,431名……合ってる……」と自分で算盤
last updateLast Updated : 2025-11-21
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