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30話

مؤلف: 籘裏美馬
last update تاريخ النشر: 2025-10-25 08:38:42

「それで…御影さん、今日はどんな御用で?」

「……」

私からいきなり本題を切り出されるとは思わなかったのだろう。

それもそのはず。

以前の私だったら、御影さんが訪ねてきてくれた事が嬉しくて、彼に沢山話を振っていたから。

幼少の頃の話だったり、仕事についてだったり、彼の趣味についてだったり──。

けど、御影さんは私の話をいつも煩わしそうに表情を歪め、何一つ答えてくれなかった。

だからこそ、私が御影さんにとって無駄話をせずに本題に入ったのはとても不自然な事だったのだろう。

ちらり、と御影さんから視線を向けられるけど、私は御影さんから顔を逸らしたままカップに口をつけた。

「……今朝、記事が出ただろう」

「記事、ですか」

まさか、御影さんがあの記事をもう知っているとは思わず、私は
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  • あなたの「愛してる」なんてもういらない   353話

    歩いて行く後ろ姿。 小さくなっていく藤堂さんの後ろ姿を見て、俺はその場から暫く動く事ができなかった。 藤堂さんが時折隣を歩いている谷島に話しかけられ、笑顔で言葉を返しているのが見える。 そんな藤堂さんを見て、俺の胸にはもやもやとした形容しがたい感情が溢れてくる。 「……くそっ。こんな気持ちになりたくないからあの人と距離を取っていたのに」 あの人の隣にいるのが、谷島なのが気に入らない。 どうして、藤堂さんは谷島と楽しそうにしているんだ。 藤堂さんの隣にいていいのは俺だけなのに──。 そんな事を考えてしまっていた俺は、ハッとする。 「何で……俺は、藤堂さんを知らないのに……」 どうしてこんな気持ちになるのか。 知らないのに、知っているような。 記憶なんてないのに、俺は藤堂さんの笑顔を知っている。 あんな風に藤堂さんに笑顔を向けられるのは、俺だけだったのに。 「──は?俺は、何を……」 俺だけが笑顔を向けられていたって何だ? どうしてそんな事を思うんだ。 俺は、藤堂さんを何も知らないのに──。 俺は、本来ここに来た理由が入っているスマホを入れているポケットに視線を向けた。 どうしてあの時、俺は藤堂さんに聞かなかったのだろうか、と後悔の念が込み上げてくる。 スマホにスケジュールされた、ある予定。 その予定に、どうして藤堂さんの名前が書かれていたのだろうか。 どうして、俺はその名前を見ただけで彼女だと、藤堂さんだと思ったのか──。 スマホのスケジュール。 今日の日付には、しっかりと書かれていた。 「茉莉花さんと病院」と。 「茉莉花さん──」 どうして、しっくりとくるんだろうか。 それに、どうして茉莉花と言う名前が藤堂さんだとすぐに分かったのか。 どうして、懐かしい気持ちになるのか──。 「……くそっ」 何が何だか分からなくて。 もう1度藤堂さんに会ったら、何かが分かるだろうか。 谷島と、どこに行った──? 俺はあの2人を探し出そうと思い、駆け出そうとした。 その瞬間。 ポケットに入れていたスマホが、着信を知らせた。 ぶるぶると震えるスマホに、ハッとして俺はスマホを取り出す。 すると、そこには──。 「警備会社……?どうして、俺に……?」 どうして俺に警備会社からの電話が? そう思ったが、何か

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    未だに苦しそうな息を漏らし、膝に顔を埋めている志木チーム長。 このまま、外に居続けるのも風邪をひかせてしまうかもしれない。 1度、お店の中に戻ろう。 苓さんも迎えに行くまで、お店の中に居て。と言っていたし。 店に声をかけよう、と私は判断した。 「志木チーム長、少しだけ待っていてくださいね。お店に入れるか、確認します」 私がぽん、と志木チーム長の肩を叩き、お店に向かう。 すると、背後から酷く弱々しい声で「すみません」と返ってきた。 お店に確認を取ったら、快くお店の一室に通してくれた。 それどころか、お店の人は体調の心配までしてくれて、温かい飲み物まで出してくれた。 「志木

    last updateآخر تحديث : 2026-03-25
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