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108.伝えたい気持ち・知りたい気持ち⑪

مؤلف: Aica
last update تاريخ النشر: 2025-11-02 23:47:53

「えっ、いいんですか……? 全然わかってないですけど……」

「あぁ。そうやってわかっていないから、オレも多分お前に振り回されてんだろうし」

「えっ! あたし社長振り回してるんですか!?」

「多分(笑)」

「えっ……。ホント全然わかんない……。それっていい意味ですか!? 悪い意味ですか!?」

「フッ。いい意味に決まってんだろ」

「よかった……!」

「あぁ~。だけど。そのままだとちょっと厄介かもな」

「えっ!? どう厄介なんですか!?」

「そうやって無意識で他の男振り回してたらたまったもんじゃないし」

「はっ!!?? いや、だからあたし何したらそんななるんですか!?」

「だから。お前、もう放っておけねぇなーって思った」

「え……?」

「お前がオレにやってくれてるようなこと、他のヤツにやるのかなーって思ったらすげー嫌だった」

「こんなの……! 社長にしかしません! 社長だからするんです!」

「ん。お前は?」

「え?」

「お前は、オレがいない間どうだった?」

「あたしは……。さっきも言いましたけど……。社長が出張行ってる間、寂しいって思っちゃいましたし、早く会いたいなって思いました。だけど、
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  • おいしい契約恋愛   378.望んでいた幸せ①

    「こんばんは」「あら。依那ちゃん、いらっしゃい」それから数日経ってから、あたしは慧さんのことを女将さんに報告するためにお店に顔を出した。「今日は……?」「えっと、お客として食べに来たのと、あと少し時間があったら女将さんお話出来たりしますか?」「えっ?  えぇ、もちろん。じゃあ落ち着いたら時間作るわね」「はい。お願いします」少し遅めの時間にお店に行き、お客さんが少し少なくなってきた頃、女将さんの仕事も落ち着き、店で待っていたあたしの元へと女将さんが来てくれる。他の人には聞かれないように、少し離れた席で女将さんと二人で話すことになった。「すいません。わざわざ時間作ってもらっちゃって」「いいのよ。もうお店は常連さんばっかりで大将が付き合ってくれてるから。それより依那ちゃんが改まって話したいだなんて、慧……のことかしら?」女将さんはすでに気付いていて、穏やかにあたしに尋ねる。「はい。女将さんのこと、慧さんに全部話しました」「そう……。あの子、戸惑ってたでしょう……?」「まぁ……戸惑ってないと言ったら嘘になります。でも、伝えてよかったです」「え……?」「慧さん。ちゃんとわかってくれました」「わかってくれたって……?」「あっ、わかってくれたって言っても、あたしの伝えたいことというか。女将さんの想いとか、ちゃんと知ってほしいこと、伝えたら、慧さんはちゃんと受け取ってくれました」「そう……」「正直。お二人のことは、当人同士しかわからない状況だったり、想いだったりがあると思うんです。だから当然あたしでは女将さんの想いも全部ちゃんと伝えられるわけではないし、慧さんの想いもやっぱりあたしがちゃんと受け取れるわけではないと思います」「それはそうよね……」「だけど、今の二人ではお互いどうしても伝えられないこともあると思うんです。だから、あたしが伝えられることがあるなら、お二人の力になりたくて……」

  • おいしい契約恋愛   377.受け入れる強さ⑩

    「運命、以外にそういうの……なんて表現したらいいんですかね。あたし的には、なんか細胞レベルで求めてるくらいの方がしっくりくるかもです」「え? 細胞? ハハ。それはすごいな」あたしのその表現に慧さんが笑う。「そっか。細胞か。うん。確かに。オレも依那はそれくらいの存在で感覚かも。じゃあ……、オレらは一生離れられないな」「はい。離れるなんて一生無理です」そう言いながら、お互いまたギュッと抱き締め合う。慧さんはあたしの背中と頭をそれぞれまた両手で包み込むように抱き寄せてくれて、あたしはスッポリと慧さんの体の中に埋まる。やっぱりこうやって大きな手で、大きな体で抱き締めてもらえると、守ってもらえてるようで嬉しくなる。だけど、慧さんが素直な気持ちを伝えてくれたことで、一方的に守られてるだけじゃなく、あたしも守ってあげたいという想いが芽生える。そんな気持ちおこがましいのかもしれないけど、でもあたしはなぜかそんな二人になれたことが嬉しく思えて。慧さんにちゃんと弱みを見せてもらえたことや、本音を話してもらえたことは、あたしにとって、とても大きなこと。それはきっと、慧さんが心を開いて心を見せてくれたということだから。「慧さん。いつでも頼ってくださいね?」「……え?」「慧さんにはあたしがついてますから。いつでも慧さんの心を預けてください。どんなことがあっても一緒に乗り越えましょ?」「ハハ。頼もしいな。あぁ……。依那がいてくれたらきっとどんなことがあっても乗り越えられるよ」いつもと違う、ここがベッドという場所だからなのだろうか。それともずっと確認し合っている想いが、お互い常に溢れているからだろうか。いつも以上に、慧さんを近くに感じられる。心も身体も。今までで一番触れ合えて寄せ合えてるような気がする。心と身体を丸ごと抱き締めてわかり合えているような……。守ってほしくて、守ってあげたくて。わかってほしくて

  • おいしい契約恋愛   376.受け入れる強さ⑨

    「それさ……。ホントは、眠れなくなってたんだ……」「やっぱりそれは、仕事が忙しすぎてですか……?」「まぁ、もちろんそれもあるのはあるんだけど……。でもそれは、仕事をするようになってからじゃなくて。ずっと、なんだ……」「ずっと、って……?」「あの人が……、母親がいなくなってから……。それから、ずっと……」「え……」慧さんから伝えられたその言葉に、あたしは思わず言葉を失くす。「目を瞑って、眠るとさ、真っ暗になるだろ。その空間になるとさ、あの人がいなくなったあの時のことが思い浮かんできてしまうんだ……。あの人がいなくなった喪失感が、オレを飲み込んでいって、真っ暗闇のもっと深いところに引きずり込んでいく……。世界で自分だけ、たった一人になってしまったような、そんな感覚にずっと襲われてたんだ……」ポツリポツリとゆっくり呟くように、慧さんはその衝撃的な内容をあたしに告げる。過去とはいえ慧さんがずっと抱えてきた苦しさ。それがずっと現実に存在していたこと。頭ではそれを受け入れているのに、心が悲しくて辛くて壊れそうになる。あたし、全然慧さんのこと、わかってなかった……。そんな辛い現状と慧さんが闘っていたのだと、今初めて知った……。仕事が好きとか、そんなどころじゃなくて、眠りたくても眠ることが出来ない。そんな誰にもわかってもらえない自分だけでしか抱えることが出来ない、そんな怖さがずっと存在していたなんて……。「慧さん……。ごめんなさい……。そんな辛い現状と闘ってただなんて、あたし知らなくて……。なのにもっと眠ってほしいとか……」あたしは自分の未熟さと慧さんの強さに泣きそうになる。「え? なんで依那が謝るんだ……? っていうか、オレは依那に悲しんだり謝ってほしくて話したんじゃない」「でも、あたしが何も知らないとはいえ無神経に……」「無神経だなんて思ってない。依那がオレを心配してくれてるのはちゃんとわかってるから」慧さんはそう言って、あたしの顔を見ながら優しい表情をして、泣きそうになってるあたしをなだめるように、また優しく頭に触れる。「慧さん……」「オレはさ、依那に感謝してるんだ」「え……?」「依那がずっと暗闇にいたオレに光を与えてくれた」「あたしが……ですか?」「そう。依那がそばにいてくれたらさ、眠れるんだ。ちゃんと」「眠るのは、

  • おいしい契約恋愛   375.受け入れる強さ⑧

    そのあと、あたしは少しでも慧さんと一緒の時間を過ごせるように、今日やることをいつも以上に張り切って終えて、慧さんとのまったりタイムに備える。そして、ようやくその時間になって、あたしは慧さんの部屋に向かう。別に初めてってわけじゃないけど、なぜか改めてこうやって意気込んで向かうと、いつもと違って緊張しちゃう。でも、やっぱり慧さんと過ごせる時間が来るまでが、いつもホントに待ち遠しくて。たとえそれが何時間でも、何日でも。家の中でも、どこか素敵なお店だとしても。ただ慧さんとこの先会えることが嬉しい。会えない時間も、一緒にいる時間も、いつだって慧さんを想えば、あたしは幸せになれる。「お邪魔します」「どうぞ」ベッドに座って、タブレットを見てた慧さんが、寝る準備をして寝室の入口で声をかけたあたしに微笑んで招き入れてくれる。「失礼します」と言いながらあたしはベッドの慧さんの隣に座る。「慧さん。あたしが来たらもう終了です」「え?」「それ。お仕事ですよね?」「あぁ、うん」「寝るこんなギリギリまで仕事脳でいると、ちゃんと寝られませんよ?」「確かに……」「お仕事はベッド入るまでにして、今日からはベッド入ったら二人のお話タイムです」「ん。了解」あたしのそんな提案に慧さんは素直に頷いてくれる。「ベッドでタブレットを持つ代わりに、これからはあたしがその代わりになります。はい! どうぞ!」あたしは大きく手を広げてウェルカム的に隣の慧さんを迎え入れる仕草をする。「フッ。どうぞって(笑)  そんなの……こんなタブレットより、依那の方がいいに決まってるだろ」タブレットをベッド横の棚に置き、そう言いながらそんなあたしを抱き締めてくれる慧さん。「確かに、寝る前に冷たいあんなタブレットに触れてるより、温かい依那に触

  • おいしい契約恋愛   374.受け入れる強さ⑦

    「慧さん。じゃあ、あたしからもお願いしてもいいですか?」「あぁ。もちろん。なんでもいって」「今日から慧さんのベッドで一緒に寝てもいいですか……?」前に、慧さんが早く帰ってきた時は、一緒に寝ようと約束していたのだけど、実際は休日ゆっくり出来る時に、何回か実現出来た程度で。平日は、やっぱり慧さんは遅く帰ってくることが多くて、慧さんが帰ってきてから慧さんが声をかけてくれる時くらいしかなかったのが現状。しかもきっと慧さんはあたしに気を遣ってなかなかそれを言ってくれなかった。早く帰ってきた時と言われた手前、自分からベッドに潜り込んで待つわけにもいかないし、かといって慧さんが帰ってくるのを待って様子を見ていても、結局は早く寝るように言ってくれて、少ししか一緒にいられないのが実は最近寂しく感じてきたりしている。「ん? 今までも一緒に寝てるだろ?」「それは、慧さんが早く帰ってきた日じゃないですか。慧さん、遅く帰ってきた日は一緒じゃなくていいって言ってましたけど、そういう時こそ一緒にいませんか?」「依那……」「きっと慧さんのことだから、あたしに気を遣って遅い時間は別でいいって言ってくれたんだと思うんですけど、やっぱりそれって寂しいんです。もっと慧さんが恋しくなっちゃうんです」「うん……」「慧さん」あたしは身体を起こして、改めてちゃんと座り直す。さっきよりも真剣な表情で慧さんを見つめるあたしの様子がさっきと違うことに慧さんも気付いて、あたしと同じように身体を起こして、あたしと向き合ってくれる。「もう何もないですか?」「何、が……?」あたしは向かい合った慧さんを見つめて尋ねる。「もうあたしに話してないことや一人で抱えてることはないですか? まだあるならもう今全部話してください。全部知りたいし、全部受け止めたいです」「いや&hellip

  • おいしい契約恋愛   372.受け入れる強さ⑤

    「慧さん……。ギュッとしていいですか……?」「え……?」あたしはあまりにも慧さんへの想いが溢れすぎて、その想いを言葉にする。「いいよ」慧さんが微笑んでそう答えてくれると、あたしはすぐに、慧さんの背中に両腕を回し抱きつき、胸元にピッタリくっついて顔を埋める。そして、慧さんも同じように腕を回してギュッと抱き締めてくれる。「慧さん。大好きです。ホントに大好きです……」「ん。オレも。依那が愛しくてたまらない」耳元で伝わるその声で、抱き締め合ってるこの身体とぬくもりから伝わるその言葉で、あたしの心も身体も細胞もすべて愛しさと幸せで包まれていく。無理に何かを話してくれなくていい。ただ慧さんの力になれるならそれだけでいい。あたしをこんなにも必要としてくれるだけで、あたしは幸せだから。「あ~。もうこのままずっと離れたくないです」あたしは慧さんが恋しすぎて抱きついたまま素直な気持ちを呟く。「オレも、今日はずっと依那とこうしてたい……」すると慧さんもあたしと同じでいてくれているのか、同じようにそんな言葉を伝えてくれる。それは自分の慧さんへの想いが溢れているということもあるけど、なんだか今は慧さんを一人にさせたくないなんて、そんな風に思ってしまう。同じ家で同じ空間で、ただ部屋が違うだけなのに、それだけでも今は寂しく思ってしまう。今はずっと慧さんのそばにいて、慧さんに寄り添っていたい。慧さんが今どんな感情と向き合っているのかはわからないけど、でも今この時に、慧さんは自分という存在を必要としてくれている。あたしはそれだけで、自分が存在する意味みたいなものを感じてしまう。ただ一緒にいれば、慧さんが話したくなれば話してくれるだろうし、そうじゃないならただそばにいるだけでいい。だから今少しでも慧さんにとって、あたしを必要としてくれる想いがあるなら、あたしは一分でも一秒でも慧さんの力になりたい。「依那……

  • おいしい契約恋愛   150.特別な存在⑤

    「なんかお前いつでも全力だよな(笑)」「それがあたしの取り柄ですから!」「確かに。それなかったらお前じゃねえしな」「だから。あたし。仕事でも認めてもらえるような人間になろうと思って」「ん? それはオレにってこと?」「もちろんです。あたし。仕事でもちゃんと頑張ってる姿見てもらって、中途半端な気持ちじゃないってこと、慧さんとしても社長としても知ってもらいたいです」「んなの言わなくてもわかってるよ」「でも。あたしの仕事ぶりはまだ社長には見てもらったことないですし、会社の人間としては、まだ全然役に立ててなくて……」「そんなのお前の年齢と経験では普通だし」「だけど。あたし、ホントに社

    last updateآخر تحديث : 2026-03-29
  • おいしい契約恋愛   131.親友への報告⑧

    「え、ヤバッ。依那、あんた社長の前ではそんな感じなんだ!?(笑)」「あっ……」「なんだ、心配することないじゃん(笑)」「え?」「ちゃんとあんたはあんたらしくいれてんじゃん。社長と初めて会った時も、そうやって同じように威勢よく立ち向かってたし(笑)」「いや、あれは……!」「あ~そっか。そういえば、あの時もそんな感じだったね。ほら、あたしが言った通りになってんじゃん」「え? なんて言ってたっけ?」「人生何が起きるかわかんないよって」「あ~、そういえばなんかそんなこと言ってたかも」「あの時、そうやって話してる二人の雰囲気いい感じだな~と思ってたんだよね」「あ~。確かに。あの時

    last updateآخر تحديث : 2026-03-27
  • おいしい契約恋愛   42.動き始めた二人の関係②

    「心して彼女役務めさせていただきます」そして、その気持ちを忘れないように、しっかり声に出して自分に言い聞かせる。「何、どした、いきなり」「いや。大事な仕事先の方なら失礼にならないようにしないとなと思って」「あぁ~。うん。そこがな、難しいとこなんだけど。この前お願いした相手は別にあれ以上仕事に影響なかったからあれでよかったんだけどさ。今回はこれからもまだ仕事で付き合っていく人だから、そこはまぁあんま揉めないように上手くやってほしいっていうのはある」「ですよね。なんか簡単そうに思えてちょっと責任重大ですよね」「まぁ普通の状況の彼女役とかじゃないからな。結局オレは仕事にも関わってること

    last updateآخر تحديث : 2026-03-19
  • おいしい契約恋愛   232.何気ない幸せ⑧

    「それならやっぱりこうやって伝えていくしかないよな」「こうやってって……?」「オレの気持ちが信じられないんだろ? なら、どんだけオレかお前を求めてるか、こうやって実践してお前の記憶や身体に刻みつけてくしかない」「えっ!?」本気か冗談かわからないような言い方に、あたしは一瞬戸惑う。「お前は今そこまで実感も自信もないかもしんねぇけど、オレはもうこうやって何かあったらお前にちゃんと気持ちを伝えたいって思うし、触れたいって思う」「慧さん……」だけど、そうやってちゃんと伝えてくれるその言葉で冗談じゃないことがわかる。「だから、これからお前が実感ないなら、オレが実感させてやる。そもそもお

    last updateآخر تحديث : 2026-04-05
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