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23.帰る家が無くなりました③

مؤلف: Aica
last update تاريخ النشر: 2025-08-20 01:05:27

「えっと……、とりあえず家にそのまま向かってください」

「いいの? 家で」

「はい。もうすぐ家着いちゃうので、どうせなら着替えの服とか必要な物だけ取りに行きます」

「で、どうすんの?」

「うーん。とりあえずもう少しホテル探してみますけど、なければネカフェかカラオケとか、そんな感じのとこで今日は泊まります」

うっ……学生じゃあるまいし。

でもこんな一方的に追い出されるとか、もうそんなのと同じようなもんでしょ。

てか、社長の前であたしカッコ悪すぎる……。

元々この人の前では最初から印象悪いのに更に生活乱れてる女だと思われてしまう……。

「でも。仕事はちゃんと行きますし、しっかり頑張ります!」

「そりゃそうしてもらわなきゃ困るけど」

「はい」

「なら。とりあえずこのまま向かって大丈夫?」

「はい。お願いします」

お姉ちゃんに荷物だけ取りに行きたいということだけメッセージを送ると、すぐにOKの返信が返ってくる。

とりあえず適当に荷物詰めて、引っ越しする分もちょっとずつ持ち出さないとな。

元々こういうことがいつあってもいいように自分の物はあんまり増やさないようにはしてたけど。

でもル
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  • おいしい契約恋愛   293.彼のために出来ること④

    「ええ。だから正直、神城とあんな記事出されるのは迷惑なのよ」「あっ、ですよね……」「と、いっても、神城をどうこう思ってるわけでもないわ。同じ被害者みたいなもんだし。彼がどういいう人間で、どういう人生を歩んできたのか、あたしは知ってるから、あんな記事実際は気にする必要もまったくないんだけど」「そうですよね。藤代さんは昔からの社長知ってますもんね……」「そうね。彼があーいう付き合い方してきたのも、それなりの理由があるのも知っているし、彼が抱えてることもわかってるから、正直あたしも彼があんな記事を書かれてすごく腹は立てているの」「藤代さんもなんですね……」そうなんだ。藤代さんもやっぱり同じように苛立ちを抱えているんだ。そっか、慧さんはそういう何かを抱えてるのも知ってるってことなんだな。羨ましいな。藤代さんの立場なら、慧さんの辛さとか抱えてるものとか強がってることとか、もっとわかってあげられたのかな。まだまだあたしはそこまで踏み込めない時もあるから、正直そこは少し寂しく思う。まだ慧さんは、そういう自分の弱さだったり、自分の過去を必要以上に話そうとはしてくれないから。だからと言って無理に聞き出そうとも思わないけど、でも何か抱えてるものがあるなら、あたしもそれを少しでも一緒に抱えたいし、わかってあげたいと思ってしまう。だけど、きっと今はまだ慧さんはあたしのことを思って、あたしが心配するような不安になるようなことは言葉にしないから。常にあたしが笑顔でいられるような、そんな場所と時間をいつも作ってくれているから。だから、そこは少しだけ寂しい、だなんて思ってしまうのは、少し贅沢な悩みなのかもしれないけど……。「あっ、ごめんなさい! 決してそういう意味で言ったんじゃないのよ!」すると、あたしが呟いた言葉に反応して、なぜか藤代さんが謝ってくる。「え? 何がですか?」あたしは何に対して謝られたのかわからず聞き返す。「決して昔の神城を知ってることをあなたに自慢したかったわけじゃないの」「あぁ~。なんだ。はい。わかってます」少し不安そうに話しかけてくる藤代さんが、少し可愛く思えて、笑いながらそう答える。「よかった。またやらかしたのかと思ったわ」「えっ? やらかしたって?」「今までのあなたへの態度。自分では気付かないうちに失礼な態度取ってたんじゃ

  • おいしい契約恋愛   292.彼のために出来ること③

    「誘ったのは、さっきたまたま会って、いい機会だからと思ったからだけど。一度今話しておきたいと思ったのは、元々思ってたことよ」「どうして、私に……?」「あなたのとこの社長のことで、あなた落ち込んでいるんじゃないかと思って」「えっ!?」すると、まさかの藤代さんからのダイレクトなその言葉が飛んでくる。「いえ、あの、それは……」当事者でもある藤代さんからそれを尋ねられるとは思ってなくて、思わず動揺する。「フフ。図星かしら」藤代さんは余裕ある微笑みと表情で声をかけてくる。「あの……藤代さんは、大丈夫ですか……?」さすがに今回は慧さんだけじゃなく藤代さんの名前も出てたし、少なからず藤代さんにも影響はあったはず。だけど、それにしては、あたしほど落ち込んでも気にかけてもいないように見える。「えっ? あたし?  あたしなら全然大丈夫よ」「そ、そうなんですか?」そう言い放つ藤代さんが、特に嘘ついてるとも誤魔化してるとも思えず、ホントに平然と答えるその姿に、少し拍子抜けする。「フッ。こんなの気にしてたらまともに仕事なんて出来ないわ」「です、よね……」すごい。全然気にしてない感じだ……。「まぁこうやって顔出して、それなりに人に知られてる仕事してるんだから、それなりに話題にされることは元々覚悟はしてるわ」「そんなもんなんですね……」ただの一般人のあたしには到底わからないことだけど、でも藤代さんの立場にもなると、こんな風に騒がれてもそんなに気にはならないということだろうか。それとも気にしててもキリがなくて仕方がないということだろうか。どちらにしても今の藤代さんは、とても強く見える。それも別にそうしようとしてるんじゃなく、自然にそうなっている、みたいな。「こういう業界にいるとね、いい話題も悪い話題も自分が知らないところで、好き勝手に騒がれるの。そこには嘘も真実もそれぞれ存在するけど、だけどいちいちそれを否定して言い回ることも出来ないし、する必要もないと、あたしは思ってる」「悪い話題も否定せずそのままですか?」「結局どんな話題でも真実を話したとこで、それが真実と信じてもらえるかもわからないし、嘘のままにしておくことの方が時には良かったりもする」「そういうものなんでしょうか……」でも、真実を話さずに、誤解されたままなんて、少し悲しいな……。

  • おいしい契約恋愛   291.彼のために出来ること②

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  • おいしい契約恋愛   290.彼のために出来ること①

    それから数日後。慧さんがシンガポールへ移動した頃。また慧さんの新たな報道が持ち上がった。しかもまた熱愛記事。もちろん、今度もあたしが相手ではない。今度の相手は、藤代さんだった――。どこでどう二人の関係が漏れたのかはわからないけど、二人が昔恋人関係であることが、今度は取りざたされていて。尚且つ、その前に報道された美山さんとの三角関係かと、更に白熱した記事になっている。その記事も話題にしたいからなのか、少し悪意を感じる記事で、美山さんの時は、慧さんとあたしの気持ちがちゃんとしていたら大丈夫だと思っていたのに、今回は少し自分の気持ちが乱されているのもわかる。多分その記事の内容について、それに便乗した女性がいる。それはあたしと付き合う前に、慧さんがお酒を飲んだ時に、酔っぱらってそれなりに仲になっていた女性の人たち。それが数人。記事の内容からして、きっと慧さんに本気になってもらえなかったこと、相手にしてもらえなかったこと、その口約束を守ってくれなくて付き合いもできなかったこと、そんな昔慧さんのしてきてしまったことが、ここに来て全部明るみに出てしまったのだ。きっと美山さんが報道されて、今まで関係してきた数々の女性が悔しくなってきたのだろう。ここに来て、そんな報道に乗っかって、そんな暴露するなんてありえない。そんなのずるい。きっと少なからず慧さんはその女性たちを傷つけることはしていない。でも、あたしが出会う前の慧さんは女性に対してどんな慧さんだったのかは、正直わからない。だからそうあたしが思ってても、ホントはその女性たちはそれぞれ何かしら傷ついてることがあるのかもしれない。好意を持った相手に、それなりに気持ちを返してもらえて、だけど最終的には酔っぱらった故の言動だったと説明したところで、やっぱり納得出来る人は少ないのかもしれない。あたしが慧さんとこんな風に始まったのも、そのやり取りは続いていたし、実際あたしがあの彼女役をやっていない時は、どんな風に慧さんがそれを終わらせたのかもわからない。だから、ただその想いを受け止めてもらえなかっただけでも、その女性たちは傷ついてしまっているかもしれない。だけど……、それで慧さんを陥れるようなことをするのは違うと思う。こんな状況になって、初めて昔の慧さんを知らないことが悲しくなる。悔しくなる。も

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    「ありがとうございます」『ん? 何が?』「電話、かけてきてくれて。慧さんの言葉を、声を、届けてくれて」だから、今あたしはその嬉しさを伝えるだけ。『オレが依那の声が聞きたくて、話したかったから』「嬉しいです。これで慧さん帰ってくるまで、また頑張れます」『オレも。依那と出会ってから、依那が当たり前にいてくれてたから。やっぱ長く離れるとオレも頑張れる力出ないみたい』「ホントですか?」『もちろん。依那がそばにいてくれて、メシ作ってくれて、ずっとオレを気にかけて支えてくれたことで、オレは日々頑張れてたんだなぁって、離れてまた初めて実感した』あたし自身が望んでしてくれることを、慧さんはそうやって感じてくれるなんて……。だけど、きっとそこには、あたしが慧さんを大好きで、その想いと共に存在してるのは確かだから。だから、あたしのその想いが、慧さんに届いてるのだとわかって、また嬉しくなる。「あたしの当たり前が、慧さんにとっての当たり前になってくれて嬉しいです」『そうだな。オレにとって依那はもう当たり前にいる存在だから。だからこそ、オレにとって、それだけ依那が大切な存在なんだってことだからわかっておいて』「はい」きっとその当たり前はマイナスの意味じゃなく、プラスの意味なんだと慧さんは伝えてくれているように感じた。いつか当たり前は慣れて飽きてしまう時がくる。だけど、あたしも慧さんとは、その当たり前がそういう意味じゃなく、いて当たり前の幸せを、ずっと感じ合える関係でいたい。当たり前だからこそその幸せにまた幸せを感じられたり、もっとその幸せが増えたり、大切に感じたり、そういう当たり前を、あたしは慧さんと作っていきたい。だからこそ、慧さんに好きでいてもらえる努力はし続けなければいけないし、好きだというその気持ちを、ちゃんと慧さんに伝えていかなければいけない。「慧さん。大好きです」だから、遠く離れている時だからこそ、会えない日々が続くからこそ、この言葉を伝えよう。不安だとか、寂しいだとか、そういう気持ちも全部ひっくるめて、結局その気持ちが一番大事だから。『ん。オレも』自分の想いをなかなか言葉にしない慧さんが、ここまで伝えてくれるだけで十分。あたしのその想いに対して、そうやって返してくれるだけで、ちゃんと届いてるのだと感じられる。そして、その言葉

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    『それ以外は?』「えっ?」『なんか不安だったり伝えておきたいことある?』「えっ……!?」慧さんからそう言われ、一瞬美山さんとの記事や、さっきのやり取りを思い出す。だけど、慧さんのこの言葉がそれを指してるのかはわからない。そもそも海外で忙しくしている慧さんが、今そんな情報を知ってるのかもわからない。でも、情報通の慧さんだから、もしかしたらもうすでにそれも知っているのかもしれない。だから、もしかしたら、あたしが不安で寂しくなったタイミングで、電話をかけてきてくれたのは、それを気にかけてなのかもしれない。だけど、もしかしたら、本当に同じタイミングで、あたしが慧さんを思い出して恋しくなってたのと同じように、慧さんもそう感じて、ただ電話をくれただけなのかもしれない。「いえ。大丈夫ですよ。慧さんは、お仕事頑張ってください」今慧さんが何を思って、何を知って、何を感じているかはわからない。だけど、今あたしが不安を伝えたところで、慧さんは出張中でどうにか出来るわけでもない。結局はその場しのぎの言葉になるかもしれない。だから、やっぱり今それを慧さんに伝えることはしないでおいた。『うん。ありがとう。依那の声聞けて、依那と話せてまた頑張れそう』「あたしもです。慧さんちょっと恋しくなってたんで、こうやって話せて嬉しかったです」だけど、恋しかったその気持ちは、伝えたくなった。それくらいは大丈夫だよね?だって、どんな時だって、あたしは慧さんをずっと恋しく想ってるのは確かだから。『ん? ちょっと……?』「え?」『ちょっとしか恋しくなってなかったってこと?』すると、電話越しから、慧さんの少し嬉しい意地悪な言葉が返ってくる。「あっ! いえ! めちゃめちゃ恋しいです! めちゃめちゃ慧さんに会いたいです!」そして、そんな慧さんにまんまと流されて、勢いよくあたしはその想いを伝えてしまう。『ハハ。よかった。出張で離れてる間に、オレへの気持ちも離れていってるのかと思った』「えっ!? そんなことあるはずないじゃないですか! 逆にこの会えない時間で慧さんの想いも強くなってます!」『なら安心した』やっぱり今日の電話での慧さんは、いつもと違う言葉をあたしにくれる。ほんの少しかもしれないけど、慧さんがこんな後ろ向きな言葉をあたしに対して、こんな言葉を伝えるのは

  • おいしい契約恋愛   220.想いが溢れる夜⑩

    しばらくそうしていたら。「どした……?」と、背中越しに慧さんの声が聞こえる。「え? 起き……て、たんですか……?」「こんなん寝れねぇだろ」「あっ、すいません! つい……!」思わずピッタリとくっついてたのを、慧さんにそう言われてすぐに離れる。すると、慧さんがクルッとこっちを向く。うわっ……こっち向いたら近い……。「依那。もうちょっと真ん中行って?」「あっ、はい……」あたしは、渋々慧さんのいる反対の端まで移動していく。「行き過ぎ」「え?」「真ん中って言ったろ」そう言って端の方へ行こうとしたあたしの手をぐいっと引っ張ったかと思えば、そのまま身体ごと引き寄せられ、今度は

    last updateآخر تحديث : 2026-04-04
  • おいしい契約恋愛   215.想いが溢れる夜⑤

    「はい。撮れた」「え!? 今!?」「ん。ホラ」「は? ちょっと、めっちゃブサイクじゃないですか!」「いや。大丈夫(笑) 可愛い可愛い(笑) フフッ」「いやいや、笑ってるからー!」「気にすんな(笑)」「気にしますって~! もう~!」「わかったわかった(笑) ちゃんと撮るから、もっかい立って(笑)」「絶対ですよ?」「うん(笑)」「ちょっと笑ってるし(笑)」「大丈夫(笑) はい、ホントにちゃんと撮るから」「お願いします」「ん」そして改めて気を取り直してポーズを撮る。「はい。これでど?」「あっ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」写真を確認して、ようやくちゃ

    last updateآخر تحديث : 2026-04-04
  • おいしい契約恋愛   211.想いが溢れる夜①

    それから近くに停めてあるからと社長の車へ二人移動してきた。「今日車で来られてたんですね」「あぁ。ここ以外にもいろいろ動く予定あったから車のが移動しやすかったし」「そうなんですね。でも、もっと混んでるのかと想ったらそうでもないんですね」「あぁ~。ここちょっと離れたし、皆帰るの逆方向だからこっち来るとそこまで混んでないんだ。まぁ少し歩かせて悪かったけど」「いえ。その間また慧さんにくっついて十分恋人時間堪能出来たので満足です♪」「それは確かに」「はい」「ん。お待たせ」「ありがとうございます」それから車に乗り込んだあとは、いきなり泊まりだと大変だろうと、ホテルまでにある遅くまでや

    last updateآخر تحديث : 2026-04-03
  • おいしい契約恋愛   206.幸せな夏の想い出⑫

    「はい。こんなとこで偶然会えるなんて、ホント奇跡みたいですね」「奇跡?」「はい。こんないつもと離れた場所に偶然お互いいて、こんなたくさんの人の中で会えたんですよ? 奇跡以外なくないですか?」「まぁな」「でも。その奇跡にも、ちゃんと意味があるのかも」「意味って?」「社長は仕事でたまたまここに来て。あたしはルイルイ応援する為にここに来た。お互い違う目的で来てるはずなのに、今はこうやって二人でいれる。それってすごい確率だと思いません?」「まぁ確かに」「それにお互い元々大切にしているモノを選んでいても、こうやって今二人で過ごせているこの時間と場所に繋がっていくとか、運命としか思えない

    last updateآخر تحديث : 2026-04-03
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