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307.社長の過去と真実⑩

Author: Aica
last update publish date: 2026-06-03 00:01:02

「最初は怖かったんだ」

そして、慧さんが静かにそんなことを呟く。

「え、怖いって……?」

「依那がオレを好きだと言ってくれた時。ホントは好きになるのが」

「そう、だったんですか……?」

「最初は依那がオレを好きでいてくれるほど、同じように気持ちを返せるかもわからなかった。だから、最初は依那と恋愛を始めることに躊躇したんだ」

「確かに……。最初はなかなか頷いてくれませんでしたもんね」

あの時、なんとなくそんな気はしていた。

慧さんの中で、何かが引っかかって、恋愛に前向きじゃないということ。

だから、あたしも同じだけ返してもらえるなんて思ってなかった。

別に同じじゃなくていいと思っていた。

あたしが好きという気持ちを受け止めてくれれば。

その中で少しくらいは情が湧いてくれればいいな、なんて、最初はホントにそれくらいの気持ちだった。

だって、明らかにあたしが慧さんに感じる〔好き〕と、慧さんがあたしに感じる〔好き〕は同じ重さにならないのはわかっていたから。

ただ、あたしが慧さんを好きでいたかった。

慧さんを好きなあたしで、ずっとそばにいたかった。

「だけど、依那が必死に頑張ってくれたから。そ
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  • おいしい契約恋愛   135.好きと言われる方法③

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  • おいしい契約恋愛   128.親友への報告⑤

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