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7.社長と秘密の始まり②

Author: Aica
last update Last Updated: 2025-08-05 23:35:59

あたしは仕事が終わると、楽しみと共に最優先していることが2つある。

ルイルイの推し活とあと1つはうちの会社がプロデュースしたお店に勉強しに行くことだ。

うちの会社はいろんなカフェやレストランをプロデュースして人気店にしていて、あたしが入社する前から今まで、もう数えきれないくらいのお店を手掛けている。

いつか自分が理想とするお店をプロデュースしたいという夢のために時間があればそのお店を1つずつ回っていて。

お店のコンセプトだったり料理だったりインテリアだったり、いろんなことを自分の目で足で確かめてその日までにリサーチして備えている。

今日の夜はルイルイの推し活の予定もないし、前から気になっていたレストランに行こっかな。

そう思って仕事が終わり次第、早速予定していたレストランへ向かいお店に入ると。

「すいません今ちょうどいっぱいで。10分くらい待っていただければご案内出来ると思うのですが」

すでにお客さんがいっぱいらしく入口で店員さんにそう伝えられる。

「10分か……」

「もしよろしければこちらの椅子で少しお待ちいただけましたら」

「じゃあ、少し待ってます」

「かしこまりました」

そう言われその椅子で待つことにする。

そっか。ここ人気店だったの忘れてたな。

予約するべきだったか。

でもいつもの感じでその時思い立ったお店に行きたいのが基本だしな。

仕方ない。

まぁ中で待てるし、その間にこの場所からお店の雰囲気チェックしとくか。

人気店だと、こういう待機場所も待ちやすくなってるから有難いよな。

あたしも自分でプロデュースするなら、こういうとこからこだわりたいな。

うちの会社そういう意味ではいろんな人がいろんなお店プロデュースしてるから、やれることもこだわりだしたらいくらでもいろんなこと出来るんだよな。

料理だけプロデュースしてるお店もあるし最初からお店の内装から決めてるお店もある。

担当する人たちがどれだけのプロデュース力(りょく)があるかにもよるんだろうけど、あたしもいつか1からこだわって全部プロデュース出来るようになりたいな。

そう思いながらお店の中をマジマジと見てると……。

「いらっしゃいませ」

また後ろから誰かがお店に入ってくる。

「お待ちしておりました」

名前名乗らなくてもそんな風に言ってもらうなんて常連さんなのかな。

「お連れ様、先に来られてま
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