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第109話

作者: 霜晨月
last update 公開日: 2026-03-06 17:47:21

驚月は凍てつくような眼差しを阮棠に向けた。長い沈黙が落ちた後、怒りの極致ゆえか、ふと口元に冷ややかな笑みを浮かべる。

「阮棠殿。あまり独り善がりな振る舞いはなさらぬ方が身のためだぞ」

「独り善がりだと?」阮棠は怪訝そうに聞き返した。

「違う?」沈驚月は平然と扇をゆったりとあおいだ。「去年の大雪で、そちらでは何人の凍死者が出たのでしょう」

その言葉は、鈍ら刀で抉られるような痛みとなって阮棠の胸に突き刺さった。

「それに、今年の干ばつだ。兵糧庫などとうに底をついているはず。だからこそ危険を冒し、官糧を強奪するなどという暴挙に出た」

阮棠が奥歯を噛み締め、押し黙るのを見て、沈驚月は確信した。急所を突いたのだ。

「答えてみよ。休戦と帰順、どちらが清河寨の益となり、どちらがお前の部下たちを生き長らえさ

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  • この男、毒花の如く   第53話

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