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第495話

Author: ルーシー
玲奈は自分の車の前まで戻ると、数秒だけ考え込み、歯を食いしばって乗り込んだ。

ハンドルを握った両手に力がこもり、瞳の冷たさは人を凍らせそうだった。

次の瞬間、玲奈は決めた。

そしてアクセルを踏み込んだ。

彼女は何もかも振り切るように、智也の車めがけて突っ込んでいった。

歯を食いしばって目を閉じる。

結果がどうなろうと構わない――最悪、死ぬだけだ。

何が起きてもいい。

少なくとも今この瞬間だけは、後悔する余地を自分に与えたくなかった。

だからアクセルは深く、重く踏み込んだ。

エンジンの轟音を聞きながらも、玲奈の心は不思議なほど波立たず、静まり返っていた。

一方で智也は、運転席に座ったところで、玲奈がアクセルを踏み、こちらへ突っ込んでくるのを目にした。

距離がみるみる詰まっていくのに、彼は逃げようとしない。

賭けていたのだ。

玲奈にはぶつける度胸なんてない。

自分に危害が及ぶことを、彼女は耐えられない――そう信じて。

智也は片手でハンドルを握り、同じように目を閉じた。

後部座席に取り残された沙羅は、二人が命懸けで張り合う光景に、全身が不安でこわばった。

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