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第6話

Author: パントーロ
星奈と隆成が出会ったのは、まさに偶然が重なった結果だった。

星奈がこの街に来たばかりの頃、いくつも物件を見て回った末に、最終的に選んだのが隆成の母の家だった。

入居したその日、隆成の母は突然倒れ、意識を失った。

星奈がすぐに気づいて病院に運んだおかげで、命は助かった。

手術は成功したものの、体には後遺症が残り、長期の介護が必要になった。

ちょうど星奈も仕事が決まっていなかったことから、隆成と母親に頼まれて、介護の仕事を引き受けることにした。

だが、隆成の母は一年後、重い病に勝てずこの世を去った。

そして、隆成は母の遺言に従い、星奈と結婚した。

それから、五年。

当時は情熱だけで突っ走っていた星奈も、いつかきっと隆成が本心を見せてくれる日が来ると信じて、ずっと頑張ってきた。

けれど、五年が過ぎた今、星奈はもう、すっかり疲れ果てていた。

これ以上、頑張る気力も残っていない。

星奈はゆっくりとスーツケースを引いて別荘に戻り、電話をかけた。

「美智子(みちこ)さん、部屋を一つ探してほしいの。広くなくていい、一人で住めれば十分。できれば一か月後に入居できる物件でお願い」

電話の向こうで神田美智子(かんだ みちこ)が戸惑いの声を上げる。

「部屋を借りる?星奈、あなた手持ちの物件が何件か売りに出ているでしょ。なんでわざわざ借りる必要があるの?」

美智子は、数年前に星奈が最初に家を見つけたときの不動産屋さんだ。

今でも星奈が所有している物件の管理を任せていて、この街で数少ない信頼できる友人の一人でもある。

「もし住むところがなかったら、前に安藤おばさんが住んでいた家を使ってもいいのよ。静かで環境もいいし、会社にも近いし……」

美智子の提案に、星奈は首を振った。

もう、隆成や安藤家と関わる場所にはいたくない。

「美智子さん、他の場所でお願い!」

星奈の声は落ち着いていたが、その奥には揺るがぬ決意が込められていた。

電話の向こうで、美智子は星奈の気持ちを察したのか、深くため息をつくだけだった。

そのとき、不意に背後から隆成の声が聞こえた。

「星奈、誰と話してるんだ?」

星奈は一瞬体を強張らせ、慌てて電話を切った。

何事もなかったように、隆成の方を振り向く。

「久しぶりに美智子さんと話してたの。今週末、一緒に買い物に行く約束をしてて」

星奈の返事は、半分は本当で半分は嘘だった。

隆成は眉をひそめる。

美智子が星奈の数少ない友人であることは知っているが、星奈が人と出かけることはめったにない。

「どうして急に買い物なんて?」

隆成は上着を脱ぎ、ソファに座って動かない星奈の様子をじっと見ていた。

以前は、帰宅すれば星奈が真っ先に出迎え、上着を受け取ってハンガーにかけてくれていた。

最近は、その気遣いすらなくなってしまった。

そんな変化が、隆成を不安にさせる。

「お前はもともと、買い物が好きじゃなかったろう?」

星奈はスマホをいじりながら、低い声で答える。

「さっき服を全部寄付しちゃったの。急に天気も変わったし、何枚か新しい服を買いたいだけ。ついでに美智子さんとも久しぶりに会おうと思って」

隆成は、星奈の言葉の端々に違和感を覚えながらも、決定的な証拠を見つけることができない。

「今週末、俺も一緒に行こうか?久しぶりに買い物でも付き合いたいし」

星奈はようやく顔を上げ、どこか警戒するような視線を送る。

しばらくしてから、少し突き放すように口を開いた。

「仕事が忙しいんだから無理しないで。これだけ大きな会社を一人で支えてるんだから、みんなあなたの指示を待ってるんでしょ」

かつて隆成がよく使っていた「忙しいから」という断り文句を、いまは星奈が皮肉を込めて口にした。

それを聞いた隆成は、どこか安心したように星奈の肩を抱き寄せた。

「まだ怒ってるのか?

最近は本当に忙しくて、お前のことを後回しにしてしまった。今度の週末は、必ず一緒に過ごす」

けれど、星奈の伏せた瞳の奥には、かすかな失望が浮かんでいた。

心の中で、そっとつぶやく。

――もうすぐ。

もうすぐ、あなたのもとから離れられる。
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