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第2章・第11話:腱を狙う殺し屋と、再生と破壊を同時に強いられる人狼

Autor: 銀狐
last update Fecha de publicación: 2026-06-07 07:08:20

 満月は、雲ひとつない夜空の真ん中で、異様なほど大きく、白く光っていた。

 湾の水面に、その光が長く伸びる。波が揺れるたびに、光もまた揺れた。

 港の倉庫街は、ひどく静かだった。

 昼間の喧騒が嘘のように、トラックもフォークリフトも姿を消している。代わりに、どこか遠くで鳴る船のエンジン音と、風に擦れる鉄骨の軋みだけが、世界に残されていた。

 カミヤは、指定された倉庫の前に立っていた。

 満月の光が、彼の黒い髪を淡く縁取る。

(……嫌な夜だ)

 胸の奥で、獣が吠えるような感覚が広がっていた。

 満月の夜は、力が増す。超人的な身体能力も、再生力も、影の支配力も、全てが底上げされる。

 その代わり、制御が難しくなる。

 ほんの少し気を抜けば、「人」としての理性より、「獣」としての本能が勝ってしまう。

(だからこそ、油断できねえ)

 足元で、影が揺れた。

『主人』

 クロの声が、いつもよりも濃く

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