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第3章・第17話:胸ポケットの「大好き」

Author: 銀狐
last update Petsa ng paglalathala: 2026-06-27 14:15:52

 数日後。

 次の町へ向かう国道を、

 ボロい原付が一台、走っていた。

 六月の陽射しは容赦なく、

 アスファルトが蜃気楼みたいに揺れている。

 路肩の雑草だけが、

 やたらと元気だった。

 カミヤは、

 片手でハンドルを握り、

 もう片方の手で煙草を探った。

 ポケットの中に、

 指先が見慣れないものに触れる。

 柔らかい。

 布だ。

 煙草じゃない。

 汐風町を出てすぐのコンビニで、

 荷物を整理していたときには気づかなかった。

 財布とタオルに挟まれるようにして、

 そいつはひっそりと潜んでいた。

 原付を路肩に停める。

 エンジンを切ると、

 蝉の声だけが世界を埋めた。

 取り出したのは、

 小さな布袋。

「汐風神社」と刺繍された、

 白地に水色の糸のお
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