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第37話

Author: ラクオン
秋と冬は病気が多発する季節。梨花は三日連続で診察に入っていたが、ようやく追加診察の患者も落ち着いてきた。

「梨花先生、本当にありがとう。毎回、私の追加診察を受けてくれて......」

今日の午後は診察がなかったため、梨花は門診で患者に針を打っていた。鍼治療を受けながら、診療ベッドに横たわった患者が感謝の言葉を口にする。

五十歳近い女性。梨花の古くからの患者で、重い腎疾患を抱えていた。

家庭環境も良くなく、中年で息子を亡くし、夫はどうしようもないろくでなし。

彼女が医館に来る日は、まだ陽も昇らぬうちから家を出て、郊外からバスを二回、地下鉄を三回乗り継いでやって来る。

たぶん医者としての慈悲心、あるいはそれ以上に私的な感情からか。梨花の胸はどこか柔らかくなり、優しく笑って返す。

「なんでお礼なんかするんですか。皆さんちゃんとお金を払って治療を受けに来てくださってるんです。私はきちんと診るだけ、当たり前のことですよ」

「でもね、受付の方がさっき教えてくれたの」

女性は目尻を拭いながら、ぽつりと続けた。

「私の薬代、いつも先生が自腹で割引してくれてたって。鍼灸の費用も一度だって請求されたことがない......」

梨花の心がふと揺れる。だが、鍼を打つその手には一切の迷いがなかった。

十数本の鍼が正確に経穴へと刺さっていく。

少し黙ったのち、彼女は淡く笑いながら言った。

「もし母が生きてたら、きっとあなたと同じくらいの年齢だったと思います」

その言葉を最後に、感情を抑え込みながら言い添えた。

「何かあればベルを押してください。三十分後に戻って、鍼を抜きますから」

仕事が終わったのは午後三時近く。

梨花は空腹に耐えきれず、近くのラーメン屋で軽く食事を取り、途中で綾香に電話をかけた。

綾香が弁護士として忙しくしていると聞き、彼女は家に早く戻る気も起きず、果物を買って綾乃の家を訪ねることにした。

まさか、優真も家にいるとは思わなかった。

夫婦二人共梨花が来るととても喜んだ。

「今日は診察日じゃなかったのかい?看護師のチャットグループで見たよ、すごく忙しかったんだろ?疲れてるのに、なんでまたこんな年寄りのところに来るんだ」

「今日は主に、綾乃さんに会いに来たんです」

梨花は果物を置きながら、綾乃の腕にそっと絡んで微笑んだ。

「綾乃さんに
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