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第498話

Autor: ラクオン
「い、いえ、気になんてしてません」

梨花はとっさに、役柄の切り替えが追いつかない。

自分の患者が、突然、竜也の祖母になったのだ。

智子はほっとしたように息をつくと、竜也を睨みつけた。

「いつまで梨花ちゃんの手を握ってるつもりなの? ご飯が食べられないじゃないか」

「はいはい」

竜也は苦笑して、ようやく梨花の手を放した。

「さあ、食べて。ばあちゃんの料理は美味いぞ、お前の好きな味だろ」

「……」

梨花はふと思い出した。

以前から、竜也の家で食べる料理の味が、なぜか智子の作る味と似ていると思っていたのだ。

元々、智子が作っていたからだったのか。

あの日の朝の味噌汁も。

彼は確か、自分で作ったなんて言っていたはずだ。

彼女の恨めしげな視線に気づいた竜也は、口の端を吊り上げた。

「何か文句あるのか?」

「……」

彼の祖母が目の前に座っているのだ。文句など言えるはずがない。

ところが、智子は彼を庇うどころか、火に油を注ぐように言った。

「梨花ちゃん、言いたいことがあるなら遠慮なく言いなさい。うちじゃ孫より孫嫁の方が偉いんだからね」

あまりにストレートな物言いに、梨花は照れくさそうにうつむいた。

竜也は声を上げて笑った。

「大奥様のお墨付きだ。さあ、言ってみろ。文句を」

「文句なんかないわ」

智子という後ろ盾を得て、梨花も強気になった。

彼を横目で睨み、単刀直入に尋ねる。

「私が智子おばあちゃんと知り合いだってこと、最初から知ってたんでしょ?」

竜也は肯定も否定もせず、ただ頷いた。

「ああ」

なんて食えない男。

梨花は追及する。

「いつ知ったの?」

「M国に出張する前だ」

竜也は自白すれば減刑とばかりに、洗いざらい白状した。

「出張の前夜、お前が俺に、ばあちゃんの手料理を作ってくれただろ? 覚えてないか?」

梨花には覚えている。

確かに、手料理を作ってあげただけでなく、智子のことについても彼に話した記憶がある。

つまり、彼はその時からすべてお見通しだったわけだ。

何も知らなかったのは自分だけ。いや、智子おばあちゃんもだ。

今度は梨花が罵るまでもなく、智子が口を開いた。

「このバカ!知ってるなら、どうして私に一言言わないのよ?」

……

食事の間中、竜也は二人から挟み撃ちにされているが、その表情はど
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