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第十話胸騒ぎ

last update publish date: 2026-08-31 08:43:58

第十話胸騒ぎ

橘さんたちに修学旅行で"彩那は私の恋人"であることを示さなければならないのに、自信がない。

彩那は顔を赤らめた後、ハグをして

「愛海が何をしようとしてるのか予想はつくから言うけど、どんなことがあっても私は愛海のことがずっと好きで恋人も愛海しかありえないから安心してね」

行動と言動で私を安心させてくれた。

そんな簡単に安心出来てしまう内心『私ってチョロ過ぎるなぁ』と思ってしまった。

彩那に私は正直に話した。

帰宅後彩那とどうしたら示せるかの内容を含め修学旅行のことを電話で話し合いながら準備をした。

修学旅行当日

バスで隣になったのは、同じクラスだけど全く話したことのない宮野賢人(みやのけんと)くんだ。

ちなみに班別活動で同じ班だ。

どうしよう男の子と何を話せば良いのか分からない。

話さないと空気が悪くなっちゃうよね。

「うぅ、彩那助けてぇ」

漏れた私の言葉を聞いた宮野くんが話しかけてきた。

「そういえば白本さんって黒瀬さんと仲良いよね」

「宮野くんにも、そう見える?」

「見えるよ。……なあ穂乃果もそう思うだろ?」

宮野くんは後ろの席にいる橘さんに話しかけた。

「えっ、わっ、私!? そりゃあ見えるよ、羨ましいぐらいにね」

突然話しかけられた橘さんは焦って答えていた。

橘さんのことを知ろうともせず、認めてもらおうとばかり考えてた。

まずは相手を知らなきゃいけないのに。

そう思った私は宮野くんに橘さんのことを聞いた。

教えてもらったのは

*橘さんはこうと決めたらなかなか曲げないこと。

*負けず嫌いであること。

*負けを認める時無意識に左目を二回閉じていること。

*橘さんと宮野くんが幼馴染であること。

その後も橘さんの話をしている宮野くんを見た橘さんは『もう……賢人のやつ』と呆れていた。

最終的に宮野くんの話に橘さんが割って入り、班別活動で何を買うかの話になっていた。

橘さんは"何事にも恐れず挑戦し決して諦めない彩那"に憧れたと宮野くんに言っていた。

その言葉を聞いて私は嬉しく思ったのと同時に、怖くなった。

ありえないことぐらい分かっている、だけどもし橘さんのことを彩那が好きになったらって考えたらやっぱり怖い。

一日目の目的地である初芽野商店街(はつがのしょうてんがい)に着いた。

すぐさま彩那に話しかけた。

「彩那、この後二人で回ろう、お願い」

「……愛海、うん良いよ。……手繋ご(穂乃果ちゃんのことを私が好きになったらって不安になってそう。私が愛海以外を好きになるなんてありえないのに)」

私たちは班別活動までは先生とガイドさんが引率をしてくれた。

楽しみにしていた修学旅行……なのに、胸がザワザワして説明が頭に入ってこない。

その後の班別活動までの自由時間を彩那と二人でまわることにした。

この修学旅行で落ち着かせて楽しむ。

その上で、橘さんたちに認めてもらうだけじゃなく、自分のことも認められるようになる。

私はそう決意し、彩那と回り始めた。

背後に橘さんと他の親衛隊の人たちがいることを理解している。

「愛海何か欲しいものある? 安心して私は愛海と一緒だから……穂乃果ちゃんたちに言ってこようか?」

「お願いしたいけど、そうしたら……」

「愛海が楽しめないのは、私が嫌なの、言ってくるから待ってて」

「私が……言うから、隣にいて彩那」

私がそういうと彩那が手を握って

「安心して愛海」と言ってくれた。

「橘さん、ちょっと話いい?」

私はどうにか橘さんたちを説得し二人にしてもらえるようにお願いしている時、見てしまった。

「彩那、父さんがいる、どうしよう!!」

「……行くよ愛海!! 穂乃果ちゃん、私たちを隠して!!」

私の怯え具合を見たからなのか、ただ彩那のお願いを聞いたからなのか、橘さんたちはすぐに私たちを隠してくれた。

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