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第630話

Auteur: 木憐青
二名の警備員がすぐさま前に出て、左右から静雄の母の腕を取り、そのまま強引に会議室の外へと引きずり出した。

「深雪!絶対に許さないからね!」

甲高い叫び声が、廊下にいつまでも響き渡った。

会議室には、再び静けさが戻った。

深雪は出席者を見渡し、淡々と告げた。

「それでは、採決に入ります。

私が松原商事の取締役会長に就任することに賛成の方は、挙手をお願いします」

一斉に腕が上がった。

圧倒的多数で、可決。

大介は顔面蒼白となり、震える声で読み上げた。

「採決の結果......深雪様が......正式に、松原商事の新会長に就任されます......」

静雄は完全に実権を失い、名目上の社長職と配当権だけを残す形となった。

会議が終わると、取締役たちは次々と深雪のもとへ集まり、祝意を述べ始めた。

「深雪社長、おめでとうございます」

ある取締役が真っ先に歩み寄り、満面の笑みで手を差し出した。

「ええ、若くして有能。深雪社長のご指導のもと、松原商事は必ずさらに発展するでしょう」

別の取締役も続いた。

「今後、我々にできることがあれば、何なりとお申し付けください」

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