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背負いすぎた代償

作者: ふりっぷ
last update publish date: 2026-08-09 07:46:43
 ロンデル公国は、静寂を取り戻していた。

 それは、泣き声すら、もう尽きてしまった後の沈黙だった。

 焼け落ちた城壁、崩れた街路、煤に染まった石畳。

 瓦礫の隙間には、未だ回収しきれぬ遺品が埋もれている。

 風が吹くたび、灰が舞った。

 ヒマリは、一人で歩いてく。

 誰も声を掛けられなかった。

 護衛兵も、側近も、ただ沈黙のまま彼女の背を見守る。

 王が今、何を見ているのか。

 誰も、想像したくなかった。

 瓦礫の陰から、小さな影が顔を出す。

 幼い少女だった。

 痩せ細った腕。汚れた頬。

 けれど、その目だけは――ヒマリを見ていた。

 ゆっくりと頭を下げる。

 助けに来てくれた人を見る目だった。

 ヒマリの胸が、痛む。

(……間に合わなかった)

 何度目か分からない言葉が、心の底に沈んでいく。

 クルスは言っていた。

 王都防衛とロンデル救援の両立は不可能だと。

 だから王都を守れ、と。

 ヒマリも理解していた。

 理解した上で、選んだ。

 ――王都を。

 その結果が、これだ。

「……私の、判断ミスだ」

 誰にも聞こえない声が、灰の中へ落ちた。

 王である以上、誰
ふりっぷ

ヒマリが倒れます。 彼女が倒れても、世界は止まりません。 今回は、フェルマーの話です。

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