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13.リーザ、ついに皇帝と遭遇。

last update Last Updated: 2025-11-13 12:08:18

「そもそも、私はあなたの医師としての資質を疑っています。昨日、19時35分、学校の裏で男性と歩いていた時は指輪を外していたのに、検診時はなぜ指輪をしていたのですか?」

ダンテの言葉に私は思わず女医の指を見たら、確かに結婚指輪をしている。

「本来なら生徒の体に触れる検診時に指輪を外すべきです。手袋もせず、指輪をした手で触れるなんて、指輪の側面に菌がついていたらどうするのですか?手洗いで側面の菌まで落とせる証拠を提出してください」

私はいつものようにダンテの会話が終わるのを待った。

彼の会話を止めたところで、今度はなぜ会話を止めたのかという話になる。

それは学校の先生も分かっているのだろう、いつも悩まされる質問攻撃の矛先が他人に向いていることを楽しんでそうにも見える。

だったら、私を呼び出す必要なんてなかった気もするがダンテのお喋りを聞くのは幸せだ。

彼が生まれた時の感動から4年待ってやっと聴けた彼のお喋りだ。

レオが学校に入学してしばらくするとダンテが会話し始めた。

言葉を発する前の方がトラブルも少なかったのではないかというくらい弁がたった。

どんなにトラブルがあっても、レオが入学してから呼び出されたことはなかった。

レオというエスパルの幹部候補がいることで、先生方も保護者も私に最大限の気を遣うようになっていたからだ。

ダンテは美人教師の授業しか受けなかったが、その教師の時は彼女がノイローゼになるくらい質問攻めにしていたらしい。

今日の女医さんも美人だから、ダンテは構いたいのだろう。

男の医師なら検診など受けず、学校を脱出しているはずだ。

「あなたと昨夜いた男性を知っています。彼と指輪の装着の有無の関係性を説明してください」

ダンテが言った言葉に、女医が身分証を叩きつけてでてってしまった。

思わず身分証の原本を叩きつけてしまうくらい言われたくなかったことがあったのだろうか。

「この度の検診は国からの強制でしたが、現政権において国から補助が出ているとは思えません。毎月の校納金から検診費が支出されているという解釈でよろしいでしょうか?」

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