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第615話

Author: 落流蛍
賀茂家全員が、華恋が新しい命をもたらし、家に新しい血を注いでくれることを心待ちにしていた。

だからこそ、村上は一生懸命に子供部屋を整えたのだ。

それなのに、時也様が解体しろと言うなんて、あまりにも......軽率ではないか?

今は使わなくても、いずれ必要になる部屋なのに。

「時也様......」

「解体しろと言っただろう!」時也の顔色はすでにかなり険しかった。

我に返った華恋は、そっと笑みを浮かべて時也に言った。

「解体しなくていいわ、村上さん、これあなたが作ったの?」

「はい」村上は時也を直視できず、華恋の質問におずおずと答えた。

「若奥様、もしかして......嫌いなんですか?

もしそうなら、すぐにでも直しますから」

時也に怒鳴られたことで、村上は華恋が最初に言ったことをすっかり忘れていた。

「そんなことないわ。すごく好きよ」華恋は穏やかに微笑んだ。

そして再び時也の方を向き、小声で優しく言った。

「本当に好きよ、嘘じゃない」

その言葉を聞いて、時也のこわばっていた顔が少し和らいだ。

「先に下がってて」

村上はまだ状況がよく分かっていないようだった
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