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第55話 新宿ダンジョン⑨

Author: 結城らい
last update Last Updated: 2025-12-24 18:01:54

 俺は身構えた。親父の口から、ようやく、あの時の真実が語られようとしている。

 いったい、どんな理由で、俺やノコや母さんを見捨てて行ったのか。

 続けて、親父が語り始めようとした、その時だった。

「見つけたぞ、小僧! わらわを愚弄しおって!」

 下のフロアから床を突き破って、イワナガヒメがここ最上階へと飛び込んできた。

「ニャ! 大変だよ、ご主人様、姫様が帰ってきたニャ!」

 マキアはそう言って、ナーシャの上からどくと、ゲンノウのそばへと駆け寄った。

 大変? いま、あの化け猫、大変とか言ったか? それはどういう意味だ? ゲンノウはイワナガヒメと手を組んでいるんじゃなかったのか?

「ふん、ゲンノウ、うぬもおったか。わらわを追い出しおって」

「イワナガヒメよ。もうお前に興味はない、と言ったはずだ」

「この地に来るなり、言いおったな」

「だからこそ、わざわざ二つの塔を建てて、私とお前で、別々の拠点を構えるようにはからったのだ。大人しく向こう側の塔に戻っていれば良いものを、どうして私の塔へ押しかけてきた」

「その小僧を殺さねば、わらわの気が済まぬ」

「それは困るな。いまから親子の大事な話をするところだったんだ」

「大事な話? ふん、それはあれか。わらわに、うぬの亡き妻を蘇らせるよう頼みこんできた、あのことか」

 親父の亡き妻――つまり、俺の母さんを、蘇らせる、ってことか⁉

 そんなことを、親父はイワナガヒメに頼んでいたのか⁉

「待ってくれよ。イワナガヒメ、あんたは不老長寿の力は持っているだろうけど、死者を蘇らせるなんて、そんな力は持っていないだろ」

「そうじゃ。わらわに出来ることは、せいぜい永遠の命を授けることくらい

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