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第358話

Author: Raisaa
ラミアが「小屋に手立てを講じる」と言った真意は、壁を補強することでも追加の結界を張ることでもなく――小屋そのものを空間転移させることだった。

それも、何の前触れもなく。

ラミアが再び木製の扉を開け放った時、最も近くに立っていたセレーネは反射的に息を呑んだ。隙間から流れ込んできた空気は、先ほどまでの肌を刺すような冷気を完全に失っていた。雪の匂いも、凍てつく霜の気配もない。そこにあったのは湿った土の芳香と青葉の匂い、そして肌を優しく撫でる、どこか馴染みのない、穏やかで暖かな風だった。

一歩外へ踏み出すと、世界は一変していた。

眼前に広がる森は、先ほどまでのそれとは根本から異なっていた。青々とした深緑の葉を茂らせた巨木がそびえ立ち、肥沃な黒土からは太い木の根が力強く隆起している。

雪もなければ、氷もなく、先ほどまでの焦土の痕跡など微塵も存在しない。木漏れ日が優しく降り注ぎ、その場所はまるで……奇跡のような平穏に包まれていた。

セレーネは背後を振り返り、次いで周囲を見渡して目を見開いた。

「ここ……」

セレーネの声が詰まった。

「私たち、どこにいるの?」

隣に立つオデットも
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