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第10話

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何かに怯えたせいか、血濡れの姫が着ていた白いワンピースも、手に持っていたワンピースも、一瞬で血のように赤く染まった。

血濡れの姫は手にしていた赤いワンピースを私に向かって放り投げた。すると、ワンピースは自動的に私の体に付着し、サイズもぴったりと合っていた。

彼女は私の腰に抱きついて甘えるように体をすり寄せ、愛おしそうな顔で言った。「ママ、これは私が殺された時に着ていたワンピースだよ。これを着ていれば、ママの身を守ってくれるからね」

その時、再び機械的な音声が響き渡った。「おめでとうございます。SSSS級アイテム『天使のワンピース』を獲得しました」

私が感動に浸る間もなく、臓鬼爺はせっかく縫い合わせてやった「セーター」をびりっと引き裂いた。そして、自分のお腹の中から「毛糸玉」をごそごそと取り出し、護身用にしろと私に手渡した。

するとまたもや機械的な音声が響いた。「おめでとうございます。SSS級アイテム『爺ちゃんの腹わた』を獲得しました」

夜叉婆もすぐに後に続き、潔く黒焦げになった自分の腕を一本引きちぎると、いざという時に役に立つと言ってくれた。

機械的な音声が再び響く。「お
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