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69. 金弓

Penulis: Mr.Z
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-04 19:41:02

 突如L.S.が起動し、その"小さな金のフィギュア"は消えるように入っていった。アイテム欄を見ると、≪全ての犯罪者を蹴散らす【LWS-611】の輝金神物≫といったものが新しく入っており、≪弓の真の姿と邂逅するために使用可能≫と書かれている。

 ⋯⋯あれ?

 ってことは⋯⋯使える人物がここに一人いる。

 と感じた瞬間、勝手に手の上にまた出現した。

 すると、≪"反撃の立体弓"を真の姿へと上書きしますか?≫と表示された。

 "反撃の立体弓"を持つのは⋯⋯そんなの彼女しかいない。

「ニイナ、これであなたを"A.EL"へとさせられる」

 黒能面を取り、口が開いたまま驚いた顔を見せたニイナ。

「そ、それを使えば、わ、私が"A.EL"に⋯⋯なれるんですか?」

「えぇ。"反撃の立体弓を真の姿へと上書きしますか?"ってL.S.に出てる。この弓を持ってるのはニイナだけでしょ?」

「⋯⋯そう、ですね」

 いつもの彼女は何処へ行ったのやら、火照った顔で荒く口呼吸をしている。

 このまま使うのもいいけど、ごめんね、ちょっと利用させてもらう。

「使う前に、一つ条件があるわ」

「⋯⋯はい?」

「私にもし何かあった時は、ニイナが"総理を操る真犯人"を探し出して」

「⋯⋯いや、それは出来かねます。私たちは今、協力関係にあるんです。ユキ先輩もしっかり生きて、それで一緒に捕まえるんです。もし何かあったらなんて⋯⋯そんな事は起きません」

「ニイナちゃんさ、ユキちゃんが起きるまでずっと手を握ってたからね~」

「ちょ、ヒナ先輩っ!? それは言わない約束って!?」

「え~? そうだっけ~?」

 急に始まったヒナとニイナのやり取りに少し吹いた。落ち着いた頃、ニイナは一つ咳払いすると、こっちを向いて「⋯⋯一応、了解です」と。

 その瞬間、彼女の弓へと吸い込まれるように"小さな金のフィギュア"は浮き始めた。弓内へと入っていくと、突然弓が霧に包まれ、頭上へと上がっていった。

「⋯⋯大丈夫なん⋯⋯ですよね?」

 困惑するニイナの横で、「大丈夫だよ」とヒナが笑顔で応える。

 そして霧が晴れた先で落ちてきたもの。

 まるで"最新戦闘機を模したような金の弓?"だった。

 L.S.のホログラムには、≪"反撃の立体弓"は"マルチロールフェイル・ヴィーナス"へと上書きしました≫と出ている。

「これが⋯⋯"A.ELの弓"⋯⋯」

 
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