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第21話

Autor: 魚ちゃん
「なんで400万円もの大金を借りるの?どうしたの、まさか二宮家が破産でもしたの?それとも潤は400万円も用意できないとでもいうわけ?」

明里は慌ててスピーカーフォンを切った。

彼女は急いで言った。「ごめん、今ちょっと手が離せないから。後でかけ直すね」

そして電話を切って振り返ると、案の定、潤は不機嫌そうな顔をしていた。

「400万円とは何の話だ?」彼は尋ねた。「借金でもしたのか?」

明里は小さく頷いた。

潤は彼女を見つめた。「お前が400万円ごときで借金しているなんて知られたら、二宮家のメンツはどうなる?」

「誰にも知られたりしないから」明里は言った。「胡桃は他人に言いふらしたりしないさ」

潤はそれ以上何も言わず、スマホを取り出して何かを操作し始めた。「前に渡したカードはどうしたんだ?もう使い切ったのか?」

明里のスマホに通知が届いた。画面を見ると、潤から2000万円が振り込まれていた。

前のカード?

そういえば、結婚した時、潤からカードを何枚か渡されていたが、一度も使ったことはなかった。

特にお金を使う当てもなく、ブランド品を買い漁る趣味もなかったからだ。

明里は俯いてスマホを操作し、その2000万円をそのまま送り返した。「あなたのお金は要らない。今まで……実家のことであなたに迷惑をかけたけど、これからはもう、あなたのお金は受け取らないから」

潤は眉をひそめて彼女を見た。「明里、離婚しない限り、お前は二宮家の人間だ」

「あなたの顔に泥を塗るようなことはしない」明里は言った。「とにかく……あなたのお金は要らないの」

「だったら他人に借りるというのか?」潤は不機嫌そうに言った。

「もう二度としないから」

潤との関係で明里が引け目を感じる大きな要因の一つは、自分にお金がないことだった。

だからこそ、気後れしてしまうのだ。

これ以上惨めな姿を見せまいと、明里は背筋を伸ばした。「潤、あなたには滑稽に見えるかもしれない。でもね、この世にはお金じゃ買えないものがたくさんあるのよ」

彼女は潤とこれ以上話したくなくて、バスルームへ向かおうとした。その時、彼のスマホが鳴った。

潤はすぐに応答した。「慎吾か?」

明里はビクッと体を震わせ、彼を振り返った。

慎吾?

あの子が、どうして潤に電話を?

電話の向こうの声は、明里には聞こえなかっ
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