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第73話

作者: 魚ちゃん
電話を切ると、湊は弁護士に連絡を入れた。

手配を済ませ、ふと振り返ると、そこに潤が立っていた。

一方、明里はタクシーを拾ったものの、心は焦燥感でいっぱいだった。

彼女が慎吾に電話をかけても、向こうは一向に出る気配がなかった。

向こうがどんな状況かは分からないが、女一人で乗り込むのは危険に決まっている。

だからこそ、湊に電話をかけたのだ。

幸いなことに湊は頼りになり、移動中に弁護士から連絡が入った。明里が慌てて住所を伝えると、相手からすぐに向かうとの返事があった。

それを聞いて、彼女はようやく少し落ち着きを取り戻した。

そして、すぐに目的地に着いた。以前、慎吾を訪ねて来たことのある会員制のクラブだった。

しかし、弁護士はまだ到着しておらず、焦った明里は先に中へ入った。

すると、いきなり誠が目に飛び込んできた。

先日このクラブに来た時、慎吾と一緒に食事をしていた、投資がどうとか言っていた男だ。

彼をよく覚えていたのは、その視線がいやに軽薄でいやらしく、話し方も不真面目だったからだ。

「村田さん」誠は明里が入ってくるのを見ると、まるで目が彼女に張り付いたかのように言
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