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2-80.十六夜強奪(1/3)

ผู้เขียน: 夜野たけりゅぬ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-09-26 06:00:40

 豆蔵くんと定吉くんを先頭に、あたし、冬凪、鈴風、伊左衛門と隊形を作ってVRルームを出た。

授業棟のいつも使っている階段を下り生徒用玄関までは結界のおかげで何事もなく来れた。

そこからは校庭が見渡せるはずなのに、目に入るのは薄汚れた枯れ草色の蓑笠連中ばかりだった。

連中は笠の破れから覗く黄色く濁った瞳だけをギョロギョロと動かすばかりでひと所でじっとしている。

それは手をこまねいていると言うのではなく誰かの命令を待っているかのようだった。

「慎重に行こう」

 伊左衛門が言いたいことはあたしにも分かった。

20年前の辻沢で、冬凪とあたしが光の球を追って志野婦神社に行った時と同じだったから。

いつもならすぐに生首を飛ばして襲ってくるのに、志野婦神社の境内に溢れていた蓑笠連中は今のようにじっとして動かなかった。

「トラギクがいそう」

 すると冬凪が、

「織り込み済み」

 とはっきり言った。

その瞳は確かな意志を湛えて前をまっすぐ見ていた。

あたしはそれで安心して囮になれると思った。

 にしてもこの溢れかえる蓑笠連中の前に出なければ囮の意味がない。

体育館はその向こうにあるからだ。

 冬凪が蓑笠連中の海を睨みつけて言った。

「伊左衛門。張った後の結界って動かせるよね」

「できるよ」

これまでも伊左衛門は結界を自在に操って見せてくれた。

それくらい簡単にできそうだけれど冬凪は何をするつもりなのか?

「なら、夏波だけを結界で包んでそのまま移動させてくれる?」

 それで体育館に向かえばこの泥縄色の海を渡れる。のか? 

「やって」

 あたしは豆蔵くんと定吉くんの前に進み出た。伊左衛門が印を結ぶと、あたしの周りが急激に寒くなって視界が白い霧に覆われたようになった。

範囲が狭くなった分、寒さも強くなったらしく遮光カーテン持ってくればよかったと思ったくらいだった。

今更だし寒いのはがまんするときめて動き出すのを待

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