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第117話

작가: るるね
last update 게시일: 2026-04-29 23:05:33

 父が署名したあの契約書――その写しを手に入れるまでに、想像以上の時間と手間がかかった。

 最大の障害は父だった。

 強い刺激を受けて以来、一度も陽菜の電話に出ようとしない。母は電話には出てくれるものの、契約の詳細を把握しておらず、父に確認を取りに行こうともしなかった。

 そのため、一週間が過ぎても、陽菜はいまだに契約書の中身を目にできていない。

 焦りだけが募っていく。

 このままでは埒があかない。

 休みの日に病院へ行き、直接父に会おうと考えていた。ちょうどそのタイミングだった。

 その意図を見透かしたかのように、一条が先に口を開いた。

「今度の休み、病院に行くつもりか?」

 陽菜が驚いて顔を上げると、一条は少し探るような目で続ける。

「よかったら、俺も一緒に行く。契約の件、できるだけ早く確認したほうがいい」

 思わず目を見開く。

 正直、そこまで付き合わせるのは気が引けた。

 自分の家の問題だ。これ以上、一条に負担をかけたくない。

 けれど一条の様子はどこか切迫していて、言葉にもはっきりした理由があった。

「東和は動きが早い。こっちが対策を考えてる間に、向こうは全部片づけてるか
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