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第366話

مؤلف: 北野 艾
電話の向こうの悠人は、実はすでに『東方庭園』のエントランスに到着していた。だが、ロビーを横切ろうとしたその時、見慣れた後ろ姿が目に飛び込んできた。

彼は思わず足を止め、喉まで出かかっていた「もう着きました」という言葉を飲み込んだ。「父さん、急用ができた。少し遅れる。先生には申し訳ないけど、よろしく伝えてくれ」

悠玄が何か言う隙も与えず、悠人は通話を切った。

そして、その人物――志帆の目の前に立った。

「先輩」

志帆は驚いたように顔を上げた。「あら、食事?」

「うん。先輩も?」

「私もよ」

悠人は少し間を置いて尋ねた。「待ち合わせ?」

「うん」志帆は急いでいる様子で、それ以上会話を広げようとはしなかった。

悠人は本当はもっと話していたかったが、引き止めるわけにもいかず、未練を押し殺して告げた。「じゃあ、邪魔しちゃ悪いね。また今度、食事でもどうかな」

「ええ、ぜひ」志帆は足早に去っていった。

悠人はその場に立ち尽くし、彼女の背中が見えなくなるまで見送った。

あと十日もすれば、彼女は賀来柊也と婚約する。

そうなれば、自分は彼女の世界から完全に退場することになるだろ
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