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第162話

Auteur: 花咲 錦
ただでさえここ最近、星歌の離婚に対する意志は岩のように固く、揺るぎないものだった。

それなのに飛鳥はあろうことか、冴島家の連中と同じように彼女を権力でねじ伏せようとしたのだ。

少し痛い目を見せれば、自分にすがりついて従順になるだろうと高を括って……!

ここ最近の星歌の容赦ない暴れっぷりを見て、彼女が素直に泣きついてくるようなタマに見えたとでも言うのだろうか?

案の定、最悪の結末を迎えている。

昨日、飛鳥が彼女を見捨ててマウントを取ろうとした浅ましい魂胆は、すでに星歌本人に筒抜けだった。これによって、彼女の決別への意志にさらに油を注ぐ結果となってしまったのだ。

「……あの雑炊を俺の口に運んだのは、あいつだ。あいつは、毒が入っていると分かっていて俺に食べさせたんだ」

その瞬間、飛鳥の口調には、怒りとも絶望ともつかない、酷く複雑な感情が入り混じっていた。

「星歌さんが毒入りだと気づいてたなら、当然、それを仕込んだのが冴島家の人間だってことも分かってただろうさ。俺が星歌さんの立場だったとしても、間違いなくお前に食わせるね」

「……ッ」

飛鳥は何も言い返せず、沈黙した。

翔
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