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第75話

Auteur: 花咲 錦
啓介は、自分勝手に喚き散らす飛鳥の背中を、氷のように冷え切った目で一瞥した。

翔太が何か言おうと唇を動かしかけたが、啓介は飛鳥から視線を外すと、一言も発することなくそのまま出口へと歩き出してしまう。

「おい、啓介……!」

あいつの目を覚まさせてやらなくていいのか。

そう言おうとした翔太の声に振り返ることもなく、啓介の背中は遠ざかっていく。翔太は苛立ちまかせに自分の髪をガシガシと掻きむしった。

その直後、再び電話を切られたらしい飛鳥が、怒りを全身から発散させながら振り返った。

ドンッ、と翔太と飛鳥の視線がぶつかり合う。

飛鳥の顔がさらに険しく沈んだ。

翔太は足早に飛鳥の正面へ歩み寄り、低い声で尋ねた。

「お前……今、夏目陽子の一件で星歌さんを問い詰めてたのか?」

飛鳥は張り詰めた冷たい視線を翔太に向けるだけで、何も答えずそのまま横を通り過ぎて立ち去ろうとした。

その態度に、ついに翔太の堪忍袋の緒が切れた。

彼はすかさず飛鳥の腕を力任せに掴み、噛みつくように言い放つ。

「お前、本気で星歌さんを手放すつもりかよ!?」

ただでさえ苛立ちの絶頂にいた飛鳥は、翔太の言葉
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