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第2章 – 最後の遺言

Author: Marghie
last update publish date: 2026-09-23 12:46:19

ナンシー

「咥えなさいよ! 毎晩のように上司とセックスする夢を見ていたんでしょ? 今がそのチャンスよ! ディープスロートしてやりなさいよ! カイリーにはできなかったことをやってみなさい! 咥えて! 咥えなさいよ!」 「ダメよ! クビになったらどうするの? これまで積み上げてきたものが全部台無しになるわ! 第一、あなたはきちんとした女性よ」

頭の中で悪魔と天使が言い争っていたが、天使の方が勝ったので私は身を引いて立ち上がり、テーブルの上にスマートフォンを置くと、ドウェイン社長にタオルを差し出した。

「社長、お着替えになってください。お父様の病院へ向かいましょう」 私はそう言った。

震えながらも、ドウェイン社長は急いで従った。私が車を運転している間、彼は一言も話せなかった。二人がとても親密な父親息子関係であることを知っていたからだ。

それに、彼が裸だった姿を見たという記憶も頭から離れなかった。急に下腹部が痛む。彼の「あそこ」はどんな味がするのだろう? 私が丸ごと口の中に含んでやることができるだろうか? クソっ! 緊急事態だというのに、こんな時にまで妄想なんてしている場合じゃない!

彼らが所有する病院に到着すると、ドウェイン社長はすぐに車から飛び降りた。私は車をきっちり駐車してから後を追った。

中に入ると、ドウェイン社長とエレナ夫人が抱き合いながら泣いていた。私はその傍らに立ち、二人の境遇を気の毒に思った。

レオ社長はベッドに横たわり、口には様々なチューブがつけられていた。目は閉じられ、顔色は青白かった。

「申し訳ありません。私たちも全力を尽くしましたが、レオ様が発作を起こされた心臓発作は非常に重篤なものでした。残された命の時間は、おそらくあと1ヶ月ほどだと思われます」と医師たちは告げた。

「1ヶ月? 頭がおかしいんじゃないのか? あんたたちの脳ミソを使わせるために、こっちは高い金を払ってるんじゃないんだぞ! このバカどもが!」ドウェインは泣きながら叫んだ。そして私を振り返った。「ナンシー、プライベートジェットを手配しろ。パパを海外に連れて行くんだ。あそこの医者たちなら、こういう役立たずのポンコツどもよりよっぽど優秀だろうからな!」 「ドウェイン、やめて!」と、母親が涙ながらに制止した。 「母さん、パパが死ぬなんて俺は認めない!」ドウェインは再び叫んだ。

エレナ夫人はドウェインを抱きしめた。 「受け入れましょう。お父様はこれまで何度も軽い発作で苦しんできたわ。心臓はもう本当に弱っているのよ。もしかしたら、お父様自身もそろそろゆっくり休みたいと思っているのかもしれない。それに、この状態で移動させること自体がもっと危険よ」 「だけど母さん、使わないための金に何の意味があるんだ? パパが無理なら、海外から医師を呼び寄せればいいだろう」とドウェインは言い返した。

ドウェイン社長の苦悩が痛いほど伝わってきたので、今すぐにでも彼を抱きしめてあげたかった。彼の涙を見ると私の心まで締め付けられたが、それは許されないことだった。私はただの秘書なのだから。

「ドウェイン社長、他の医師に診ていただいたとしても、おそらく同じ結果になるものと思われます。すでに昏睡状態および植物状態であり、呼吸を維持しているのは機械のみです。しかし、長くはもたないというのは確信しております」と医師は再び告げた。

ドウェイン社長もエレナ夫人も、大邸宅に戻ってからも言葉を失ったままだった。何か言いつけがあるかもしれないと思って私も同行していた。彼らにコーヒーを淹れようとしたとき、メイドが走ってきて客人が来たと告げた。

ジョンソン家の顧問弁護士であるバーナード・サンドウェル弁護士が入ってきた。彼は悲しげな面持ちで母子と握手を交わした。 私は彼にもコーヒーを出し、端の方に立った。

「ジョンソン夫人、レオ様の件はお聞きしました。このお知らせを喜ばれるとは思えませんが、レオ様の『最後の遺言』に関する件です」と彼は切り出した。

「最後の遺言だと? パパはまだ死なない!」ドウェイン社長がイラ立ったように言った。 「ドウェイン様、レオ様の担当医ともお話ししましたが、医療レポートを見る限り、状態は本当に思わしくありません。だからこそ、こうして急ぎお伺いしたのです」とサンドウェル弁護士は答えた。

「遺言に何か問題でもあるのですか?」 目が真っ赤に腫れたエレナ夫人が尋ねた。

サンドウェル弁護士はドウェイン社長に視線をやり、一冊のフォルダーを差し出した。 ドウェイン社長はそれを怒ったような目で見たが受け取ろうとはせず、私に言った。「ナンシー、こっちに来い」 私は近づいて彼の隣に座った。

「レオ・ジョンソン様の遺言の内容は以下の通りです。私が読み上げますので、よくお聞きになってください」と弁護士は再び口を開いた。

私はドウェイン社長を見た。なぜ私までこんなに緊張しているのだろう?

「私、レオ・ジョンソンの総資産額は合計8億ドル……」

私は目を見開いた。8億ドル? 以前ニュースで報じられていた金額よりもはるかに莫大だ。 私はまた、さっき私の顔に当たりそうになったドウェイン社長の「あそこ」のことを思い出してしまった。生で見たら、夢で見た時よりもさらに大きかった。 まったく! なぜ彼のあの「武器」が頭から離れないんだ? くそっ!

「この遺言は、私が初めて軽い発作に襲われたときに作成したものです。人生は短いものだと気付いたため、一人息子であり後継者であるドウェインが、私が死ぬ前に妻を持つことを私は望みました。もし彼が自分自身の家族を持たない場合、私の全財産の95%はチャリティに寄付され、彼に残されるのはわずか5%となります。愛する妻エレナとは結婚前にすでに婚約に関する契約(プレニュプ)を結んでおり、彼女が所有する100億ドルに達する資金は彼女個人のものであり、私の願いが果たされなかった場合にチャリティに回される私の資産には含まれません」

サンドウェル弁護士はフォルダーを閉じ、呆然としている母子を見つめた。ドウェイン社長は激しくテーブルを叩きつけて叫んだ。「なんだその遺言は! 俺が後継者なのに、条件付きだと言うのか!」

エレナ夫人までもが頭を抱えた。「弁護士さん、なぜ私にこれが知らされていなかったの? 以前の遺言はそんな内容じゃなかったはずよ? 全資産の95%だって? オーマイガット!」

サンドウェル弁護士はうなずいた。 「レオ様が遺言書を変更されたのです。あなた方に伝えられていなかったとは私も存じ上げませんでした」そして彼は立ち上がり、ドウェインを真剣なまなざしで見つめた。「もう書類を変更することは不可能です。お父様はすでに昏睡状態にあいらっしゃいますから。私から言えるアドバイスは、これに従うことだけです。裁判所に上訴したところで、状況を覆すことはまず不可能でしょう」

「じゃあ、俺は結婚しなきゃならないってことか?」 ドウェインは驚愕しながら尋ねた。

「そういうことになりますね」とサンドウェル弁護士は答えた。「ドウェイン様との結婚に同意する女性はいくらでもいるでしょうが……ふさわしい方を選びなさい。結婚相手が決まりましたらお電話ください。しかし時間はありません。すべてを失うことにならないようになさってください。もっとも、お父様が財産をチャリティに寄付するという意図は素晴らしいものですが、あなた方もその財産築くために苦労されてきたのは存じておりますので」

サンドウェル弁護士が去った後、しばらくの間、部屋には重苦しい沈黙が流れた。

「くそっ! ちくしょう!」ドウェイン社長が怒りを爆発させて叫んだ。

一方、エレナ夫人は深く考え込んでいた。おそらく、息子に紹介できそうな女性を頭の中で選んでいるのだろう。

密かに恋い慕っている私のボスが結婚してしまうと思うと、少し切なかった。それはつまり、彼に対する妄想もそろそろ終わりにしなければならないということだ。

「ジャネラだ!そうだ! ジャネラと結婚しよう。彼女なら結婚相手としてふさわしいと思えるし、少なくとも俺にも多少なりとも感情があるからな」ドウェイン社長は笑みを浮かべて言った。

私はうなだれた。私の予感は的中した。ドウェイン社長はジャネラのことが好きなのだ。これまで付き合ってきた100人のガールフレンドの中で、結婚を申し込もうと本気で考えた相手など一人もいなかったというのに。

「ダメよ、私は反対だ」

ドウェイン社長と私は同時に彼の母親の方を向いた。彼女は厳しい表情で首を横に振っていた。

ジャネラが嫌いなのだろうか? しかし、なぜ?

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